町の本屋さんが減少した原因はAmazonではなく、コンビニだからな?

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だって、90年代の…IT革命やらスマホが浸透する前から、書店の店舗数は減少してるんだもん!!

書店数とその坪数推移をグラフ化してみる(最新)-ガベージニュース

ガベージニュースさんの優秀なところは、「店舗数」と「総売り場面積」の両方の統計を収集しているところ。
店舗数は減ってるけど、1988年をピークに減少している。
だけど、売り場面積だけで言えば、2006年がピークで、そこから激減している。

この18年の差が何を物語るというと…「敵が違う」ということ。

町の本屋を潰したのは都会の書店と、コンビニ。

何しろ、1988年に売られているパソコンは30~70万円とかそういう価格帯だし、Windowsで言うとWindows2.0とかだから…そんなもんに書店は潰されるわけないよね…。(ちなみに、携帯電話の方は…まだ肩掛けです。1987年公開のマルサの女に、肩にかけて使う携帯電話出てきます。だから、電子書籍以前にまず、液晶画面がないです…

 

その代わり、コンビニは1970年代後半から徐々に力をつけて…1980年代後半には大手8社で1万店舗のコンビニができた。その後、不況やらデフレが後押しして今では日本中に5万店舗以上のコンビニがあるけど…当時でも1万店あった。

コンビニの国内店舗数推移をグラフ化

これだけで相関関係は説明できとるかもしれないけど…因果関係まで説明できてるかというと弱いのよね…。

だから、しっかりとした説明をしようと思ったら町の本屋について考えないと…。

町の本屋で高回転な売れ筋は雑誌とマンガ。ところにより文房具。

町の本屋に何が置いてあるかというと…
・児童書
・中学高校生用の問題集
・人気マンガ雑誌、アニメ化作品の最新刊(マンガ単行本)
・雑誌
ところによっては成人向けや文具、トレーディングカードゲームにも手を出してるけど…これに関しては町の本屋にも色々あるから一概に言えない。(※他にも昔はお取り寄せ需要もあった。でも、今はネットで個人で注文できるようになったから今もあるのかはよくわからない。)

ただ、「ところによっては扱ってるもの」まで含めて、町の本屋で扱ってるものは児童書と問題集以外はコンビニで買える。
しかも、頻繁に買うものほど、コンビニで揃えてくる。

雑誌なら週刊誌、マンガなら最新刊や映像化された作品…児童書と問題集は扱ってないのではなく、そもそも買う頻度自体が少ないからコンビニではあまり扱わない。売れ筋だけ固め打ちして、ニッチなものは本屋さんに丸投げ。
文房具、大人の雑誌、カードゲームも、主要なものはコンビニで買える。マニアックで買い替え頻度が少ないものをコンビニ以外に丸投げ。

法人・学校向けに対応できる本屋以外は、90年代から徐々にコンビニに搾り取られて細々としてきた。

 

都会の大きな書店も、コンビニの脅威を理解してたからコンビニよりいいアクセスで、置ききれない程の品揃えを実現すべく書店は駅に近くなり、大きな店舗になっていった。

 

コンビニとの戦いを、便利さよりもサイズで圧倒した書店業界。
そのため、売り場面積のピークは2006年となってる。
2006年といえば、もう楽天がプロ野球チームを持って2年目のシーズンを迎えてるし、amazonだって日本に進出してきて5年が経過しているなど、eコマースが浸透してから随分経過している。

eコマースと書店の店舗数や売り場面積はあまり相関関係がない。

では、売り場面積の大きい大型書店を潰したのはなんだったのでしょうか?
そして、大型書店の戦略は何がダメだったのでしょうか?

 

大儲けが難しいはずの書店が大都会に出店するリスク

最近の書店は、とにかく広い。
回転率の高い飲食店が4,5店舗入りそうな面積…家電量販店やスーパーと同じぐらいのスペースを確保してる。

でも、本屋ってどこで買っても値段も品質も一緒。
広いお店の割に営業努力できる要素が少ないし、駅前の大型店舗に限って大差のない無難なお店が多い。しかも、駅ビル・駅地下の書店で混んでるところはほぼない。

こんな状況なら、Amazonや楽天なんかいなくても、書店同士で消耗戦になって疲弊し合うよね?

大都会で、書店が競争できる要素がレイアウトと売り場面積と品揃えぐらいしかない「どこに行っても、どこで買っても同じ」お店同士が争ってたら、常識的に考えて消耗戦にしかならないよね?

 

冷静に考えたら、Amazonや出版不況のせいでもなく、「消耗戦するしかないところで戦ってる」のが、大型書店の現状では?(Amazonは背中を押しただけで、元々崖っぷちだったのでは?)

 

大型書店並みのスケール感でも、専門的またはユニークな書店は今だって行列ができたり、店舗数を伸ばしたりしている。
ユニークな書店で言うと…蔦屋書店の代官山または二子玉川の店舗は…書店不況なんて感じさせないほど混んでる。

「あんなの本屋じゃない」
という保守的な人の気持ちもわかるし、ぼくもあれ本屋ではなく、意識高い系のテーマパークだと思ってるよ?

