一部のアニメオタクが何年も何年もしつこく言ってることだが…こういう事を言う人がいる。
ストーリーは死んだ、世界観とキャラクターだけで流行する新時代突入
こんなもん、2010年頃から言ってる人は言ってた。
かくいう私も「このラノベはすごい」に神様のメモ帳がランクインしだした頃から
「ライトノベルを読んでるマス層のレベルが落ちてるから、そろそろゴリゴリの萌え系ばっかりの時代が来るだろうなぁ~」
というふうに思って、アニメから少しづつ後ずさりして、別のコンテンツを楽しむ時間を増やした。
まずはフリーゲームに移住した。
カテゴリ:週刊フリーゲーム
ところが、フリーゲームが悪い意味で人気が加熱して手の込んだストーリーが楽しめるRPGよりもラノベをホラーにした感じのホラゲーが増えてきて…フリーゲームからも距離をおいた。
そして、今はマンガや海外ドラマを見る数を増やしている。
マンガは読者の年齢層が高い媒体やマニアックな媒体に行くと今もストーリー性の濃い作品は多く、90~00年代の凝ったストーリーが好きな作品を楽しみたい人は、マンガを漁って見ることをおすすめしたい。
…そうだなぁ~ブログで紹介したものだとこのへんかな。
おすすめ1:「ハッピーシュガーライフ」ほど、本質的で正直な愛の物語を読んだことがない!!
おすすめ2:マンガ「はっぴぃヱンド」は…楽しい夏の物語です。
ハッピーシュガーライフはもうすぐアニメ化されるからそれを見るのも手かも。
はっぴぃヱンドはホラー要素大丈夫なら見てみて。絵もうまいし、演出もキレてるからハマってくると思う。
海外ドラマは…攻殻機動隊や黒の契約者のスピンオフみたいな作品が多いんだよ。
それも、1時間ドラマを6クールとかそのぐらいやってくれる攻殻機動隊だから…90~00年代にアニメオタクになった人達からすると、すごく合うと思う。
アマゾンプライムビデオで吹き替えが見られる
・メンタリスト
・ホワイトカラー(今はみられない)
・Mr.ROBOT(Amazonオリジナル)
・プリズン・ブレイク
の4つをシリーズ通して見たけど…かなり良かった。(他に色々見たけど、ここではこの4つ)
メンタリストが一番好きだけど…正直、この4つならどれ見ても日本のドラマよか面白いのは当たり前(むしろ、比べるのも失礼)として…最近のアニメがつまんなく感じる理由にも気づけるから海外ドラマ見たらいいよ。
アニメも海外ドラマも主人公は「お人好し」が多いけど、整合性が違いすぎる
海外ドラマの主人公は犯罪者や犯罪を伴う戦いをしていても、「絶対に人殺しはしたくない」というお人好しキャラが多い。
日本のアニメやライトノベルなら、「ホントお人好しだね」で終わっちゃうのだが…海外ドラマはむしろ、お人好し設定こそが「天才でかつ理想主義者の証」になるように、設定されている。
今挙げた4つのドラマで言えば、メンタリスト以外は全部お人好しキャラが主人公なんだけど…お人好しな分だけ策士だったり、専門知識があるため、そこで乗り切ることが多い。
しかも、専門知識がめちゃくちゃ具体的で、それぞれに
Mr.ROBOT…主人公は凄腕のハッカー。相手を特定するとSNSや相手のPCに不正アクセスして個人情報を取って脅したりする。(※逃げることも含めて肉弾戦全般がダメで、よくボコられてる)
ホワイトカラー…主人公は偽造とセキュリティー破りのプロ。絵画のうんちくがすごいのはもちろん、贋作やセキュリティ破りに必要なものはだいたい作れる。(※逆に作れないものを偽造する羽目になって負ける回もあるし、肉弾戦も逃げることもできない戦いは割とよく負ける)
プリズン・ブレイク…主人公は建築技師。建築や化学に詳しく、その場で爆発物を作ったり、構造を見抜いて脱出や侵入ルートを作っていく。(※刑務所や悪党からするとレアなエリート層なので、話のかみ合わない異常者にしょっちゅう目をつけられてる)
日本にもそういう「主人公の専門性を活かして、ストーリーを濃ゆくしていく話」は色々ある。
例えば、ホワイトカラーに近いところだと、ギャラリーフェイクというマンガが近い。
例えば、メンタリストに近いところで行くと…ライアーゲームは割とこれに近い。
ちなみに、ギャラリーフェイクは25年前からスピリッツで連載されてた作品で、ライアーゲームはヤングジャンプ。つまり、割と大人向けな作品。
「子供向けなラノベにはないのか?」と言われたら…ないこともない。
狼と香辛料に出てくる貨幣や取引の話は、大学の経済学や経済史なんかで一番最初に習うテーマだし、
「薬屋のひとりごと」というなろう小説は…ちょいちょい薬屋の知識を活かした話が出てくる。
