成功へのコンセプト 三木谷浩史

色々と楽天については話したいことができたから…この本の書評やろうか。

成功のコンセプト

書評なんだけどさ…どちらかというと、僕が楽天に思ってることを語るところが結構多くなるんじゃないかな?僕は三木谷浩史という経営者自体は今の日本の経営者の最高峰だと思ってるし、楽天というサービスにも根本的には共感してる。ただ、100点だとも思ってなくて不満もある。その話をしていこうとも思ってる。

お品書き

  1. コンセプト「常に改善、常に前進」
  2. コンセプト「Professionalismの徹底」
  3. コンセプト「仮説→実行→検証→仕組み化」
  4. コンセプト「顧客満足の最大化」
  5. コンセプト「スピード、スピード、スピード」

※簡単にしか触れない部分もあるので、ご了承ください。

  • ローマは一日にしてならず

言い換えればそういうこと。今や売上何千億の大企業「楽天」だってその15年の姿はお粗末なモノでね。

社員が2名?ちょっと増えても6人。そんで全国の商店街に得体もしれないサービスを売るために営業先に行く前に腕立てして汗かいて行って、必死そうに売り込む小細工をしてそれでもほとんど顧客がつかなかったそうな…。

今とは正反対です。今楽天を使ってるねらーたちの意見を聞けば、「お店がいっぱい出店してるのに、いつも検索の冒頭に同じお店が出てきて楽天は使えない」というのだ。
楽天はランダムに商品を表示する機能や詳細表示の機能をつければ、もっと良くなるのかもなぁ…。

いま、少しぼやいたことも一例だが、流通規模で言えば1兆を超える大企業になってもまだまだ改善点はある。

昨今のマスメディアの報道を聴いてると、楽天みたいに一つのサービスにビジョンをもって改善を重ねていくことよりもスティーブ・ジョブズ的に、あるいはザッカーバーグ的に突然新しいものを出す天才が賛美されてる。…が僕はそういう天才を努力で踏みにじる人を応援したいし、そういう方法を知りたいし、何よりも僕が天才じゃない。努力して踏みにじる側だ!

楽天が15年間改善を重ねて、数々の天才や資本的不利をひっくり返してきたように、私のブログも1.5年の改善と猛勉強の末に最新の記事ではいつも知識や文章でパワーアップしてる。参考資料が生き字引の如く頭に浮かび、ヒット記事を書くときは体が勝手に因果律通り動くようにまでなった。(書く前に見えるようになると最高なんだけど、その域ではない。)

「因果律」という表現は有名な日本人向けの経営指南書「戦略プロフェッショナル」という本から出たものだ。一見するとオカルトっぽい話だが、要するに「経験則で見えるものがある」という話です。それを「経験則」というと時間をかけたらいいのか?議論になるので、濃密かつ適切な経験と努力、そして成功体験が揃って奏でる風景を「因果律」と敢えて言うのですよ。

オカルトっぽい言い方は嫌い?ならば三木谷浩史さんの言い方で言いましょう。
「1.01の 365乗 = 37.7834343」…これが三木谷版「因果律」の表現方法。日本語に通訳しますと、「1%の進歩を毎日遂げ続ければ、人間は一年で37倍の能力になれますよ。」という話。…あ、ツッコミどころは僕も感じてるのであえて触れない方針でお願いします。

実際の人間はここまでは進歩していかないし、いつも正しく進める生き物でもない。毎日毎日無意味とも思える努力(特にスランプの時期はそう)を重ねて、突然それが報われる。その瞬間だけを見て天才だと成功した人、その一瞬に大躍進した人のことを言う人がいるが違うんだ。
それを出すために鍛えていたからこそ、出来たんだ。そういう意味じゃ天才はいない。濃厚な経験と成功体験を経て、経験則から見える因果律が見える?もしくは37倍強い自分がいるだけ。

三木谷氏曰く「それを2000人の社員全員でやれたら…」だそうです。37倍強くなれる体験を社員も社長も総力として2000人全員がなったらどれだけのエネルギーになれるか…だそうです。
なりたい奴だけがなればいいと考えちゃう私とはそこらへんがちょっと違うなぁ…と思いつつ聞きましたけどね。

  • 「買って!」で買うお客様はいない

これは元博報堂のマーケッターの本の帯びから取った言葉だけどもさ…生活のために仕事してる人って世の中にたくさんいるけど、それがそもそもの間違えなんだ。
もちろん、生活のために結果を出して給料もらってあれに使って…という循環の上に僕らの人生があるのは認めるし、真実だと思う。

ただ、三木谷浩史さん曰く「仕事は遊ぶもの」だそうだ。これと似てるので、カンブリア宮殿という有名なビジネス番組に「おもしろおかしく」という社是を掲げる企業が出てきたことがあるわな。(堀場製作所)

