なぜ巨人で成功している選手に「いい子」は少ないのか??

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ここ5年ぐらい、巨人軍は「スターティングメンバーの高齢化」「生え抜き選手が伸び悩み」が散々指摘されている。
これに対して巨人ファンは「村田ヘッドコーチが悪い」とか、「補強しすぎて成長の芽を摘んでる」とか…色々言うんだけど…ぼくはそんなことじゃないと思う。

そもそも、巨人で成功するタイプには2タイプいる

これ…長嶋茂雄が活躍してた時代から坂本勇人まで一貫していることなんだけど…巨人軍で成功している人はだいたい2パターン。

1、悪ガキまたはビッグマウスな跳ねっ返り
2、飄々と他人からの批判やプレッシャーを受け流せるメンタルの強いタイプ

1が特に重要で…態度がふてぶてしい、ビックマウスな人は巨人が強かった時にはだいたい一人はいる。
V9の時代なんかは堀内恒夫、王貞治、柴田勲はそれぞれ寮長が選ぶ態度が悪いスポーツ選手で…門限やぶりの常習犯だった。
ビッグマウスで反発が強いひととしては、中畑清だったり、仁志敏久だったりは…ビッグマウスから干されたりマスコミから騒がれたりしていた。
坂本勇人も…こっちに入るんじゃないかな?
週刊誌の報道ではあるものの、夜遊びの際に接客してる女性がブサイクなことをゴキブリ呼ばわりしたり、若手との合同自主トレではキツイことをズバズバ言いまくったりしているし…。

2は…原辰徳とか、松井秀喜とか、阿部慎之助とか。
あからさまに悪いヤツエピソードはないんだけど、軽い感じで記者や回答に困るような質問をいなしていくタイプ。

 

「巨人軍よ紳士たれ」
なんて言われているけど…正直、根っこまで紳士で成功している人のほうが巨人の場合は少ないのでは?
というぐらいにスター選手の悪エピソードは掘り下げてみるとけっこうある。

むしろ、80年代までの巨人は悪ガキやビッグマウスを言うような「ええ根性しとる」人達を、みっちりしごき、成功しとるような人…もともとはワルなんだけど、野球に打ち込むきっかけがあって成功しているような人が多いように思う。

 

阿部慎之助が小林誠司を「真面目過ぎる」「遊びがない」と言ってるところをちょくちょく見かけるけど…小林誠司みたいに周りからの批判やプレッシャーを真正面から受け止め続けるタイプの人の方があんまり成功していない気がする。(※小林誠司が成功したかについてはこの場合は議論しないこととする)

 

大田泰示が日ハムに行ってすぐに才能が開花したのも、指導法うんぬんよりも基質として人気球団のプレッシャーに向いてたかどうか…と言う部分が大きい気がする。
彼なんかはマスコミ報道見ている限りでは真摯に受け止め過ぎてるタイプだったし…。

 

薄々こんなことを思っていたところ、Amazonプライムの本田圭佑と日本サッカーのチェアマンとの対談に面白い話を見つけた。

成功し続けている選手は拝聴力と発信力の両方が高い

サッカーは、野球以上に決着がつきにくいばかりか、シュートや攻撃の失敗が多い競技だからこそ…失敗してもやり続ける強いメンタルが必要になる。

その強いメンタルを支えるものは具体的にはなんなのか…を、人事の専門家だったチェアマンが調査したところ、相手の話を聞く力と、自分の意見を発信していく力の両方が一流選手は共通して高いのだという。

 

日本のサッカー大成功している人…本田圭佑にしろ、岡崎慎司にしろは、ずば抜けてフィジカルやテクニックが高かったわけではなく、むしろ失敗してもやり続けるメンタリティで、具体的には人の話を聞いたり自分で発信したりする能力なのだという。

 

先程、「巨人軍の選手は悪ガキや飄々としてる人こそ成功している」と言う話をしたが…これが本当にただ「人の話を聞かない人達」だったら成功することはなかっただろう。
でも、悪ガキな人でも猛特訓で生まれ変わったエピソードや、名手に弟子入りしたエピソードがいくつもあるので、「根っこではワルで発信する側だが、話を聞く能力も高い」から成功している。

 

成功するところばかりを抜き出して、日本の教育では「素直なやつこそ成長する」と解釈されがちな話だが…実は「根っこで自分を発信する側の人間であっても、人の意見や成長するために必要なノウハウを聞き入れることができるやつ」が成長する…とのが、本当のところなのだ。

