マンガ「その着せ替え人形は恋をする」は色々ヤバいです!

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というわけで、本当にヤバいマンガを見つけてきたぜ!!

ここマンガの感想で、一番的確なのは「ヤバい」だと思う。

語源由来辞典によると、江戸時代から香具師や盗人が使っていた隠語が語源らしく、元々の意味は「危ない」だけだった。
これが若者の間で80年代90年代に肯定・否定問わない「すごい」という意味で再流行したことで、現代の位置づけに落ち着いたそうだ。

ヤバいがこの作品にぴったりだなぁ…と思ったのは、この作品も雛人形を作る家に生まれた男の子が、ギャルっぽい女の子にミシンが使えることを理由に「コスプレ衣装を作ってくれ」と依頼されたことがきっかけになってる。

ヤバいの語源よろしく、過去の技術と現在の需要が融合している。
加えて、女の子が美少女ゲームの登場人物になりたいってことでコスプレをやろうとするわけだが…これも、高校生なので「ヤバい」。

それらを総合しての「ヤバい」が適切なんだ。

あらすじ

マンガのコマ見ながらのほうがイメージしやすいと思うので改めてあらすじタイム。

雛人形にどっぷりの主人公は、クラスで会話が噛み合うやつがいなくてぼっち状態。

しかし、学校でミシンを使わないといけない時に、たまたまギャルっぽいリア充にしか見えない喜多川さんにミシンをべた褒めされちゃう。

これ、授業中ではなく…女の子はコス衣装を作りたくて、ミシンを使いに来ていたのだが…主人公に「狙ってもここまで下手に作れない」とまでダメ出しされるほど裁縫が下手くそ。

自分が下手なことと、的確な指摘を言う主人公を見込んだことで、コスプレ衣装の制作を依頼することに。

ただ…問題は、「衣装を作ること」ではなく、衣装の題材の方だった。

パッと聞いてさっぱりわからなかったことから、丁寧に説明する喜多川さん。

ただ、悲しいかな美少女ゲームのタイトルがアレ過ぎて語れば語るほど、キョトンとする主人公。

しかし、自分の趣味もニッチな雛人形だったため、好きなものの話をする喜多川さんに心打たれる。

この様子を見た主人公は喜多川さんの衣装作りに本気で打ち込むことに。

 

とりあえず、喜多川がかわいい!!

もう、マンガ読みとしての練度が高い人は気づいていると思うけど…作者の相当なこだわりを感じるのは喜多川さん!

いろいろ基準はあるんだけど…とりあえず、語る前に言いたい!
これはかわいい!!しかも、確信犯的なあざとさとセットになっててずるい。

マンガ家が考えたギャルのイメージが、いい感じにギャルっぽい要素取り入れながらも、毒抜きされてるんだよね。

服をだらしなく着てる人って言うことじゃなくて、ギャルでありオタってことで、ギャルっぽい服装・アイテム好きだけど、着こなしはちゃんとしている…というね。

これは、女性のオタクより男性のオタクによくある特徴なんだけど、
・服装がシンプルで、アクセサリーなどの余計なアイテムはつけない
・髪は黒髪で、パーマやワックスはあんまりしない
・必要以上に肌を出さない。(男ならタンクトップっぽいものは着ない、女の人ならオフィスカジュアルみたいな服を着てる人が多い)
・服そのものをだらしなく着たりしない。
という感じになる。これの逆をやるとオタクっぽくない人が描ける。

喜多川さんってまさにこの法則に則してる上で、キチッとかわいい。
かと言って、実物のギャルや安易なギャルイメージにありがちな着崩して目つき悪くて怖いイメージは反映していないので、すご~くかわいい。

ファッションとしてのギャル、好みとしてのギャルっていうのが程よい塩梅で描かれてるのがいいね。

一件、何気ないお色気シーンに見えるかもしれないけど、これ体のサイズを測るために「下着だと主人公くんが困りそうだから、水着着てきたよ」というシーン。

マンガ的にはお色気シーンは付き物なんだけど…それだけに理由がない・作者がやりたいだけのお色気シーンも多い。
ただ、このマンガはその辺が全部理由があって、ムダがないところがすごい。