せっかく堀場の名前を出したのでこの話もしよう。実は、日本とアメリカで同じシンクロがありましてな…ヒューレット・パッカードというアメリカの巨大企業と堀場製作所がそれなんだ。社長がけしからんという発明品を部下がシコシコと影で作り続けて、それが大ヒットしたという話。事の顛末まで似ていて、HPでは表彰して、堀場はそれ以後「社員が面白く仕事できることはどんどん認めていこう」という方針転換をしたそうな…。

経営者としてのやりくりは見えても、結局商品を生むのも売るのも大きな組織ほど経営者ではない。そうなると経営者だけが楽しく仕事をしてて、それに付き合わされてる会社は経営者の想像を超えた会社にはなれない。
そうなると、社員が楽しく仕事ができる…それも楽しさの末に成功体験があるような状態がないといかんのですわ。

日本語に於ける「プロ」には2つの意味があるが言葉に無意識な人はそこに着目してない。それが「束縛」と「情熱」。例文出すよ。

例1、あなた達が仕事場に立つ以上、お客様をもてなすプロです。アルバイトもパートも新人もお客様には関係ありません。○○という会社・店舗の看板を背負って立っているのです。(※「束縛」の方のプロの意)
例2、あの人は四六時中仕事の事ばかり考えている。例え、体が遊んでいてもあれは使えるのでは?これはどうだろう?と考えてる。ああいう人の事をプロというのだろうなぁ…。(※「情熱」の方のプロ)

ちなみに、これはどっちも見たことがあって、上の方はバイト暦10年にもなりそうな私が勤務したスーパーのボスが言っていたこと。下は三木谷さんの発言の第三者目線での言い換え。

場面場面ではどちらも正しいし、必要なんだけど、後者のプロは店員でなくても、それを志す人間なら誰でもできること。プロ野球選手じゃなくたって、野球を上手くなりたい小学生だって四六時中その事を考えられる。

僕は昔から、世襲の人が怖くてね…親も商売やってて幼いときから手伝ってるような人。そういう人は感覚として染み付いていて経営学もノウハウも要らない。四六時中その事を考えて生きてる事が習慣になってる。生活の一部になって家族の会話に無意識に仕事が編成されていく。経営者として優秀かどうかって議論は別として、今現代の「働くことが苦痛、食い扶持のためにする特別なこと」と意識する人よりももう意識の段階で進んでる。
働かないと生きていけない…もっと言えばサラリーマン階級が如何に恵まれていて歪な存在かを知ってる。サラリーマン家庭で育った私にはなかった感覚で、ここ2年ぐらいでやっと付けた感じです。

プロフェッショナル…という仰々しい言葉を並べる辺りが三木谷さんのとっつきにくい熱血オーラみたいな部分で、本当は「おもしろおかしく」でもいいし、「仕事を生活の一部に組み込め」でもいいんです。大事なのは四六時中それを考える、面白くするって事をつまらなそうな顔、惰性の思考ではなく、楽しい人…厳密には「自分のすることを楽しみたい人間」がやるんですよ。そこが重要なんです。

  • 具体的な方法論としては「仮説と実行と検証」

そこに組織だから「仕組み化」(共有)というのが付くだけで、2・3は同じことです。常に改善で考えてる人、プロ意識を持って良くしたいと思ってる人、は方法論としては仮説をいっぱい立てて、実行してみるんです。

それだけです。次いきます

  • 楽天自身が一番出来てないこと

この記事は実はこれを見るまではもうちょっと先でもいいと思ってた。だけど、これを見てやろうと決めた。

痛いニュース(ノ∀`) : 楽天トラベルがバス事故の被害者に「ご乗車はいかがでございましたか?」とメール – ライブドアブログ 痛いニュース(ノ∀`) : 楽天トラベルがバス事故の被害者に「ご乗車はいかがでございましたか?」とメール - ライブドアブログ

楽天の拡大主義…あるいは顧客(ユーザー)軽視は目に余るところがあると昔から思ってましてその話を少しさせてください。

楽天は自動化が進みすぎて、DMをいくら拒否する設定にしても関係ないショップから来たり、今回のトラベルのように緊急時に臨機応変にメールを止めることができなかったり…するわけですわ。

楽天の言う「顧客第一主義」が出品者になってるんだわな。顧客第一主義なんて事を掲げる企業の胡散臭さに漏れないところなんだわ。楽天というビジネスモデルは自分達は何も持ってない代わりに板挟みになってどちらの悩みに対しても改善を入れないといけないのに、短期的な売上に直結する出品者のケアばかりに目が行き過ぎてる。

