【感想?解説?】ゼロの執行人は「期待感ゼロ」で見に行くぐらいでちょうどいいよ

2018年4月27日

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2018年の名探偵コナン新作映画「ゼロの執行人」を見てきたので、感想書いていく。

ざっくりとあらすじを書いておくと
・公安警察が警備するビルがテロに巻き込まれる
・現場の証拠を理由に、おっちゃんが誤認逮捕される
・安室透という公安の「ゼロ」という秘密機関に所属してるキャラ(が、潜入している毛利探偵事務所の下にあるポアロという喫茶店)にコナンが抗議しに行くも、冷たくスルーされる。
コナンくん「今回の安室さんは敵かもしれない」

と言った感じの内容。

この作品はコナンの映画では異色な裁判や公安組織の話がすごく多い。
コナンをいっぱい見てきた人には斬新に見えて、面白い反面で、コナンをあまり見てない人からすると、過去作品から続いている「定番の流れ」や、この作品では無視されている「定番から逆らった作風」みたいなのが感知されにくい。

だから、コナンをたくさん見ている人の方が…気づくネタ・驚くポイントがこの映画の面白い所とつまんないところを明確にする上で必要なので…それをネタバレ最小限で話せたら…と思う。

 

って、そもそも誰だよお前??

名乗るほどのもんではないけど…一応、コナンの映画は全部見た上で、ぼくは個人的なランキング記事まで書いてるぐらいにはコナン見てる。

好きな方:名探偵コナン映画作品ランキング(ベスト10)
あんま好きじゃない方:名探偵コナン映画作品ワーストランキング

ランキング全部見るのがたるい人に好きな作品だけ挙げると…「世紀末の魔術師が一番好き」というコナンのファンの中でも、表層化してないめんどくさいタイプのコナンファン。

ついでにいうと、ぼくは男なので…(腐)女子人気の高い作品でも話がつまんない・トリックが面白くない作品は評価しないスタンス。
「腐女子こじらせた妹の兄」を二十数年やってるし、女友達になる人が高確率で腐ってるから、嗜み程度に「好きだろうなぁ~」「ウケるだろうなぁ~」はわかるけど…ぼく自身は腐ってないので、そっちの方は憶測でしか語れないので、その辺はご勘弁を。

キャラ萌えで映画見る女性ファンにはきっと良作。

なんで「腐女子」の話をしたかと言うと…今回のコナンは、あからさまに女性ファンに寄せに行った作品だから。
安室透が好きな女性ファンは見てて面白いし、「横に腐った人がいたらきっと奇声を上げながら、身悶えしながら見るんだろうなぁ…」という安室さんの表情がたまらなくキュンとくるシーンがちょいちょいあって、それがウケるんだろうなぁ~というぐらいの感想。

 

というのも…(よく女性ウケを狙いに行くと主役格になる)怪盗キッドの出ているコナン映画は話が面白い・つまらないにかかわらず、過大評価されやすいから。
興行収入的にもクオリティ的にも一部のファンが押し上げられてしまい、他のファンにはがっかりな作品でも、すごい人気が出るから。

だから、コナン映画は定期的に女性に寄せた作品作るんだよ…。
女性ウケがいい作品はクオリティが悪くても、興行的には失敗しないから。
そして、興行的に伸び悩んだり、監督が代替わりして不評になりやすい時などは…怪盗キッド含め女性ウケのいいキャラがメインになる話が出やすい。

今回の作品は立川譲監督の交代1作品目ということもあって、「高いクオリティのモノを作ろう」と言うよりはむしろ、「手探りに新しいコナンを模索しつつ、女性人気で興行的な体裁を整えよう」という作品。

 

だから、作品のクオリティから言うと、あんまり高くないから…そこまで安室透が好きでもない人はみなくてもいいかなぁ~と言う作品ではある。

斬新だけど、退屈。コナンの良さが活きてない作品

まず、この映画は名探偵コナンの中では珍しい裁判モノでかつ、公安警察のお話。

だから、説明が多く、動きが少ない。
ここ数年の「アクション映画化してたコナン」から一転した、珍しい作品。

なおかつ、推理のペースが他のコナンの映画作品に比べて遅い(白々しいほどわかりやすい)ため、推理要素に特化しようと演出しているものの、中身が追いついてない作品。

 

人気映画シリーズだからこそ省略できる部分まで説明し、逆に詰め込める部分もわかりやすさを重視して詰め込まないため、中身スカスカで、早い人なら20分ぐらいで映画の全貌が大体わかってしまう。

だから、途中から退屈だった。
全部完璧に読み切ったわけじゃないけど、シリーズの傾向、セリフの伏線や事件現場の説明なんかを聞いていれば、おおよその流れは想像できた。

 

本来の、コナン映画のテンポで映像化できていれば、
「考えさせないぐらい展開を早くする、出来事を詰め込む」
「定番の流れや途中から犯人がわかってきても、その犯人の魅力や、犯人との壮絶な戦いで、映画を退屈せずに見ることができる」
テンプレ展開が多くてもそれを演出で魅せる力が長く愛されるコナン映画にはある。
だが、今回のコナンはテンポの良さや、演出で想像以上のキレを発揮するような部分がなかった。

 

