「プロダクトアウト」に成り果てないために、武井壮の「オトナの学校」をみるべき!!

ねとらぼさんで、こんな記事が話題になってた。

「美大は“絵で食べる方法”を教えてくれない」 漫画『ブルーピリオド』作者と完売画家が考える“美術で生きる術” (1/3) – ねとらぼ『美大を出ても、市場そのものがない(あるにはあるけど、とても食べていけないほど縮小している)現状がある』
という話が語れていた。

ぼくはこれを見て武井壮の話を思い出した。

すごいことしてても、ファンに歩み寄らない競技は誰にも知られない。

武井壮というと陸上競技のアスリートから、芸能人に転向した人。
彼の「大人の育て方」という授業(講演)がyoutubeに上がっていて、その中には陸上競技も似たような問題を抱えてる話が出てくる。

陸上選手もそうですけど、100mを10秒0で走れるなんて人は、殆ど横幅が無いような状態。だけども、この状態って自分の能力がこの内側なので、隣に行ったらド素人なんですよ。わかります?だから、多くのアスリートとか学生さん達が、すごい一生懸命スポーツを10年間頑張ったんだけど、大学卒業する時その先お金を貰って、プロのスポーツ選手として殆どの人が活動出来ない、ていうのが現状なんですよ。ほんとにギャンブルなんですよ

わかりやすいのはプロ野球選手で…まず、甲子園優勝校・プロ入りする人が多いチームでも…多くて3,4人。
スポーツ推薦もらえたり、大学・社会人でプロになる人もいるから意味ないことはないけど…野球がお金を稼ぐことに直結する人の方が圧倒的に少ない。

よしんば、プロ入りできても平均で29歳で引退。
平均だから山本昌の50歳までできる人、イチローみたいに45歳で未だに現役みたいな人もいる。
一方で、育成契約で3年以内に引退する人もいる。

つまり、一部のすごい人が押し上げていることを考えると…中央値は26歳で平均ではないかな??

 

メジャースポーツでこれなので…マイナースポーツはもっと寿命が短いか、ピーク時に稼げない。ましてや武井壮がやっていた陸上の、それも10種競技ともなれば、もっと酷い。

陸上の10種競技の日本チャンピオンになれたんですけど、陸上の10種競技って殆どの人が知らないでしょ?10種競技知っている人います??
ほっとんどいないんですよ!!

(中略)

でも、一歩外出てみたら誰もお前等のやっていることなんて知らないよっていうのが現状だったんですよ。それでお金を稼ぐというか、経済価値を生むということが全く出来なったんですね。

これ、美大の話にまんま共通してて、すごいのはわかるし、内輪にいると苦労がわかる分だけすごいことをしてるつもりだけど…世の中にはちっとも伝わってない。

最近読んだ喫茶店経営のマンガ「ホリエモン式飲食店経営」で覚えた言葉で言うと『プロダクトアウトの塊』というやつに近い。

自分のこだわりとか、コンセプトが持っているけど…それを他人に押し付けている状態…これってお金儲けにならないわけ。

さっきのプロ野球の話でいうと…テレビ放送があったセ・リーグは黒字だったけど、テレビ中継がないパ・リーグはずっと赤字だったわけ
そこでチームを手放して合併させようという「球界再編」がされてから今日に至るまで『キー局で放送されてなくても、不人気な球団でもしっかりお金を稼いで球団を手放す/手放さないと揉めないようにしていこう』という取り組みがなされ、最近ではすごくファンサービスが充実するようになった。

昭和のプロ野球は野球が大好きなおじさんたちのものだった。
でも、今は女性客を取り込むことに力を入れて「鷹の祭典」なる可愛いユニフォームを配る日を作ったり、弱くても応援してくれる地域球団になろうとして横浜中の小学校にベイスターズの帽子を配ったり…単に野球がうまさだけじゃない色んな楽しみ方を作っていこうとしている。

球場のボールパーク化なんかも、そういう流れの1つ。
野球見る以外の楽しみと球場をどんどんつなげていこう…ってことで、変わってきてる。

マンガを引用したけど…マンガってジャンプやマガジンみたいな少年誌のマンガなら「面白ければ売れる」よ?
でも、コンビニに置いてない雑誌に載ってるマンガは「知られてない」ことが最大の問題!
だから、1巻無料にして読んでもらったり、スマホアプリで配信したり、Twitterに1話を載っけたりして…読む側のことを考えて歩み寄っている

