もっと、「才能のマッチング」よりも「努力のマッチング」を描いたマンガが読みたい

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これは僕の持論だが、

「人は、誰でも才能の一個や二個ぐらい持ってる」のだよ…。

本当に才能を頼りに生きていくか?才能を頼って生きる方が幸せか?

それは、持ってる才能に酔って違うことだが、なんかしらの才能は持ってる

言うまでもないことだが、「平凡もまた才能」だ。平凡でいることが苦痛かつ不可能な人間だっているからね。

もう一つ持論を述べたい。

「努力してない人間」も実はそんなにいない。

人は「がんばれ」と言われずとも、案外自分なりに、それなりには頑張ってる。

努力が信じられない・自分の努力を結果抜きでは認められない人が多いだけ。

だから、もしがんばれと言ってほしい人がいたとしても、それは「俺が信じるお前を信じろ!」という熱血アニキのようなニュアンスか、「ケセラセラ」「お前さんにはできる」の意味がこもった楽観的なガンバレである。

「市場クロガネは稼ぎたい」というマンガを読んだ。

市場クロガネは稼ぎたい 1 (少年サンデーコミックス)

市場クロガネは稼ぎたい 1 (少年サンデーコミックス)

…このマンガは僕が思ってるモヤモヤ。

それも、マンガが考えている「他人の才能をマッチングすること」の物足りなさを補完している作品だった。

才能は、誰しもが持ってる。だが、それを使うかどうかはもっと別の話。

みんながみんな絵が描ける人からと言ってアートを仕事にしないように、

あるいは自分では薄々気づいているだけでは、才能が磨かれないように…

 才能は持ってるだけでは選択肢にすぎない!!

少年誌の教師モノには選択肢を提示する話はいくつも見かけるが、それはスタート地点に立っただけにすぎない!

つまり、本当に深刻かつ救済すべきは「才能がマッチングされていないこと」ではなく、「才能があると信じて努力している人が、報われていないこと」なのだ

その点でこのマンガは優れていた。

このマンガ「市場クロガネは稼ぎたい」は、資本主義の原理で動いている学校の世界。

資本主義なので、当然努力が報われない人も出てくる。

主人公の「市場クロガネ」くんは、報われてない人をマッチングする名人で「人の能力を見抜く神の左目」を持ってる。

才能と能力は何が違うか?それは自覚があるかどうかであろう。時間を費やしたり、費やしただけのことはあって「これはできる」という目に見える成果や、「努力を重ねたから板についた型」を持ってること。…これが能力でかつ努力だ。

才能はもっと無自覚でも成立する。人に言われるまで気づかれないか、他人と比べて相対的に「どうやらこれは得意」「人と同じようにはできない」と言った相対的な個性の中でも特にプラスのものを指す言葉である!

相対的で無自覚なものを他人が言って自覚させる話がマンガの世界…特に教師モノの作品には多い。ライトノベルもどっちかというとこっちの話が多い。

だけど、自分が生きていく上でつまづくのは「他人よりも優れているものがないこと」よりも、「いかにチヤホヤされている得意分野や、技能をお金に変えるか」だと、現在26歳で資本主義に勝ててない僕は思う。

そこが「市場クロガネ」の面白さ。

「ビジネスとして軌道に乗るためにはその人に何をしてあげれば、その人の能力が発揮でき、結果と能力(やそれに伴う努力)をマッチングできるのか」

例えばそれは宣伝かもしれないし、不得意なことを自分よりも得意な人がやってくれるチームかもしれないし、「その人が働く場所」だけかもしれない。

でも、より職人気質であればあるほど、尖った技能を持つ努力に時間を割くほど、ビジネスとしては盲目になりやすい傾向がある。

それを補完する存在の大事さや悩みとしてテーマに上げることができていることがこの作品のすごさではなかろうか?

多分、ビジネスと教育の違いはそこなんです。

そして、教育の目線で作品を書く人はけっこう見かけるけど、ビジネスの目線で作品を書く人は表舞台に出てこない。

早い人でも20を過ぎてから悩むテーマであり、「やればできる」を宗教のごとく子どもに信じたい親や先生には邪魔なテーマだから、教育ではあんまり扱われない。

ヘタするとお金や結果に執着することを穢れだと教える人さえいる。

これはもはや現実逃避と言ってもいい、危険な宗教だが、「子どもにサンタクロースがいると信じさせたい」のと同じぐらいの感覚でそんな野蛮なことを無自覚にしている親がいる。(学歴社会、資本主義に生きてるという現実は何一つ変わらないのにね☆)

教育が伸びるものがあったり、子どもらしさ・人間らしさを尊いものと考えるのとは反対に、ビジネスは下手をすると能力や努力さえ利益が伴わないと認められないシビアな世界。

だから、辛辣に描かれてしまうか、そもそも辛いテーマだから避けられてしまう。

だが、悩んでるこっちとしては「早かれ遅かれ通らないとその先に行けないのだから、ドンドン解決方法や考え方を提示して欲しい」と切実に思う。

その意味で、「クロガネ市場は稼ぎたい」は面白い!しかも、辛辣さよりも主人公が人の努力や持ってる技能に気づいて感動するばかりで人を悪く言わない(辛辣に資本主義を振りかざさない)で資本主義と向き合ってるのがとても良い!!

アートやクリエイティブ系など在学中から仕事に携わってなんぼの連中なら18過ぎたところ、一般的な人は24以降に読むとかなり楽しめる作品だ。

それ以前の発想がまだ学校的で、「才能を見つければ」「努力をすれば」報われると思ってるお子ちゃまには暗殺教室や電波教師など教育系の才能発掘モノと区別がつかないまま読んでしまうからあまりオススメできない。

…この場合は22・23もお子ちゃまですとも。まだ、学生の頃に教えられたモノに囚われてて、資本主義に頭が切り替えられてないからね。(少なくとも、僕の22・23はそうで、努力や能力だけでどうにかしようとしてしまったから心が病む結果になった)

「努力は認められるけど、報われない」と知った時にこそ、「市場クロガネは稼ぎたい」を読もう。そうすると市場クロガネがかっこ良く見えるし、マンガにも強く共感できるはずだ。

ただ…この手のマンガ特有の頭の悪さだけが僕は引っかかるんだよなぁ…。ハイスペックな生徒会長が恐ろしく、頭の悪い信念を持ってるのだけが引っかかるんだよなぁ…。

面白いから僕は2巻以降も買っていく予定だけど。

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若い人が悩んでるテーマは「努力のマッチング」と言い張る理由をデータ的に示したらこういう記事になります。

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