それでいて、「体のサイズを測る」ためという口実ストーリーがあるからこそ、仕草が反映されてて洗練されたシーンが多く出てくる。例えば、このシーンだとバストを測ろうとしているわけだけど…それを理由に髪を結って腕を上げた良いポーズを描く方にマンガ映えさせている。

お色気要素や、キワキワな発言が多いマンガなんだけど、ストーリーにかっちり組み込まれる。
ムダになったり、脱線しているように見えるコマがほとんどない。

だから、一周目にストーリーを楽しみたいと思った時には、(話として脱線しないから)お色気が邪魔しない
一方、二周目以降は話自体はもう知っている時に絵を中心に見ても、(ポーズや仕草・表情がストーリーとかっちり噛み合ってるから)他の作品とは違うものが楽しめる。

それがすごい!!

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オタクなマンガに求められるところがヤバい!!

この作品を最初に読んだ時の感想が
オタクなマンガが求めていることを全部やり尽くしててすごい!!
というものだった。

具体的に言うと、

  1. オタクまたは、若者の気持ちや好きを代弁した主人公。
  2. 本質的には主人公に理解があるけど、表面的には手が届かなそうな別世界の魅力的なヒロイン。
  3. 作者が得意または描きたいジャンルが、読者の性癖や知的好奇心をこじ開けてくれる読書体験。
  4. 読んでいてストレスの少なく楽しめる構成や演出。

これはぼくの基準なので、違う人もいるだろう。
でも、ぼくの「これがしっかりしているマンガは推せる」という基準になる要素4つが安定してたから読んでいて楽しかった。
1つづつ当てはめて見よう。

オタクまたは、若者の気持ちや好きを代弁してくれる主人公
雛人形が好きで、自分の趣味が人に受け入れられなかった体験から表立って好きと言えない&友達ができない主人公。ジャンルは違えど、登場人物の魅力もコンプレックスも内向的なオタク気質から起因している。

本質的には理解があるけど、表面的には別世界の魅力的なヒロイン。
中身がオタクなのに、見た目や好みがギャル寄りのリア充という喜多川さんはまさにこれだと思うの。
日常系の作品でこれをキチッとキャラで出せるところがさらにすごい。描写や設定が具体的で、それらを絵に落とし込めてるから、魅力も個性もしっかりしてて好き!!

・作者が得意または描きたいジャンルが、読者の世界観をこじ開けてくれる読書体験。
これはコスプレの衣装製作の世界と、ギャル寄りの喜多川さんだね。
今回は喜多川さんの魅力を中心に語ったけど、ストーリー上ではコスプレがどうやってできるかを細かく丁寧に語ってる。

ざっくりと「緻密にやろうとしてる感じ」が伝わる一枚を考えた結果、これなんかがいいかな…。

当然、コスプレをする以上は360°どこがどうなってるかわかってないと衣装は作れない。

そのため、主人公は「ヌルヌル女学園」をやりながらメモを取って、本当にこの図を完成させてしまう。
これを作るためにゲームをしたり、これをものに買い物に行ったりするストーリーの肝になってるのだが…コスプレとか作ったことないぼくは「へぇ〜」と楽しく読ませてもらった。

好奇心が湧くような、新しい世界を開いてもらってすごく楽しかった。

・読者にストレスが少なく楽しめる演出や構成。

この作品の特にしっかりしてる部分はここ!
喜多川さんをかわいく描きつつもストーリーで脱線しない。
理屈っぽいコスプレの話も前後にコミカルな話やストーリー上重要なイベントをいれて一連の流れに組み込む。
もしくは、一回では理解ししにくい説明を別のところでより詳しく説明してわかるようにしてる。

読んでいて、とにかくストレスが少ない。
作者がやりたいことやマンガの中身がきちっと頭に入ってくる。

ここがとにかくすごかった。

キャラがかわいいとか、題材が面白いとか、そういうことはマンガと画像で何となく分かると思う。
ただ、読んだ後の気持ちよさって言うのは、読んだ人にしかわかんないからぜひとも読んでほしい。

このマンガには読んだ人にしかわからない魅力もたくさん詰まってるから。

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