そして、こうした質の高いラノベではお人好し設定を、「天才や変わり者ゆえのとんがった思想」として飲み込ませようとしたり、逆に「この青二才め…」と嘲笑の的になったりして上手くバランスを取ってる。
探さないとないけど…ないこともない。
ただ、日本のマス層はバカだから…テレビでもアニメでも結局ひな壇に美男美女を並べて、美男美女を引き立てる無難な司会進行役みたいな人をメインに据えるのを好む。
だから、ライトノベルの主人公って割と無個性だし、躊躇なく残忍な手段をやると個性や嫌われる要素として個性になってしまうからお人好し設定なわけ。
エロゲーやラノベの主人公に個性がない時は「あー芸人やアイドルを引き立てるアナウンサーにキャラとかいらないからなぁ~」と思ってもらったら、色々しっくり来ると思う。(そうでない作品もあるし、むしろそうでない作品の方が好きなんだが…僕とは好みが合わないらしい)
陰謀論が大好きな海外ドラマ、陰謀論が減った日本のアニメ
アメリカは1%の大金持ちが99%を支配しているだけあって…陰謀論の要素が強い作品が…多い。
日本でも、エヴァ~攻殻機動隊ぐらいの時期にはそういうアニメ作品はけっこうあったけど…視聴者にオウム事件を知らない層が増えてきたせいもあって、そういうものが…減ってきた。
話がスクールカーストの延長上にあるような話が増えたり、日常を小さく楽しむような話が増えてる。
めんどくさい主人公がただただ飯を食うだけのグルメマンガが増えたのはその象徴ともいえる。
大人向けな作品では陰謀や権力のある政府や企業の幹部・トップの不正の話は現役なんだけど…マスな層は
「財務省が忖度していようが、なんだろうがしるか!今日食ったメシがうまくて幸せ。それでいいじゃん!」
的な人が増えた。
悪役がいないか、いてもそんなに魅力がない話が増えてるから…まあ、ストーリーなんてないわな…。
あとは…マンガということもあって、ファンタジーな悪役に逃げてしまうケースが多いかな…。
海外ドラマの中にあるような「相手はただ目の前の仕事を全うしているだけ」みたいな悪役は…少なくとも、子ども向けな作品には出てこない。
プリズン・ブレイクが顕著なんだけど…陰謀論と並行して「雑で心ない役所仕事のとばっちりを食らった」という話がけっこう多い。
一番ひどいと、警察官に犯人にでっちあげられて誤認逮捕からの刑務所行き…なんてこともあるし…。
24なんかにも言えるけど、「目の前の仕事を全うしているだけ」の人と、「それ以上のことをするためには融通を利かさないといけない」「目の前の仕事を処理したい人にないがしろにされた」みたいな対立は…主人公が泥棒側か、警察側かにかかわらず起こる。
大人になって悩むのはむしろ、「恨みも悪気もないけど、利害が対立してる相手」だったりするのだが…日本人のマス層は聖剣エクスカリバー的ななにかで、黒い影の魔王を真っ二つにするのが大好きなんだよなぁ~。
海外ドラマの魅力は幅広い層のキャラが出てくること
これは…ヤング誌や大人向けでもできてる作品が少ない部分なんだけど…海外ドラマって出てくる人間の幅が広いんだよ。
「完走した作品の中でメンタリストが一番面白い」
と言ったのは、メンタリストが一番出てくる人間の層が一番広いから。
普通の殺人事件に関わる低所得者層も出てくるし、逆に政治的な圧力で依頼してくる上流のお金持ちも出てくる。
低所得者層も闇金ウシジマくんみたいな感じに雑に出てくるわけじゃない。
粗暴な悪党も、悪そうに見えるけど実際にはただ貧しくて遊んでる人も、尖ってるように見えて実はいい子…など、色んな人が出てくる。
金持ちも堅物な弁護士から、事件を楽しんでる成金、さらには金持ちなんだけど落ち目で…と言う人までいろいろ出てくる。
これはMr.ROBOTなんかもそうで、主人公はホワイトカラー側だけど、ダウンタウンに住んでいたり、モルヒネを買ってたりするせいで…まぁ、底辺のやつが色々出てくる。
ホワイトカラーにも自己顕示欲がめちゃくちゃ強いやつから、話を勧めていくうちに慈愛が深いことがわかってくるやつまで色々出てくる。
プリズン・ブレイクなんかはそれをストーリーにうまく持ち込んでて…完璧な計画を血の気だったバカがどんどん崩していく。
敵は割とインテリだから罠に引っかかるけど、味方は思惑に気づいてくれないから計画を崩したり、逆に気づかないうちに嵌めたり、復讐心を持って復活してきたりする。
「作者の知能レベルの限界が、作者が描ける天才の限界」
なんて創作の世界ではよく言われるけど…そういう意味では海外ドラマを作っている人は単に天才なだけではなく、明後日の方向のバカを描くのもうまい!!
