風のサナギ つくしあきひと

同人誌紹介も記念すべき第10弾まできました。第10弾にふさわしい作品ということで、表紙絵にものすごい細工が施されているつくしあきひとさんの作品を押したいと思います。(※本当は第10弾なんか意識してなかったのだが、間のいいことにすごい作品をやる事ができて光栄です。)

ちなみに、今回はストーリー性のない「イラスト集」です。イラスト集と言っても、学生時代も含め10年来書き溜めてきたそれらを開放していったモノで、歌手で言うところのベストアルバムに近い内容です。(新参のファンである私には助かる内容ですけどね。)

お品書き

  1. とにかく、表紙がやばい!!!
  2. ロボットから動物まで圧倒的発想力!!
  3. でも、子供を描くのが一番さまになってる

  • pixivユーザーもビックリの驚きのイラスト

さっきから、3回ぐらい「表紙がやばい」と言ってきたので、いい加減に見せることにします。イラスト集「風のサナギ」の表紙であると同時に、pixivのオリジナル1000user入り作品です。

絵が大きい?本当は3042×2562のイラストですから640でもまだ妥協したほうですよ(笑)
暇な人はクリックして全体像を見てみたらいい。絵の中に7つの宝があって、宝探しができるそうです(※本当は全部見つけたいのですが、とりあえず宝箱だけ見つけました(笑))

…全く、所要時間を聞きたくなるね。【ハウルの動く城】みたいな者をリュックにして、しかもこれだけ色分けして、しかも、大量の動物。(鳥もねずみも含めて何匹いるんだよコレ…)
僕はブログが中心だからこんな長距離走みたいな作業はやったことないだけに絵の中の細やかな部分に気づくたび「さぞ、大変だっただろうに」と頭が下がる思いです。

  • 何がすごいって?何でも描いちゃうこと!!

ある有名アニメーターが「アニメーターって女の子だけ書いてればいいってわけじゃない。オッサンもメカも描けないと仕事にならない」みたいな事を言ってた所を見たことがある。

実際、愛情とか興味の差もあり、若い男女だけはべらぼうに上手に描く人が居る。あるいは反対にメカだけは桁違いにすごいものを書いてくる人、背景なら…という人も居る。

誰もが知ってる総監督様もメカを描かせると狂気の沙汰なのに、人物を書いた原画で有名なものは見たことがない。(※その人、ナウシカの巨神兵を描いた人で有名な人なのですが、クシャナは本人が描いたものじゃないという。)

得手不得手自体は否定しないのだが、そうなると「オールラウンドプレーヤー」みたいな人の存在がかえってすごく見える。この人の場合、全部描けてしまう。4冊持ってるけど、ロボ、動物、人物(老若男女全て)、描き込まれた背景を確認できた。

おまけに、それを独自の「空想」と一緒に描くからとにかく斬新。

この冊子の中で面白かったのは10年以上前に書いた自分の絵で描いた翼が付いた裸体のマッチョが作者自身でも「なんだかわからない」と言ったところ。(もし、欠点があるとすれば、独創的すぎて説明を求めたくなるモノがあるぐらいだが…それは説明が付いた瞬間に解決しちゃうのよね。)

絵が描けない私が技術論紛いの事を語るのは僭越ですが、ある法則性を見抜いた分野があるので、その話を。

カラーのイラストを見るときに何かしらの共通点とその人ならではの特徴があるなぁ…と思っていたが、横に置いてパラパラめくってみると、「光」の存在に気づく。明暗両方を絵の中に高確率で盛り込んでくる。

僕はイラストを見る時に「see(目に入る)、look(ジッとみる)、watch(動いているモノを見る)」の3つの印象にわたって語っている。

see、つまり第一印象では光ってる方に目が行く。明るい色を使っている部分、光が当たってる部分をワザと分けることでそこに目が行くようにできてる。(メインの人物や絵の中央部に光が集まる構図にしてある事が多い。)

lookで見入るものは「書き込み」と「奥行」。絵の端を見ると光の指してる方を設ける一方で、暗いところがほとんどを閉める。場合によっては日のさし方がどっちからなのかをわかるように影も丁寧に描いてある。これが絵を隅々まで見るときに想像力が働く。

watchの行程はイラストの場合は「次(またはイラストにされていない先)はどうなるか?」という連想が入ってくる。写真であれ、絵であれ、時間の中にあるものは次の動きが存在する。(存在しないようなデザインだけのものもあるけど、イラストとして出す以上、絵になってない空間・描かれない時間を想像して思いをはせるのはひとつの楽しみ方ではないだろうか。)

「風のサナギ」の表紙の場合、前の光ってる部分よりも、暗い奥行の方が広い。するとこの人物が「これだけ歩いてきたのかな?」とか「夜明けを迎えてもっと歩くのかな?」「ネズミの目線の先に何があるのかな?」と言った想像力が掻き立てられる。

ある評論家曰く「評論とは基準を与えること」だそうだ。もし、イラストを見てるときに無意識に「すごい」と思ったらこの「see、look、watch」を意識してみてはいかがでしょうか?(※専門知識でもなんでもないです。僕の我流です。こういうものが美術の世界にあるのかどうかも私は知りません。)

  • なんだかんだ言っても「子供」描くときが一番輝いてる

教育委員会、PTAの方がロリコン・ペドフィリア ・ショタコンを酷いモノのように扱うから、子供がかわいいという男の市民権が奪われている。…当ブログは政治的な解説してるから言うが、子供を「愛でたい」というのは本能に近い。(※子孫を残すための「生命」というシステムが仮に、子供嫌いに組み込まれていたら、それは「種の繁栄」ができなくなる。科学技術でクローンの子供を作れたとしても、それを愛してやる親や社会がいなければ、子供なんてありえない。)

むしろ、カネを追い「子供など経済からすれば不健全」とか「元を取るためにいい学校に行かせる」などと吐き、のたまう大人は一回、つくし作品を見たらいい。…同人誌に興味がある教育委員会・PTA職員なんかいないとは思うけどさ。

先ほど「オールラウンドプレーヤー」と申し上げたけど、やっぱり「得意なもの」はあるんです。それが、子供(男の子も書くけど)とりわけ女の子描くときが一番輝いてるんです。
なんか、キラキラしてるんです。衣装一つとっても薄着のモノは少なく、ちゃんと書き込まれ着る順番まで綿密に設定された「装束」を身にまとっている。

私が初めてつくし作品を取り上げた時に「子供騙しじゃない子供向け」と言ったが、それはこの人の描くメルヘンな部分と、キラキラと輝いてる子供がいるから私がそう言った。

登場人物と年齢が近かったり、自分が愛でる対象ぐらいの年齢だと、作品への感情移入がしやすい。…僕からすれば、子供好きの方がずっと安全で、むしろ女子高生が主人公の作品で抜いてる萌え豚の方が危ないような気がする。(だって、性的対象になるじゃん!!)

だけど、世間じゃ「無邪気で、元気いっぱいの子供がかわいい」というと犯罪者予備軍に数えられるから本当に困る。その「小さい体で一生懸命な無邪気でかわいい子供」を愛情いっぱいに描いてくれるからこの人の作品は例えイラストの1枚でも楽しく見られる。

その魅力を伝えたくて、私はこの作品を選んだ。

・作者紹介
僕の同人誌紹介によく来る方にはもう3作目のつくしあきひとさんです。pixivからイラストは拝借しております。

つくしのイラスト・マンガ
描くのも見るのも超好きデス。
同人誌
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これが「目」で語る戦いだ
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