小説下手な人、長編書けない人にありがちなこと

小説下手な人、長編書けない人にありがちなこと

ぼくのつぶやきが大きく反響があった。

ぼくの大学生ぐらいの時に小説に色々書こうとしては失敗してた時期の失敗談と、小説家志望や創作アカウントの人達と話してて言われがちなことを箇条書きにツイートしたところ、けっこうな反響があった。

そこで、もう少し詳しく小説下手な人、長編書けない人のあるあるを書いていこうと思う。

設定を考えてる時が一番楽しい

まあ、何事もそうだけど…実行するとしんどい。
問題点とか自分にはできないことに気づいて大変なので、「頭の中で考えている時」が一番楽しい。

ぶっちゃけ、アイデア作り自体が楽しいし、難易度も低いから手を抜く人はいない
だけど、小説が下手な人、(長編)書けない人ってアイデアを形にする段階が一番楽しいからそこをすごくがんばる。

朝井リョウは何者という小説の中で「頭の中にあるうちはなんでも傑作」と言ってるけど、本当にこれに尽きる。
自分の小説が酷評された時に、「アイデアが良くなかった」とか「その批判は商業作品のこれこれでも当てはまるだろうが」とかいい出す人、一番才能ないからね!?

「料理なんて胃袋に入ってしまえば全部同じ」と言う人いるけど…そんな事言いだしたらストーリーなんて結論4つしかないじゃん?
・ハッピーエンド
・バッドエンド
・ビターエンド
・俺たちの戦いはこれからだ
の4つ。

わかりきったエンドをいかに熱心に読ませるかという競技が小説とかシナリオと言われるものなのに…スタート地点に立つ前のストレッチとかイメージトレーニングばっかりがんばる。

ストレッチもイメトレも大事だよ!?
でも、辛い・痛い走り込みや筋トレをがんばんない人はスポーツ上達しないよね??

それと一緒。
アイデアばっかり練ってるやつ、批判されるとアイデアのせいにしたり、他人もそこに当てはまるといって逃げてるやつは基本上手にならない。

そもそも、批判の言葉尻なんて90%は無意味なのに…。

相手が伝わらないほどのこだわりを詰め込む

大前提として、小説を書く人と読む人だったら、多くの場合は書く人のほうが小説に詳しい。
審美眼やセンスがある、オタクで含蓄が多い、表現力や語彙力が高い…どこかしら作者の方が優れていることのほうが多い。

小説下手な人でもオタクとして含蓄があったり、いい作品を見抜くセンスがあったりすることが多々あるから…創作で全然話題にならない人もそこは自信を持っていいと思う。

ただ…だからこそ2つの失敗を犯しがち。
1つは、批判された時に、言葉尻そのままで捉えてしまうこと。
批判してくるやつのほとんどは創作をやる人のように言葉づかいに気を使ってないから、批判する時の言葉も雑。

面白くないとか、つまんないとか、テーマがウケない、リアリティがないとか…ふわふわしたのが多い。

特にリアリティがないって言われる作品はとにかく多いけど、リアリティってなんだよ!?
…ってことを批判された側は相手のふわふわした批判をもっと噛み砕いて具体的にしていかないといけない。

例えば、「展開が唐突すぎるから受け入れられないのかな?」とか。
例えば、「自分の人生では当たり前のことが、読者にとってはかなり特殊な人間で、想像できないから批判されてる(想像できるような経験、エピソードをキチッと盛り込めてないのかな?)」とか。
例えば、「設定された人物像、舞台、メタファライズされたテーマ性から来るストーリー展開や名称なんかとミスマッチを起こしているため、読者が受け入れられないのかな?」とか。

スティーブ・ジョブズの言葉に

顧客に欲しいものを聞いて、それを与えるだけではいけない

というのがあるけど…そういうこと。

自分が欲しいものがわかってない、サービスに精通しているわけでもないユーザーが自分の欲しいものを的確に説明できるわけがないし、そういう人の言ったことをその通りやってもいい結果になるとは限らないんだよなぁ…。
その人が、あなたの作品が売れないと困る編集者や身内だったら多少は意見をまともなものにしようとしてくるけど…それでも、作品作る人ができること・向いてることの延長線の中で提案できるとは限らないし…。

他には「建前と本音」パターン。
口では「マクドナルドには野菜が足りない。ヘルシーな大豆ハンバーガーを作るべきだ」とか言ってても、人間の本能では肉汁や肉の焼けた誘惑には勝てないので「うおー!夜マックでは+100円でミートが倍!?ダイエットなんて明日からだ!!俺は夜マック食べるぞ!!」とかいい出す。

マクドでは実際健康志向のバーガーを作って失敗したことがあるんだけど…理由は冷静に考えたら明らかだよね!?
そもそも、「ヘルシー志向な人はマクドにヘルシー求めてこない」からマクドがヘルシーする必要はないんだよ…。
ヘルシーしたい時は、自分でヘルシーするよね?

