外資系企業はなぜ早く家に帰ることができるのか?

よく、「日本は労働時間が長い割に生産性がよくない」とか「長時間労働が問題になってる」とか言う話が出てくる。

これを聞く度に「じゃあ、外資はどないやねん!?」と思うので、ついに外資系に勤務経験のある人を捕まえて聞いたことがある。

外資系ってなんで定時…いや、定時とまで言わないにしても日本みたいに過重労働しなくても家に帰れるんですか?

 

ぼくのイメージでは、
1、スティーブ・ジョブズの無茶ぶりに答えられる人しかサラリーマンができない超競争社会だから。
2、日本人以上に血眼で働いているから、アメリカのオフィスの定時時刻は、日本以上に殺気立っていて、ウルフ・オブ・ウォールストリートに出てくるように、ちょっとでもだらけた空気を出してるやつはオフィスで社長から罵倒されてクビになる。

みたいな世界だと思ってた。

 

が、Mr.ROBOTというアメリカの大企業を描いた海外ドラマを見てみると…むしろ、ぬるい人もいっぱいいて

「今日はコンサートがあるからまたにしてくれ」

とか、

「ジムに行かないといけないから」

みたいなことをスマホいじりながら平気で言い出す種類の人もどうも大企業にいるみたい。
※むしろ、金融系じゃない限り、そういう企業はそこまで珍しくないみたいで、スティーブ・ジョブズやビル・ゲイツはオフィスでキレまわるが、ゲイツが去った後のマイクロソフトは落合陽一に言わせるとかなりアットホームな雰囲気だそうな…。

 

とはいえ、日本から聞いていると
「どんな魔法を使ってるんだ!?」
って話になるよね?

そこで経験のある人の証言が大事になってくる。

 

アメリカでは、家族で夕食を取らないと離婚問題に発展する。だから、仕事を持ち帰る

証言してくれた人によると、オフィスで仕事をする時間は確かに短いし、悪天候の日や仕事の状況次第では通勤はしないそうだ。

 

ただ、家で家族と夕飯を食べ終わった後に、在宅ワークしたり、電話会議したりするからトータルの労働時間がすごい短いかと言えば…そうでもないらしい。
しかも、電話会議の相手が世界中どこにでもいるから、時差に応じて日本では寝ているような時間に仕事をすることもあるそうだ。

 

ちなみに、日本の会社でも働いたことがある人のようで、

「なんで日本ではそうならないんですか?日本だって熟年離婚や母親の負担が大きすぎることで、働き方が離婚問題になる事はあると思うのですが?」

と聞いたところ、

制度や技術的に、在宅ワークの導入が進んでいないのでは?

という指摘していた。

 

ぼく、出羽守はあまり好きではないのだが、「海外では」「欧米では」が口癖な人、あるいは働き方改革とか言ってる人はこういう話をちゃんとしてほしい。

 

日本の働き方改革は
働き方改革=今まで働いてなかった人たち(女性や高齢者)も働かせて、生産性を向上させて、負担が集中している労働時間を減らしていこう。ついでにいうと、女性は子育てとの両立、男性はイクメン化も同時進行でやろうぜ。

はそれはそれでいいよ?

 

でも、働き盛りな人の労働時間削って、体力的にやれることが限られてる人を補充しても生産性って上がっていかんだろうし、みんなが仕事しないとやっていけない賃金(時給換算のところはますます上がりやすい機会も失う)状況での子育ては難しいだろう…。

そうなると、給与体系変えたり、最新技術を入れたり、制度として在宅ワークやパートタイム、これから働く大学生にスキルが付くバイトを増やしていく…みたいな制度設計変えないと生産性を上げるどころかキープすることもままならないように思うのだが…その辺がざっくりしてる。

 

本来なら、「欧米のほうが生産性が高いなら、それはどうしてか?」「働き方改革に成功した会社は何を変えたか?」みたいな話が大事なのだが…あんまりそういう報道は出てこない。
ざっくりと日本と欧米を比較して、数字の上で女性と高齢者の労働者比率と労働時間だけ合わせようとしてる感じが否めない。

 

それどころか、「プレミアムフライデー」なんて消費促進運動まで起こって、

「離婚しないように家族を大事にしようと仕事を持ち帰ってでも家に帰るアメリカ人、家に帰ってもやることがないから仕事が終わっても帰らないでどっかで飲んでる日本人

という、昭和とそんなに変わらない対立構造になってる。

 

既婚男性が居場所をみつけるべく家にいる時間、家で仕事する時間を長くしていかないとこういう対立構造はしばらく続くだろう。

 

とはいえ、プレミアムフライデーなんかは「個人」があるまだ幸運なケース。
もっとひどい会社だと、どうせ会社で飲みに行ったりして、ホンマに昭和の再来みたいになってるんだぜ?

