アラサーの野球ファンなら捕手論はぜひ抑えておきたい

最近、ツイッター上の知り合いと直にお会いして、本をいただきました。

その中の一冊が織田淳太郎さんの捕手論でした。

 出版されたのが2002年ということで、城島健司が捕手として一本立ちしたばかりだし、阿部慎之助がまだまだダメだと言われてた時期…。

古田敦也・谷繁元信の活躍でキャッチャーの地位が上がり、駆け引きや技術に注目され始めた時期…そういう時期に捕手にスポットが当たって出版された本です。

序盤は名勝負の裏側にあった駆け引きを紹介し、中盤以降は徐々に捕手を取り巻く環境や捕手の仕事について描かれています。

これを読むと、野球のナマモノ感と言いましょうか…人間がやってるからこそ完全には正しくならないし、ゲームのようにも行かない…そういう難しさと面白さがあることがわかっていただける一冊なんじゃないかと思います。

 

野球ゲームやデータがあれば、選手が抑えられると思ったら大間違いだ!

野球がデータ通り行かない理由は2つある。

1つは「データ通り」は反対に、対策がしやすい。

確かに野球はものすご~くハイテク化した。

「ボールを良く見て打て」
としか言えない時代にはなかったデータや配球…さらには攻撃の作戦にもマネーボール的、あるいはチーム打撃の観点から来る作戦がキチッとしてきている。

高校野球やWBCのような短期決戦ならともかく、長いシーズンを戦うプロ野球ではどこでもデータを取っているし、選手も指導者も…ファンでさえもデータを集めて勉強してる。

そうなると…データ通りの野球は…誰もが予想する。

苦手なコースをデータで把握してそこに投げ込もうと考えても、自覚がある当人はそこは練習したり、投げにくいような構え方・カウントを目指して打席を組み立ててくるかも。

いや、可能性として「誰もがデータを知っていると、今度はデータ通りに来ることを前提に対策もできるから、データが有効だとは限らない時代」が来てしまうし、現に来てしまってる。

もう1つのパターンは投手だ。

針に意図を通すようなコントロールの投手ばかりでもないし…抑えられるボールを持っていてもそればかり投げてしまえば、故障する可能性だってある。

あるいは、その日その日で投げやすいボールもあれば、投げにくいボールもある。

この辺はキャッチャー中心の野球マンガが好きな人はすぐに「あのマンガに出てきた」というイメージが湧くと思う。

パワプロみたいに、調子が悪い時は全部悪くて、いい時には全部いい…ってわけじゃないし、構えたところにも来ないどころか、信頼関係がないとサインを無視されたり、サインを出したことで投げにくくなったりする…。

そういうナマモノな人間を配慮しながら、その日その日のベストパフォーマンスを目指していくのだから…それはもうデータ通りになんて動くことは難しい。

そんなときに
・データ通りに誘導すること
・データの裏をかいて、相手を抑えること
・その日その日の調子をやりくりしてベストパフォーマンスを目指すこと

に必要なのが捕手である。

打者を見て、投手ともやり取りして、審判にも配慮する。

それぞれの場所に手がかりがあるし、活路があるから…捕手は観察力もいるし、体力も必要なタフな仕事になる。

でも、その仕事を細かく切り分けて、細かく取材して、色んなタイプの人を取材した本をキチッと読む機会は少ない。
特に、すごく名選手の自慢げなインタビューだけではなく、審判のインタビューだけではなく、その当時監督・コーチをしてた人の現場での貴重なやり取りなんかも聞けるところが、また面白い。

野球マンガで描かれてることの元ネタがこういうところで見つけることもあるのがなお面白い。

この本の面白さは90年台の野球談義が好きな人や野球マンガが好きな人だと倍増する。

中でも、野球マンガの元ネタになっていたり、マンガの理論が実際に行われるとどうなるのか…と言った話が出てくるから、すごく惹きつけられた。

キャッチャーが主役のマンガならどれでも、この本の影響や同じような取材・描写はあると思うけど…特に、関連性が高いマンガはラストイニングとおれはキャプテンだと思う。

とりわけ、同じ題材を扱っている話が多かったから、このマンガの話をする。

ざっくりいうと「1年で甲子園を目指す捕手出身監督の奮闘劇」を描いたマンガ。

ところが、投手は自分勝手の気分屋。
だから、野球哲学のほとんどは捕手に教えて、捕手が投手を乗りこなせるようにしていく。

マンガ的な演出として(ほとんど詐欺師みたいな)セールスマンの経歴を活かして、他人を話術で丸め込むシーンが多いが、野球についての描写…特に捕手についての理論は至って真面目。

その中で、観察力を鍛えたり、リードするための気配りを覚えさせたりしていくのだが…この時に触れられている内容がそっくりそのまま「捕手論」で見かけたものとダブっていたため
「このマンガの元ネタ…または同じ元ネタをもった作品が捕手論か」
としみじみと読ませてもらった。

また、実際にプロの世界にマンガや野球本の理論を活かしたシーンはここなのか…逆に高校野球だとこうなるのか…と、プロとアマを同じ理論で行ったり来たりできるため、同時期に似たような内容の本が読めて面白かった。

だから、もし捕手論を読む人はラストイニングも読んでほしいし、ラストイニングが無理ならおれはキャプテンか、その続編に当たるロクダイ。
それも無理なら、バッテリーの…特に捕手について扱ってるマンガとセットで読むと野球を見る・野球について話す面白さが倍増するから、おすすめです。

 ちなみに、電子書籍読み放題サービス「KindleUnlimited」 に入っていると、これも読み放題で読めるから、Unlimitedに入っている野球ファンは是非是非。

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tm2501 登録者

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