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「読者がわからないこと、伝わらないことについて開き直ってる」

脱線しそうだから次に行くね。

もう1つの細かすぎて伝わらないこだわり問題。
これは文章を作る側が自分ぐらい詳しい人・自分の作品を深堀りしてくれる人に向けてやったことや、自分の自己満足でやったことが作中に多すぎて、作品として伝わらないパターン。

これについては「欲しいものを顧客に聞いても出てこない」とは逆の問題。
「そもそも、顧客に寄せる気がない・少数の顧客ばかり見てる」という問題。

例えば、
「自分がおでん好きだからおでんの専門店をやる。」
はけっこうだけど…おでんって冬場の食べ物だからおでんだけでやっていくのは難しい。
オールシーズン客足が絶えないコンセプトやお客をつかむにはどうしたらいいか?

いいお酒を揃える?
焼き鳥やおそばといった別の料理との二枚看板にする?
カフェスタイルにして、喫茶店としても優秀なお店にする?
地域色を出して、自分が出すおでんと同じ郷土の料理も出す?
おでんが美味しいことで成功してるお店ってだいたい別の看板やギャップがあるのは、おでんだけだと1年間生活できないから。

小説もそうで、こだわりの設定や好きなものを盛り込むのはいいけど…好きなものがあまりにもニッチすぎる時にはストーリーを単純明快にするとか、敢えて主人公よりも魅力的なサブキャラにしてしまうとか、なんかしらの入り口を設置してもいいのでは?
という人に限って、創作大好きだから創作って難しい。

こだわりがあるから創作をやる。
でも、こだわりを持つほど色んなものを見たり聞いたりしたからこそ、酸いも甘いも噛み分けた人にしか伝わらない。
洗礼されたものでさえそうなのに、あまり作品を量産した経験もなく、人と競った経験もない人になると…酸いも甘いも噛み分けた人はそもそもこだわりにたどり着く前に読めない。

歴史検証が素晴らしい歴史ファンタジー、犯罪学上正しい刑事モノ、1つ目の女の子がかわいい…自己満足ならご自由にどうぞ。

ただ、もっと読んで欲しい人はそういう部分とは別に卓越した技量とか、読んでみるとわかりやすいコンセプトとか大事。

トクサツガガガというマンガはそこで成功している。

「特撮オタクの女」が主人公の作品なんだけど…この落とし所が絶妙。

女のオタクのライフスタイルを描いた作品は腐女子を描いた作品ならたくさんあって埋もれる。(マスなテーマ)
特撮オタクの男をそのまんま描くと、暑苦しいというか痛々しいというか…オタクの嫌な部分が出てしまう。そもそも、特撮オタク自体が昔の特撮がもっといっぱい放送されてた時期に比べたら特殊な存在。(ニッチなテーマ)

そこで、「特撮オタクの女」という新しい落とし所を作ったことで受け入れられてる。

それだけでもトクサツガガガはすごいけど、さらに作品全体のテーマとして「毒親とオタクライフ」という部分もある。

これは、そのままやれば重苦しい上に類似した作品が多くて埋没しがちなテーマ。
でも、トクサツガガガは特撮オタクの女がオタクライフを楽しむところからスタートして徐々に毒親モノにシフトしていくことで、「毒親モノ」と言われると暗く重苦しいイメージがあって手に取らないような人にも読ませることに成功してる。

どこが面白いのか一言で説明できない。

これ、このブログも陥ってる現象ですね。

どこが面白いのか説明しろって言われても、難しいんです。

いや、言葉としては色々言えるんですよ?
「考えていることを代弁してくれるようなブログ」
「情報が厳選されているから、マンガでもご飯でもゲームでも質の高い記事が読めること」
「筆者の人格や体験をそのまんまリアルに垂れ流しているから、実際会ってもギャップを感じないほどの高いリアリティ」
とか色々言えるけど…キャッチコピーにならない。

もし、ぼくのブログを的確に表したキャッチコピーを考えついた人がいたら、教えて欲しい。
ぼくもわかんなくて、自分のブログをどう売り出していいのかわかんなくて困ってるからホント教えて欲しい。

これ、小説なんかやってる人はぼくの3倍ぐらいは気難しいから自分の書いたものをいいキャッチコピーにできる人、知らない人にも魅力を的確に説明できるキャッチコピーがないことが多い。

世の中の定番にうんざりしてるから「自分が欲しいものを作りたい」と思って複雑なものを作ったしまった人。
あるいは、好きな作品の要素をふんだんに盛り込んだ結果、何がどう魅力的なのか言えば言うほど、魅力的なコピーがうまれずありふれたものの中に埋没する人。

色んなタイプがいるだろう。

「一言で言えるならこんな長文にしねーよ」
はごもっともなご指摘だけど…入り口がない建物には誰も入ってこないのよね。

言葉遊びや描いている事自体が好き

これは「そのジャンルが好きすぎる人」にありがちなことだけど、「中二病っぽい言い回しが好き」とか、「オタクが見るアニメ特有のあざとい女の子が好き」とか…その手の言い回しを書く事自体に途端に満足しちゃう人は意外にいる。

