珈琲読本volume1復刻版 水無月刀弥

私、TM2501こと「青二才」を幸せにしてくれる同人誌シリーズががあります。それが、「珈琲読本」です。ホームページによれば、かれこれ4年も活動してるそうなので、その筋では「有名どころ」だと思います。

確か秋葉原の同人ショップで見て、そこからシリーズを読み進めているのですが…これが非常に楽しい。コミケで中の人に偶然(巡回先に入れてないのに、偶然)見かけたので、「やってもいい?」と聞いたら「良いよ」と許可をもらえたので、これをやります。

個人的に「これはいい」と思ったところはだいたい「やっていい?」って聞いてるけど、断られたことがないですね。敢えて言えば「中身の転用などはやめて」と釘を刺す人がいますが、当然でしょうね。僕だって、ブロガーのはしくれとしてそんな誰にでもできるような作品紹介をやりたくないです。
ちなみに、僕の書評は一般のそれよりも自分の感覚を語るスタイルを取るので、書評というよりも「同人誌を食して歩くグルメ番組」だと思ってもらえると読みやすいと思います。

隣の家の会話を薄い壁の向こうから聞いて「こういうもんなんじゃないかな?」と想像力をかきたてて、持ってない人にもこの同人誌を楽しんでいただきたいですね。

  • 「お家で珈琲」の入門書

その名の通り「珈琲」の様々なことが知れる本です。淹れ方はもちろん、機械(道具)・豆・水…そして、コストに関するまできめ細かく説明している本です。

全くの素人からすれば、よくわからん機械の違い…そして、それぞれを写真付きで珈琲を入れる行程を細かく説明してくれるこの本は非常に心強い。

  • 贅沢な気分になれる瞬間はやっぱり「おやつ」の時間

こっからは私の感覚に基づいて「何が面白いのこの同人誌?」と首をかしげた相手に小一時間説教するような気分で語っていきたい。

まず、題材が素晴らしい。過労死が月一で報道されるこの国で「朝orおやつにコーヒーを楽しむ事ができる」という事自体がそもそも贅沢で優雅な時間である。私の例で言えば、前職は4時間睡眠で7時には家を出ていたため、コーヒーの機材なんぞあっても絶対に飲んでなかったし、良いところ出勤時に缶コーヒーを変えるかどうかだった。現職とて5時起き6時出勤の仕事をして、夕飯前に帰ってくるから「コーヒータイム」なんてない。

世の中にはオフィスでスーツを着て働いている人が多数派のように言われているが、そんなのは幻想だ!!ほとんどの人は立ち仕事・肉体労働・人目にさらされる仕事をしていて、コーヒーで一服なんて贅沢が言える仕事に就いてない。

コーヒーを飲むべきタイミングで飲めることそのものがこれだけぜいたくなのだ!!ましてや、こだわりの淹れ方を学ぶなど(いい意味で)優雅な道楽以外の何物でもない

この夏に家族で軽井沢の方の避暑地へ旅行する機会を得た。そこで見たものは普段食べているものを手作りや天然素材にしただけこうまでも「優雅で贅沢に感じられる姿になる」という事。お盆とはいえ、毎日炎天下で商売している僕が山奥で紅茶の匂いを嗅ぎ分けている。…本当にしょーもないことなんだけど、チョコレートの匂いがするお茶の存在を知ること…それが僕にとってはすごく幸せだった。

つまりは。本当に高貴な趣味とは日常を豊かにする事なんだよ!日常を蝕んで、生活を崩して行う趣味ではなく、生活スタイルの一部にちょっとしたこだわりを加えることなのだと。

軽井沢の話もそうだが、珈琲読本を今一度読み直して心が洗われる気分になった。

この本に出会った大学時代は感銘こそ覚えたが、この本の本当の凄さを分かっていなかった。というよりも「ブレイクタイムの贅沢さ、高貴さ」を心得ていなかった。…この本はその前提を踏まえて読むことでより一層価値が増す!!

「贅沢な余暇の価値を上げる本」…それが珈琲読本シリーズの本質なんです。言い方悪いけど、コーヒーの事だけを知る目的で読んでいるならそれは「雑学」で終わるだろうし、この人が書かなくたってネットに知識が落ちてるかもしれない。

「知識」を売るんじゃないんだ!「時間」を売ってるんだ!!

コーヒーに淹れ方があるように、同人誌にも読み方ってのがある!!知識や雑学目的で読んでいたら、身につかない・分かり得ない魅力がそこにある。僕はそれが言いたくて、同人誌の紹介をかいてる!!

次にですが…この本を読むと喫茶店とか、テレビでコーヒーの機材を見るのが楽しくなるんですよね。「仕事をすると職業病で相場が気になるようになる」(お酒屋さんになると居酒屋が1本でどれぐらいの収益を出すかが気になるし、果物屋さんになるとスーパーや商店街の果物の価格が気になる)という感覚で、日常にコーヒーに関わる機材や淹れ方談義を見つけると無性に見ていたくなる。

ありません?小さな仲間意識?

これは実用系の同人誌を読むとよく陥る感覚なのですが、楽しいですよ。例を挙げると、昔「東京スカイツリーの擬人化本」というのを手にとってから、スカイツリーを見ると彼が擬人化したイカ娘の香りがするデザインの美少女を思い出すようになってしまいました。

それも時間を優雅に使える人の仲間になったような…そういう楽しみがこの本にはありますな (´ー`*)

…裏表紙の言葉が素晴らしいからこれを書いて終わりにしましょうか。私にはいい締めが思いつかないからリスペクトも兼ねてフレーズをお借りしましょう。

・楽しいうちカフェ生活を
コーヒー器具や抽出方法は多々ありますが、
自分の感性や好みの淹れ方で
コーヒーを淹れて、楽しんでみましょう。

失敗から学ぶこと、もてなす心を大事にすること
この二つを忘れないことが大切です。

                                   (珈琲読本volume1より)

「コーヒーのことがちょっとだけわかる優雅な仲間」がこの本を通じて少しでも増えてくれることを願います。

作者情報・リンク
・柚子屋茶寮(珈琲読本シリーズ作者「水無月刀弥」氏のホームページです。)

https://www2.tba.t-com.ne.jp/minazuki/banner.jpg

・作者ツイッター
https://twitter.com/yuzu_touya

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これが「目」で語る戦いだ
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