日本でこういう作品探すのはけっこう難しい。
まず、スクールカーストの延長線のようなフィクションが多いから。
次に、アホの子な部分を萌え要素にしようとしてしまうから。(リアリティとしてのバカが出てくる作品は極めて少ない)
最後は…貧困報道に関するレベルが恐ろしく低いから。
「中村淳彦」と検索してもらえばわかるんだけど…貧困女子大生を追いかけるスケベオヤジが、貧困語りで東洋経済でコラム書いてたりする。
あるいは、生活保護叩きの際に、霜降り肉を半額で買ったオバサンの画像が、頻繁に貼られる。
競馬場や川崎周辺の朝のマクドにいる「洗ってない犬の臭いがするおじさん」と「受けた教育や育った環境が悪いだけで実はいい子なおバカちゃん」が両方出てくる作品ってあんまりない。
しかも、「洗ってない犬の臭いがするおじさん」は大人向けのフィクションでもホームレス狩りか、闇金ウシジマくんにボコられる役と相場が決まってる。
ないことはないんだけど…すげー少ないよね…そういう作品。
ドロップアウトや底辺を専門的に扱った作品か、洗ってない犬おじさんがそんなに底辺でもなかった昭和の作品しか挙げられないわ…。
キャラの幅が狭いから性表現の幅も狭い
あとは…海外ドラマだとゲイまたはレズが作中に必ず一人ぐらいは出てくるんだけど…これについては、クレヨンしんちゃんでさえオカマが出なくなっちゃったからなぁ…。
↓みたいなやつさえで出てこなくなっちゃった。
マイノリティが出てくる・出てこないということもさることながら…日本のドラマってキスシーンにパターンや濃ゆさがない。
相手の顔を持って思いっきりキスし合うようなものから額や唇にそっとキスするものまで色々ある作品が海外ドラマだとちょいちょいあるけど…日本だと滅多にない。
少女漫画は観測の範囲外だからわかんないけど…少女マンガを除くと、マンガでもその辺がきちっとしている作品は少ない。
「日本人はシャイだからそんなにバリエーションがないのでは?」
…だったら、海外ドラマ見て色々なバリエーションを覚えるだけでかなりモテるようになるんじゃないか?
あるいはクリエイターでそういうものを覚えた人は、ブルーオーシャンとして自分だけのファン層を開拓できるのでは??
ともかく、ぼくが海外ドラマで衝撃を受けたのは、キスシーンを使った表現。
幅が広いし、キャラクターによってはすごくセクシーなので、
「脱ぐ・脱がない抜きでこういう表現があるのか」
と感心した。
特にメンタリストの主演はあのサイモン・ベイカーだからねぇ…。
そんじょそこらのイケメンが100人いても太刀打ちできないようなレベルの超絶イケメンがキスもするし、心理戦として女性に優しくしたりするわけだから…もうすごいよ。
まとめ:死んだのはストーリーではなく、キャラと表現の多様性と濃ゆさが死んでる
型にはめてくる編集者や世の中が悪いのか、
それともファンタジーと美男美女出してりゃまかり通る種類の世界に逃げてしまうクリエイターが悪いのか、
それとも、少なからず埋まっている数少ない濃ゆくて面白い作品を開拓できてないオタクや消費者が悪いのか…
その責任問題は一旦横に置く。
ただ、確かなのは「海外ドラマを見て、邦画や日本のアニメ・マンガは狭いテーマばかりに凝り固まっているし、フィクションに出てくるタイプのキャラクターにも幅がない」ということ。
海外ドラマは海外ドラマで
・女優や助演俳優があんまり美男美女ではない。日本の作品よりもリアルさ重視だから、キレイな格好ばかりでは出てこない。だからずんぐりむっくりして見える人・やつれて見える人もちらほら
・引き伸ばしが多いから、鮮やかに終わったと思った話がグズグズと続いている
・聖書や詩歌の教養がないと解釈しきれないシーンがちらほらある
といった弱点もあるけど…日本のフィクションが陥りがちな動脈硬化には陥ってないから楽しめる作品も多い。
その差は何かと言うと…主人公が強い理由がすごく明確で、出てくるキャラクターに多様性があって、扱う題材やトリックが洗練されてる(ネタの引き出しが多く、マイノリティにもスポンサーが当たる)ところにある。
もちろん、日本でもそういう作品は「探せば」あるよ?
ただねぇ…逆の言い方すると「探さないと見つからない」時代に来ちゃってるし、それはなぜかと言うと、美男美女の学級会みたいな作品がテレビにもアニメにも溢れかえったからなわけ。
僕に言わせれば、「日本のテレビに出てるイケメンなんて、福山雅治以外サイモン・ベイカー1人に駆逐されるぞ!」って話なんだけどさ…。
女性については、僕の美人の基準がズレてるから何も言わないけど。
daigoの方のメンタリストじゃなくて、こっちを見ましょう。こっちが本物!!