それ自体は悪いことじゃないよ?
でも、一部を書くこと自体に満足してしまうから「読者からどう見える」とか、「全体として面白いかどうか」とか、「トレンドや他の作品と比べてどうだ」とかそういうことを全然考えられない。

自己満足で書きたいところだけを書くことには特化してるけど、全体として面白いものを書いたり、作品を布教するための宣伝には無頓着だったり…といった問題が出てくる。

また、誰かに批判されても言い返すほど考えてなくて
「ぼくはぼくがやりたいことができたから満足」
と、それだけで技量的にもアイデア的にも成長しない。

小説に限らず、創作や制作活動は大変だから気持ちはわかる。
やりたいことができて満足、完成して満足、自分ではできないことを乗り越えてがんばった…色々あるだろう。

ただ、それらの気持ちはスキルを上達したり、長い間作り続けるための活動に結びつかないこともあるから、自分で自分に対してきちっと疑わないとダメだろう。

その他小説が下手、長文が書けない人にありがちなこと

他にも色々あるから知ってる範囲で少しづつ。

・好きなシーンについては思い浮かぶが、そこにたどり着くまでが書けない

良い設定を思いついた、そのキャラクターのかっこいいエピソードも思いついた。
でも、そこに至るプロセス…とりわけ物語のスタートが思いつかない。
というのが、小説下手、長文書けない人あるある。

好きなシーンはアニメになって頭に浮かぶほどキチッとイメージが有るのに、思いつかないところをひねり出そうとすると不自然で無理矢理になるというね…。

中盤に魅力的なシーンが書けるのに、序盤に人を引き込むシーンが書けないとか。
アイデアをストレートに序盤にぶつけたら、すぐにネタ切れしてダラダラと続いているだけで最初しか面白くないとかね。

 

・描いてみるとキャラクター像が変わってきて収集不可能になっていく

小説下手な人、駄作ができあがって絶望した人、途中で打ち切ってしまって長編が書けない人にありがちなこととしてあるのは
「描いているうちにキャラや設定が安定しない(プロット段階で足りない部分を継ぎ足しているうちに矛盾や疑問が増えていく)」
というやつね。

これについては自分もやった時悩んだけど、どうやったら改善できるのか本当にわかんない。

話の作り方とか、進め方とか、面白くするために大事なこととかは勉強すると色々出てきたからわかるよ?
でも、途中で生じる矛盾や、キャラが回を進めるごとに醜悪になっていくとか、つまらなくなっているのが自分でもわかってるけど止められないとか…そういうのは本当にわかんない。

でも、なぜか起きるんだよなぁ…。

 

・わかんないことが気になりだして書けなくなる

創作書ける人ってちょっとバカな人か、すごく頭いい人かのどっちかだと思う。

なぜかというと…創作してみると自分がやりたいことはたくさん考えるけど、自分がやりたくないことは全然考えないから
「ここ、どうなってるんだろう?」
という止まってしまうところが出てくる。

例えば、戦闘シーンが好きな人が女の子の服装の描写をキチッと書けるかと言うと…そもそも、女性の服を日本語で説明できなかったり。
逆に、かわいい女の子の取り留めのない会話は好きだから描けるけど…日常を的確な情報量で伝えようと思ったらどのぐらいがいいのかわからず、雑に「〇〇した。〇〇だった」だけになったり。

こういうわかんないことが増えた時に、中途半端な賢さしかない人で、生真面目な人は立ち止まってしまう。
逆にアホな人やあんまり真面目じゃない人は良くも悪くもスルーして拙いながら作品を仕上げることができる。
頭がいい人に至っては、要領よく調べて、解決して前に進む。

わかんないことを避けて描こうとするあまり変なシーンがいくつも出てきたり、詳しい部分と雑な部分とムラができることに気持ち悪くなって、下手くそ作品を作るか、長く書き続けることができなくなる。

解決策はわかってるけど…要領の問題が大きいかな。
頭で割り切ったり調べたりすることができても、それをさじ加減をもって実行するのは要領の良さの問題だし…。

 

まとめ

小説下手な人は
・勉強不足
・反省しない
・人とコミュニケーションが苦手(だから書いてても悩むし、フィードバックを有効活用するのも苦手)
というイメージ。

逆に長編が書けない人は

・こだわりすぎ
・要領が悪い
・勉強が偏ってる(好きなことと書くために必要なことがズレてる)

という感じです。

小説下手な人、長編書こうとして挫折した人の参考になれば嬉しいです。
…ろくな解決策を提示できてないけど。

ぼくは解決策をあんまり提示できないけど、この手の創作の悩みは「漫画アシスタントの日常」というマンガにけっこうな量の答えが載ってるから読んでみることをおすすめします。

作者がツイッターでためになるコマをアップして紹介してたりするからそちらもどうぞ。

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