「夜行バスを売ったのは楽天のせい」というような印象操作を図るスポニチの低俗さにはいかがなものか…という部分はございますが、2割だけ同意できるなぁ…。(残りの8割は子供を夜行バスに乗せたこの主婦が馬鹿だと思ってます)

楽天という会社の「顧客」という主語の存在や比重を変える時期に来てる。楽天という会社の中長期での危うさは改善なり前進なりを盲目に同じ方向に進んでいることにあるのですよ。

確かに国内大手との争いなら、ショップ数や売り方がモノを言ったでしょう。アクセス数が強さの象徴だったでしょう。…僕だってそう思ってた時期があるから、バカだとは言いませんよ?だけど、それって「点」なんですよ。線にならない。

Amazonみたいなモノが揃ってる相手と勝負するときはどうするんです?答えは楽天自身が持ってるでしょうに。

僕が楽天アフィリエイトを貼る理由は買い物をする時のあのうんちくが好きなんですよね。今貼ってあるものだったら、讃岐うどんとうにですか…。僕なんかはうどんが大好きで、丸亀製麺何かに行って大釜でうどんを茹でてるさまを見るとヨダレが出てきそうなんですよ。

そういう写真を見ながら、「うまそう」と言いつつ商品見て回るのがそもそも楽しいんですよね。

うになんかも思い出がありまして…一つは美味しんぼで出てきたところの奴だったから、もう一個は友達ができる前の孤独な修学旅行で唯一楽しかった思い出が海鮮丼なんですよ。
東京はそれを出す店が多いけど、やっぱりうにのあの質感は北海道で食わないとダメさ。

アフィリエイトに密林ではなく、楽天にしてからの副産物としては2つ。一つは自分が地方出身だから地方の産業を応援したいという理念がブログで達成できるという事。(※大きなパワーは黙ってても太るんです。僕はみんなが商用だ、スーパーの綺麗なお野菜(笑)だと言うからにはその逆を行きたいんですよ。小さくてもちゃんとやってる人の同人だったり、わけありでも美味しい産地直送。)

もう一個は食品を貼るようになってから、旬のものを検索するようになって季節を意識するようになった。ブログのアフィリエイトってだいたいゲームか機械類なんですけど、敢えて違うことをやってみようと思ったのですよね。

今って、オタク知識を持ってるけど、コテコテのオタクな生活したい人よりも、むしろネットを生活の一部としつつもリアルも充実したい人の方が僕は多いと思ってるんですよ。
そういう人のためにも、食品貼る方がいいと思ったんです。エロゲ・ギャルゲの発売だけが関心事のアフィリエイトよりもずっと人間味があるし、いい意味で大人っぽいと。視野が広いというのかな、贅沢というのかな?そういう感じ。

だからさ、楽天を貼ってるアフィリエイターの一人として言わせてもらうと、もっと使いやすくなってもらわにゃ困るんですよ。ユーザーにとって!そうしないと僕が「なんであんなひどいサービス貼るんだ」と言われたときにいつも頭に「たしかにひどいサービスですけど…」を付けないといけなくなる。それがけしからんと言ってるのですよ。

楽天自体は企業が大きくなることで地方も個人事業主も潤うし、消費の選択肢も多様で生活に季節感が出てくる、ネット掲示板やはてな村以外の新しいネットの姿が見えてくる…などと僕自身は理念やビジネスモデルに共感・期待しててもそれがバカの盲信にしか映らなくなっちゃう。バカみたいじゃないですか、それ。

楽天はその意味で「改善すべき部分」を「成功」のおごりの中で見過ごしてしまうのはやめてもらいたいね。自動送信を単なる事故とするか、クレームの種となるから選別するのか、そこに楽天の言うお客様の姿を見ると思うのですが…それは私だけの言葉・考えではないと思いますよ?

僕は新しいことではなく、当たり前のことをはっきりと言いたいだけなのですから。

  • スピードがあっても間違えた方に走っていったら意味がない。

最後のコンセプトは「何事もスピード」って話だけどさ、楽天の「社内英語化」の合理性ってここにあるんだよね。英語の情報環境と、日本語の情報環境は半年のタイムラグがあるため、世界を目指すなら英語ができないといけない。最先端やスピードを売りにするなら日本語では遅すぎる。

僕は日本人特有の斜め上の発想力・創造性を鍛えていくほうがずっと価値があると思ってるからこのコンセプトには同意しかねる。が、合理的ではありますわな。楽天という企業が何を目指してて、何がそのために必要かということちゃんと考えた上での行動だとは思う。

成功のコンセプト

成功のコンセプト
著者:三木谷浩史
価格:480円(税込、送料込)

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これが「目」で語る戦いだ
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