でも、同時に言いたい。
「一等地の駅ビル・駅地下に大々的に出店している割に、あそこまで挑戦している本屋さんって…そんなになくて、だからこそ蔦屋書店が新しく、またはおしゃれに見えてしまうんだ」
と。

もう一回言うけど、ぼく自身は蔦屋書店なんかで本買わないよ?
あんなところ、本をインテリアとして飾る人のために買ってるようなやつばっかよ?

それでも、駅前の「普通で冴えない本屋同士の戦い」を避けてるから、ビジネスとしてはすげー正しいんだよ…。

あえて言おう、「冴えない書店は倉庫と同じ。店舗並みに高いテナント料の倉庫」だと

Amazonや楽天は、本当に倉庫にしか使えないようなところからものを出荷している。
一方で、書店は高いテナント料払って、品揃えのために広い店舗確保して、消耗戦繰り広げてる。

そんなことしてたら淘汰されるのは当然なわけ。

電子書籍が出てくる・出てこない以前に、書店が都会に集まって、品揃えと維持コストの間で板挟みになってる頃に「それだったら、倉庫機能に徹してる楽天・Amazonは強いよね」という話にしかならない。

楽天やAmazonの影響が少なかったのは総合的ではない専門的なところと、書店としての立ち位置をもっと差別化したところ。そうじゃないところが多かったから、飲まれた。

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Kindleの登場以降が、Amazonの本気。今まではまだ序の口。

冒頭で出した書店の店舗数と売り場面積のグラフは2014年まで。
ガベージニュースさんの元記事を見ても2016年までしかグラフがない。

Amazonが日本でKindleを開始したのが2012年の10月で、Kindle向けのアプリは2015年の1月と2月。(PC向け・iOS向け)

つまり、引用した2014年までの文献はあまりKindleの影響が出てないし、2016年の統計でもまだまだKindleの影響は反映されてない。

 

Kindleの何がすごいかというと

  1. Kindleの方が本が安く買えてしまう…書店にはセールがないけど、Kindleにはセールがある
  2. Kindleは場所を取らないし、劣化もしない…書店で買った本は場所を取るが、Kindleはデータでかつ端末を噴出してもCloudに保存していれば、Kindleのサービスが続く限り永久保存。
  3. Kindleでしか読めないものが増えていく…品揃えの面で、実際の書店はますます太刀打ちできなくなる。
  4. 定額読み放題サービスがあるKindleUnlimitedに入れば、毎月定額で対象の書籍が読み放題。いっぱい読む本の虫みたいな人や、対象のマンガをまとめ読みしたい人にはありがたいサービス。
  5. Kindleで誰でもリッチな書店員になれる…実店舗の書店員は時給が安いのだが、Kindleは専門知識を持ってSNSやブログで紹介すれば、誰でもアフィリエイト収入が入る。Kindleのアフィリエイトレートがいいため、ライティング技術があって本が好きな人は書店で働くよりもKindle本専門のブログを作った方がいい時代が来てる。
  6. Kindleで誰でも作家になれる…自分で作った電子書籍をAmazonで出版できる。今出版社経由で本を出してもほとんど宣伝してもらえないどころか、出版のための根回し手回しも大変だから、今後Kindleで作家になる(Kindleで作家になる方が儲かる)人が増えていくと思われる。

 

まだ、電子書籍自体が発展途上、普及途上のジャンルだから、書店の売上に影響を及ぼすほどにはなってない。
でも、本当にKindleが浸透してくると、書店どころか、本が好きな人、本が書ける人のホントの関わり方がごっそり変わってしまう。

 

世間では、「Amazonの影響で書店と出版社が大打撃」なんて言われてるけど、まだまだ第1段階が終わったにすぎないと思う。

「店舗VS倉庫」という第一段階が終わっただけ。
「紙VS電子」であったり、「紙も出せる出版社VS電子だけを個人出版」とか、「書店員のバイトVS本の虫/オタクなブロガー」とかね。

コンビニと町の本屋、大型店舗と倉庫の戦いは便利さの戦いだった。
でも、Amazonが本気で本のあり方を変えたら、それは本の形や作り方、売り方自体が変わるから、頭の使い方や働き方の戦いになっていくでしょうなぁ…。

 

そういう意味ではKindleを含めたタブレットの端末は徐々に伸びていくんだろうなぁ…。

PCからでも電子書籍自体は読めるけど、紙の本の大半を電子書籍に移行すると、寝っ転がって本を読めるタブレットの端末を欲しがる人が増えていくと思う。
あるいは、タブレット自体が時代がまだ追いついてないだけで、実はKindleやスマホアプリの浸透って、PCやスマホで伸びてきたものをタブレットに置き換えたいと考えるようになっていく人が増えていくのかもなぁ…。

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