脚本家のキャリアや作風からか、テレビドラマっぽく、あるいは邦画っぽく作られすぎていて、コナンのアニメ作品が持ついい部分を活かしきれてなかった。
全く活かせてないわけじゃないけど…新しいことに挑戦することで、昔から得意だった部分を失ってしまい、ストーリーや演出を楽しみたいファンにはしんどい作品となった。

 

流れが読めるからこそ、コナンをたくさん見た人には、ちょっと面白い作品

とはいえ、「映画としてのパターンが決まっていて、展開が読みやすいことを利用した面白さ」も、この作品の中には仕込まれている。

 

1つ例を挙げる。
コナン映画で序盤に立派な高層ビルが出てきた時は、
ここは、映画の終盤(最近だと序盤ということもあるけど、ともかく)爆破されます
というメッセージ。
世紀末の魔術師や、迷宮の十字路は、その定番に当てはまらない作品もあるけど…高確率で、序盤に紹介された建物が終盤に爆破されるか、建物に囚われた蘭か少年探偵団辺りが撃たれる。

 

だから、最初に紹介している街(コナンの映画シリーズでは高確率で爆破される場所)が…お台場そっくりで、フジテレビ周辺っぽかった時には
日テレさんがお台場(フジテレビ)を、いじり倒している~
という変な笑いを劇場の中で僕一人だけが気づいて、ケラケラ笑いこけてた。

今回のコナンは、今までのコナンをたくさん見ている人にしか伝わらないギャグや、メタフィクションがすごく多い。
だから、コナン大好きな人は、劇場の中で一人だけ面白く感じるシーンがいくつかある。

だからこそ、映画が退屈に感じるのも早い半面、退屈な映画も序盤のうちはケラケラ笑いながら見られるシーンが人よりも多くなるため、定番を知り尽くした人ならではの楽しみ方もしやすい。

同時期にやってるある映画とテーマが同じなので、両方見よう!

何度も言うけど、今回の映画はハズレ。
「大ハズレ」ではないけど、一部女性ファン以外は、あんまり面白くないから、わざわざ見なくてもいい作品。

 

映画の内容を知りたい人は…福山雅治が歌う映画のテーマソング「零ーZEROー」を聞くのが…早いと思う。かなり集約されてる。

 

検証のために、歌い出しだけ引用させてもらうと

真実はいつも一つでも 正義はそう 涙の数だけ

これが、この作品のテーマ。

 

「正義のために」と一口に言っても、コナンにとっての正義は父が不当逮捕されたことに涙する蘭を救うこと。
逆に、公安にとっての正義は「次のテロを防ぐこと」や「組織としてやるべきことをやる」ことなわけ。

 

今回は公安の正義と、コナンくんの正義がぶつかり合ってる話なわけだけど…この現象をもっとわかりやすく切り取った1枚の画像がある。

これは、ぼくの好きなゲーム「パワプロクンポケットシリーズ」の7の一場面から引用したものなんだけど…コナンの映画のテーマでやってることがここに集約されてる。

「正義」の反対は別の「正義」

ここまでが、この映画で描かれている話。

 

でも、この画像には

あるいは、(正義の反対は、)「慈悲・寛容」

と続いているよね?

 

実は、同時期にやっている映画クレヨンしんちゃん「爆盛!カンフーボーイズ」のテーマも同じく「正義」なんだ。
で、クレヨンしんちゃんでは、「正義の反対は別の正義」と言う部分と、「あるいは、慈悲・寛容」という両方を作中に落とし込んでる。

「暴力によってできた別の正義は、第二第三の恐怖・支配にしかならないから、暴力や脅威を解決した後で許す方向に向かっていかないと、何も解決しない」
というかなりすごいテーマを扱ってる。

 

コナンの映画をさんざっぱら
・今回の映画は女性ファンしか喜ばない
・途中から退屈になる歴代でもつまらない方から数えたほうから早い作品
とこき下ろして言うのもなんだけど…今年のクレヨンしんちゃんはすごく面白いんだよ。
クレしんも全部見てるけど「ここ10年で一番面白い」と太鼓判を押すほど面白かった。(※去年は逆に、コナンの「から紅のラブレター」が非常に面白かった

 

扱っているテーマが同じで、演出の方向性がコナンは邦画やテレビドラマっぽいのに足して、クレしんは深夜アニメっぽく表現されている
クオリティこそ、コナンはそんなに良くなかったものの、同じテーマを違う方法で表現している作品として対比してみると面白さが倍増するので、よかったらコナン見る人はクレヨンしんちゃんも見に行って欲しいし、クレヨンしんちゃん見に行った人はコナンも見に行くといいよ。

 

…すごくオタクな楽しみ方だけどね~♨

 

 

◆関連記事:コナンとか今年のクレしんとか

名探偵コナン映画作品ランキング(ベスト10)
さっきも貼ったけど、もう一回。最近の作品だと「異次元の狙撃手」と「から紅の恋歌」がベスト10入りしてます。昔のコナンの方が面白いけど、最近でもおもろいのは…あります。

「から紅の恋歌」は知れば知るほど切なく、愛おしくなるから2回以上見てほしい
去年見に行った時に書いた感想です。面白すぎて言うことがなかったから、あっさりな感想。

ネタバレ&解説付き:映画クレしん「カンフーボーイズ」感想
あまりにも面白かったから、この記事の2倍の長さを書いた。感想というよりももはやネタバレ付きの解説で、引っかかるセリフやマニアックな人しか読み取れないネタなどを解説する骨太記事になっている。

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