 

チェアマンの調べたデータにはもう1つ面白い話があって、それは
「欧州のチームと日本のチームは(選手がゲームに対して)オーナーシップに大きな差がある」
と言う。

「オーナーシップ」をどうやって測ったかと言うと…選手から提案された練習を指導者が取り入れたかどうかで測ったのだという。これが、欧州には少しだけあったが、日本にはまったくなかったと言う。

 

野球の世界でいうと…仰木彬や権藤博のように選手に調整法を丸々任せているような状況や、一流選手が通常の練習に加えて独自のルーティーンや自分が勝手にやるような練習を指すだろう。

仰木彬監督の場合、野茂のマイペースな調整を受け入れているし、
権藤博に至っては、「プロなんだから自分達で考えてやってください」と言って、やらせてしまって優勝している。

 

ちなみに、イチローはその両方に絡んだ名言やエピソードがある。
1つ目の「失敗の多いスポーツ」ということに関しては口酸っぱく言い続けていて、その象徴として、メジャー3000本だか、日米通算4000本だかの時に
「それだけの安打を打ったことより、安打を打つためにそれ以上失敗しても打席に立ち続けたことに意味がある」
という話を記者会見でしている。

もう1つの調整については…イチローが打席に立つ前のルーティーンや、マイアミ・マーリンズでは自費でトレーニング道具を持ち込んで初動負荷トレーニングを独自にこなしている。

 

もちろん、巨人軍で同じことが受け入れられるか、受け入れられるためにはどれだけの実績が必要かは別問題になってくるから「巨人の選手もこうすべきだ」とは簡単にいいづらい。
同時に、巨人はただ素直でいい子な選手にとっては、プレッシャーや向いてない調整法などのノイズが多いから「本当に親身に取り組む人以外をスルーできる頑固さ、悪ガキっぷりがないとせいこうできないのかな?」と思う。

日ハムやオリックス、横浜なんかはノイズが入ってくるほど注目されてないし、頑固な調整法を持ってる選手をグズグズ叩かれる以前の問題だから…チームとして勝てるかは別として、大きく育ちやすい環境はあるのかな…と思う。(この3つの球団は暗黒期でも凄い選手がちょいちょい育って、主力選手が移籍して優勝や大金にありつくことはあるし)

がんこじゃない素直な選手もいい情報だけ入れやすいし、頑固な選手に対しては自分の調整法をストイックに貫くことに巨人ほど強く批判されにくいし。

 

人気が巨人1強からシフトしていけば改善する問題だと思う反面、巨人の名選手が通算成績以上に特別に輝いて見えるのは、掘り下げて聞く力と発信力の両方を兼ね揃えてないと出てこられない環境を乗り越えてきたからなのかな…と。

ハングリー精神とか、ハートの強さと簡単に言うことはできるんだけど…その簡単さでは片付けられない部分はそこなのかなぁ…と、野球のことなのに、本田圭佑から考えさせられた。

 

ちなみに、本田圭佑はそれを昭和的な親御さんから培われたと言うけど、後天的に身につけるにはどうしたらいいんだろうね??
他の選手だったら、体格が大きくて伸びしろのある選手を計画的に…斎藤佑樹クラスの人気選手じゃなければ、今の日本ハムやソフトバンクみたいに育てたら解決するだろうけど、巨人軍については巨人としてのメンタルみたいなものがないと強くならないだろうから、そこを見つけ出さないと、「生え抜き選手で巨人がすごく強い時代」は戻ってきづらいのかな…。

 マジで面白いので、よかったら見てみてください。

これ以外にも「ケガして人が成長する話」が落合博満の「怪我して野球がうまくなることもあるのに、コーチがその機会を奪うな」と言ってる話と重なるので、野球ファンこそ見ると面白いと思います。

 

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巨人軍でも成功したラミレスは、自分が仕えた監督の教えことを貪欲に飲み干しつつも、独自にメンタルの調整やキャッチャー研究をやってるのよ…。(さらに、ノイズが多いことに対しては「ポジティブな人しか取材に応じない」「パフォーマンスでファンに対応」といった独自のやり方を確立して巨人特有の環境を乗り来てるのよね)
話を聞く能力と発信するの力の両方が高かったから成功した好例。

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