ちなみに、さっき引用した「ホリエモン式飲食店経営」では、プロダクトアウトの問題を今あるものを捨てたりせず、お客さんの事を考えたレイアウトにお店を配置換えすることで乗り切っている。これだけでもすごく変わる。
美術とか陸上みたいな分野も…こういうのがあるともっと変わるかも。
しかし、どういう取り組みをしているかから知らない/知られるような場所に来て語れていない。

武井壮はこういうことに気づいて、勉強するようになる。

ニーズと発信力はクオリティとはまた別物

物事って何が価値を生むかって言ったら、やっぱりこれなんですよね。簡単ですよ。
「人が求めるもん、数だけなんですよ。」スポーツの僕のクオリティって自分で言うのはなんですけど、ある程度高いものだと思うんです!
各分野に言ったら日本一を取れる能力もありましたし、クオリティ自体は凄く高いものがあるんです。クオリティ自体は高いんですけど、価値が無い。何故なら、それを人が求めている数が凄い少なかったからなんですね。

ありていの言葉で言えば、「需要と供給」なんだが…この話はもうちょっと深い。

陸上競技見てみましょうか。陸上競技って世界中で誰もが知っているメジャースポーツなんですよ。だけど、日本の陸上競技ってどうなっているかと言うと。陸上競技って100、200M、400Mとか色んな競技あって、大体25種目としましょう。
(略)
女子もあるから、日本選手権は50種目ある。日本選手権は50人が50種目に出てているので2500人いるわけです。日本最高峰の大会に出場する選手が2500人いるってことなのね。

 

で、国立競技場ね。つい最近取り壊しになった国立競技場。
あれ満席で50000人位で満席と言われてます。大体50000人入ればどんなスタジアムでも満席じゃないですか?
2500人が50000人埋めるには、1人の選手がたった20人呼べば50,000人が満席になります。でも、陸上の日本選手権が満席になっているのを俺は見た事がないんです。一度も。

2500人のその道のトップの選手達が争う、年に一回しかない大会を足を運んで見に行きたい思う人が、ぶっちゃけ10000人いるかいないかなんですよ!
ってことは、これ以下の価値だということ。一人一人の選手の価値って。1人に対して20人位も埋めていないってことなんですよ!これが今のスポーツ界の現状です。

この辺が冒頭で取り上げた美術の話に近いと思った。

20人って言ったら、所属してるチームの人とか親御さんとか巻き込めば…呼べなくはない人数。
仮に、20人呼ばなくても…スポーツが知られていたら、ファンが殺到するよね?

オリンピックの選考会も兼ねてる(つまり、オリンピックに出る・後に出るであろう原石が出る)わけだから…そんな大会で日本一決めるんだから、ファンなら大喜びしてもいいような大会だよね?
でも埋まんない。

それどころか、競技すらよく知らないから、その選手の何がどうすごいかなんて当然わかんない。
実況とか解説とかそれ以前の問題として知らない。こうなると競技関係の人の発信力が低いか、世の中の人は陸上競技なんて求めてないか…そう考えてしまうのも無理はない。

美術の世界だって考えてみたら、そうだよね!?
「億」は出せないにしても、大半の人は浪人して美大に進学させている現状があるのだから…絵を買うぐらいのお金がある人はいる。
何より、身内や業界人もいるし…企業や公的なお金まで巻き込めば、もっといる。

でも、仕事にするには市場がある海外に行くか、イラストやマンガといったニーズのある分野に転向する必要がある。
そのぐらいニーズがない&開拓できてない。そもそも、絵がどこで買えるかも知らんぐらいない。

スポーツの価値をちゃんと調べてない人が多すぎ

この辺から書き起こしが雑になるけど…ご勘弁ください。

「自分のスポーツがどんな経済的社会的価値を持っているか」
とか、2時間でも研究した親がいますか?

これ、ほんとそうで…「スポーツやるのも教育」「後々なにかの役に立つ」とか言うんだけど、何の役にどれぐらい立つか説明できる人って少ない。
みんながプロを目指してるわけじゃないけど…プロを目指す人・プロになる人がどんな経済事情なのかまでちゃんと理解してる人は少ない。

野球選手の話でいえば…野球選手全体の生涯賃金は一般の人よりも「平均的には」低い。
だから、野球選手が引退後にお金がらみの失敗をして逮捕されるニュースはちょいちょい見かける。
それどころか、儲かってたはずの選手も野球しかやってこなかったから、お金のことで人生踏み外してる。