 

…妄想だったらどんなによかったか…。
ぼくはそういう昭和みたいな会社で、労働時間以外のところで消耗して鬱になったから、その経験をちゃんと語っておきたいよ!!

「会社の人といるのが仕事」という日本の悪しき企業文化

働き方改革をする上で、単純に生産性を上げて、残業を減らすダメではダメな本当の理由…それは、ダメな会社であればあるほど「会社の人といるのが仕事」みたいな状態になっているから。

 

これは「部下が上司と飲みにいく」という話もそうだし、「上司の仕事が部下をダメ出しする、口を出して注意するのが仕事と勘違いしている」というパターンもそう。

 

日本の企業は結果や生産性以外のコミュニケーションコストがやたらと高いのだ!!

 

いや、海外ドラマだってボスの家の事情がちょくちょく出てくるし、「サッチーかよ!」ってぐらいでしゃばりな上司の奥さんが出てくることはあるよ?
ただ…「酒の席で職場に新しいルールができる」だとか、「うるさい人を持久戦で粘り勝ちして、会議で自分の提案を通す」みたいな話は…日本文化ではないかな?

 

「アメリカでは上司と部下が酒を飲まない」って話ではなく、「日本では酒の席や、議論とも呼べないような我慢大会みたいな席で、重要案件を決めすぎ」って話。

人間が近くにいすぎることで、「国会みたいになる」とでも言えばいいのかな?
酒の席でルールが決まるっていうのは、反対派が参加していない委員会で賛成多数の可決を取るようなもんだし。
議論とはおおよそ呼べないような我慢大会で決めると言うのは、会期延長や審議拒否、大まかな流れが決まってもなお牛歩戦術をするような感じ?

 

…そう言えば、BuzzFeedに、「国会みたいな決め方で昼食を決めるとものすごく疲れる」という記事もあったね。


そもそも、当事者だけが喋ってればすんなり進むようなことであったり、オンオフがくっきりしてたら起こらないような雑で唐突な決定が日本のダメな会社だと、平気で起こる。
で、後から「誰が決めたか」聞いてみたら、「声がでかいやつが飲み会で言ったことがそのまんま決まった」みたいなことが本当に起こる(しかもその飲みの席にぼくはいなかったから、ただただ迷惑でしかないし、正式には聞いてもないし決まってもないことを指摘されて大恥をかかされてる)から、とても安心して帰宅なんてできない。

 

仕事自体がシンプルでも、意思決定が雑な会社にいると平気でそういうことが起こる。
トップダウンが明確ならいいけど、飲みの席で声がでかい…つまり、気が強いだけの人だし、勤務時間中だからとても議論にならないこと・変えるのに労力がかかるようなことが、勤務時間外・オンオフが曖昧なところで決まるからすげー大変。

 

ここまで酷い企業はぼくのいたブラック企業ぐらいだとは思うのだが…生産性を上げるっていうのは、オンオフが曖昧な会議や飲み会を排除したり、そういうことしなくても決まる、他人に口を出されなくてもできる仕事を家でできるようにするってことじゃないですか?

 

普段家にいない男が、家事や子どもとの時間をうまく活用できないのは、慣れるまでに時間がかかるからしょうがないよ!
でも、その場にいることが仕事、いないと仕事が回らない…という意思決定や権限、技術的な問題については、ちゃんと安心して働けるルールと、そもそもその場にいなくても仕事が成り立つ形で対応していただきたいものだ。

 

その場にいなくてもいいなら、通勤ラッシュも帰宅難民もないんだから。

パソコン1つで仕事できる人、持ち帰れる人、大雪に降られてでもやるべき緊急の仕事がない人まで通勤する文化こそ、働き方改革でどうにかしてほしいよ。鉄道も運行できないほどの悪天候の時、災害の後のような不安な時こそ、家に帰れないのは離婚問題だろうが…。

 

 職場で「せーの」で在宅ワークができないなら、家でできる副業をやるのも手だよね…。ブログとか仮想通貨とか。
実際、ぼくはブログを人に教えて、その教えた人は「ブログで儲かったおかげで会社員から何かを要求されても、楽な気持ちで受け止められるようになった」と言ってくれてるから、家の中でできる仕事を作るのは本当に大事だと思います。

 

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