武井壮の話を聞いて、
「子どもに金の話するなんておかしい」
とかいう人は、武井壮の動画と、スポーツ番組の『バース・デイ』とかホント見たほうがいい。

3軍の選手や落ち目の選手を取り上げる『バース・デイ』はお世辞にも明るいとは言えないよ?
でも、野球の支配下登録70人に対して、試合に出られるのは9人、一軍は25人。
野球漬けの日々を乗り越えて頂点を極めた人でも、プロにはさらに狭き門があってお金や将来のこと考えられないと酷い目に遭う(が、それがピックアップされるようになったのはつい最近で、それも国民的スポーツである野球ですらそのレベル)

野球ですらこうなんだから…もっとマイナーな競技、マイナーな趣味しかやってこなかった人はどうなる?
オリンピック出ないとテレビに映らないし、オリンピックもない競技は…本当に知られない。

ましてや、オリンピックもないし、落ち目の百貨店に依存してる美術の世界なんて…というわけ。

自分が有名になるため、チャンピオンになるため…そうじゃない。
芸能人の価値は周りの人が元気になることが価値なんですよ。

商品の価値はクオリティではなく、喜んでくれる人の数だと30歳ぐらいで気づいて、その活動を始めた。(そこから、芸能人の集まる西麻布のバーに通いつめて、8年間トーク術を学ぶ)

(略)

ぼくが持っている価値、頂いている収入はクオリティで手に入れたものではなく、明らかに皆さんがつけてくれたもの。
どんな仕事でも、趣味でも、夢でも「それを誰かが必要としてなかったら」ぼくは価値がないと思います。

どうせだから最後まで野球の話にすると…正直言って、パ・リーグ暗黒期のほうがすごい記録の選手は多い。

落合博満とか、清原和博とか、野茂英雄とか…清原は西武だったからまだ人気があったけど…落合が打って村田兆治が投げてる川崎球場なんて、あまりにも球場がガラガラすぎて、自家製の流しそうめんを楽しむファンが出てきたんですよ!?
今では平成最大の投手と言われてる野茂英雄だって、近鉄はプロ野球チームを金食い虫だと思ってたから、オーナー会社の人が来ると「車どかせ」とか言われてるほどの扱いだったんですよ!?

今のロッテの選手なんて、落合と村田兆治に比べたら、カスだよ!?(むしろ、現役全員落合・村田に匹敵する人がいないので、比べるのが酷なんだけどね)
でも…見に来る人がいっぱいいて応援されて…100キロ超えの巨漢の選手が盗塁して話題になったり、応援歌作ってみんなで応援するような状態。

これってクオリティよりも、ニーズ…応援してくれる人を大事にできるかという話だよね?

大事なことだけど、大人でさえ自分の趣味を諦めないでがんばった人しか気づきにくいこと。
自分のことで言えば、ブログがそうで、ニーズがないことはいくら高いクオリティでもウケない反面、ある番組を毎話毎話感想書いたり、マイナーだけど面白いマンガを紹介したら、マンガファンどころか、作者までお礼してくれたり、ブログを読んでくれる。
ちょっとSNSで宣伝するとか、自分の観察・分析力をみんなが話題にすることで発揮するだけですごく変わる。

クオリティ高めるのが悪いって話じゃないよ?
でも、ニーズがないってことは、自分がクオリティ上げることばっかりになってて、周りが見えてないんだよ。

こういうのをマーケティング用語にするとプロダクトアウトと、マーケットインと言って、
こだわる部分とニーズに応える部分のバランスをしっかり取りましょう。こだわりだけだと独りよがりになって、良さが伝わらないよ。
ということになる。(こだわりがない・クオリティが低いのもダメだけど、内輪しか見てなくて、クオリティやこだわりばっかりでもダメ!バランスを取らないと。)

 

こういう話は非常にデリケートだから嘆かわしい現状だけでも、1行2行で説明している学問だけでもダメ!!
より参考になる事例、説得力のあるお話を紹介することで、感覚的なレベルでわかってもらえるような記事を目指して武井壮のオトナの学校や、ホリエモン式飲食店経営を紹介することにした。

もっともっとじっくりとこのテーマについて考えたい人は武井壮の動画を探すなり、おすすめした「ホリエモン式飲食店経営」を読んでもらえると嬉しいです。
こんな長い記事を、最後まで読んでいただいてありがとうございましたm(_ _)m

できることなら続編が出てほしいぐらい好きなマンガです。
むしろ、続編がありそうな終わり方をしてるので、好評につきもう1回…とかならないかと期待しています。

 

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