ご当地餃子の奥深さ・難しさを「全国餃子祭りinかわさき」で体感してきた

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今、川崎市では「餃子につける味噌ダレ」を推す運動が起こっている。

この流れを加速させるべく、かわさき餃子舗の会は「全国餃子祭りinかわさき」というイベントを開催した。ただ…川崎を含めて6店舗分食べた感想としては「かわさき餃子が一番特色がなくて、美味しくない」という結論になった。

ご当地餃子と言いつつコアになるお店が存在しないことが大きな問題

しかも、ぼくが一番美味しいと感じた餃子が、神戸から出ていた「元祖ぎょうざ苑」というお店。


お店のホームページによると、神戸餃子の「辛めの味噌ダレで食べるスタイル」を考案した元祖であるどころか、日本の焼き餃子発祥のさきがけ的な店舗の1つだそうな…。(起源には諸説あるから断定はしてない)

そりゃ、ジャンルを作った店舗が自分で乗り込んできたら…そりゃ美味しいよね。

川崎のご当地餃子って、そもそもこの「核になるお店」が存在しないのが問題。
餃子本体は個々の店舗を尊重しつつ、タレだけを統一しようと代表者とメーカーが共同で作ったものなので…そもそもが違う。

だから、ご当地グルメとしてイベントに出ていく時に、核になる餃子のイメージがないから個性も出なければ、ダントツうまいというわけでもない。

そこが、一番大きな問題なんだよなぁ…。

ではなぜ、「川崎餃子は味噌ダレに統一して戦おう」ということになったか??

川崎市は中華の老舗が多い。
大衆食堂みたいな中華屋さんも多いし、何年も続く名店も存在し、ファミリー向けの健康中華にも面白いお店もある。

町中華全体をもり立てようとして、どこのお店にもあって、リーズナブルな餃子に目をつけるところまでは良かったのだが…川崎に餃子の消費を促すだけの大成功したモデルが存在しなかった。

辛うまの麻婆豆腐とか、通いなれた人には嬉しいにんにくの効いたチャーハンとか、そもそも熱気溢れるお店の居心地が最高にいいとか、それぞれに良さはあるから町中華が好きな人には川崎はおすすめしたいところだが…餃子についての核になる店舗がなかった。

いや、「ない」はことはないけど、お隣の蒲田には勝てるお店はなかった。
蒲田は羽つき餃子発祥の地で、このスタイルを根付かせた春香園・香楽園・歓迎(ニイハオ)という中心的な店舗が未だに「蒲田と言えば羽つき餃子」というイメージを浸透させている。

それどころか、歓迎に至っては川崎に2店舗も出して「川崎餃子なんて付け焼き刃は、安くて美味しい町中華を追求した我々には通用しない」と言わんばかりの対決姿勢。

結果、餃子本体を統一しても蒲田には絶対に勝てないからタレを統一することにしたわけだが…これもこれでご当地グルメとしては非常に弱かった。

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そもそも、ご当地グルメは歴史的な経緯でその形になった料理がすごく多いんだ!!

今回参加していた三重県津市の「津餃子」と、神戸餃子の2つを例にとって説明していこう。

そもそも、津餃子は給食としてスタートした巨大な揚げ餃子。(このスタイルになったのは、作るのが楽で、とりわけしやすく、なおかつでかくて子供受けがいいとかそういう理由だろう)
実際、子どもたちから大人気で、その後町おこしとして利用する声が上がる。

とはいえ、教育委員会がイベントに出向くわけにも行かない。
そこで、「まつぜんフードサービス」という会社が、津餃子をイベントで出店する際に、ちゃんと検査を受けて合格して、つぎょうざを出すイベントにはよく出てくるそうだ。
1985年から給食に出ているため、食べた人が大人になって「これを町おこしに」というのは非常に理にかなっている。

神戸餃子の方も歴史はある。
「元祖ぎょうざ苑」は戦後まもなくオープンしたお店で、味噌ダレ餃子のヒントはそれ以前に、創業者が中国にいた頃に日本人が味噌をつけて餃子を食べていたのをヒントに「味噌こそ日本人の味!」というところから、このスタイルになった。

加えて、神戸の南京町の中華街は元々は歓楽街でレストランが多い街じゃなかったので、キャリアが長くこのスタイルを根付かせた元祖ぎょうざ苑のスタイルで定着してる。
さらに、震災で中華店として営業できないお店が軽食テイクアウトをはじめたことで、食べ歩きのスタイルが神戸の中華街では取られるようになり、餃子の存在意義が大きくなる。

一大ブランドになったことでより美味しいものにしようと最近では、隠し味程度に神戸ビーフまで混ぜだすものだから…それはもうジューシーかつ昔から愛された味噌ダレで美味しい。

 

餃子の場合は、世間的にはそんなに知られていない雑学になるから「ふむふむ」と聞くことになるが、もっとシンプルなものもある。
福岡の長浜ラーメンを広めるきっかけになったお店が、鮮魚市場の近くにあったからすぐにラーメンが出せる細麺・かためのスタイルに落ち着き、それが主流になったそうだ。(現に、博多ラーメンの起源の1つとされる久留米ラーメンはもうちょっと太い)

町おこしなどを理由に政治的な側面を帯びる時期はどこかにあっても、文化として中心になった店舗や創業者のアイデアがきっかけで他とは違うスタイルが生まれ、それが美味しくて定着する。
歴史や立地から納得できる理由はなくとも、広めるきっかけになったお店がキチッと存在して、それが美味しいからみんな真似して町おこしする時にも食べ歩いて楽しいスタイルに落ち着く。

しかし、川崎餃子の場合は、お店が先にあって、タレが後からできちゃったもんだからかわさきみそダレ使われたり使われなかったり…そもそも、みそダレとの相性も考えられてなかったり…もうめちゃくちゃ。

同じく違和感を持った「仙台あおば餃子」もそもそもの中心的にはやらせたお店があるわけではなく、仙台市が「新名物」を作ってしまったお店だから…餃子としてはあまり美味しくない。(むしろ、お焼きのような印象をもった別の食べ物だった)

川崎の餃子をPRするイベントだったのに、蓋を開けてみると
むしろ、神戸の餃子が最高!津や博多の餃子も美味しい。浜松餃子はびっくりするほど美味しくはないけど食べやすくていい。仙台は美味しくはなかったけど、個性は感じられた。川崎は…普通の餃子に濃いめの味噌つけただけやん。
という状態になって、川崎的にそれでいいのかな?と思った。

B級グルメを特産物とか行政の要望で作っちゃダメだなぁ…と改めて思った。
下手に、庶民が普段から食べている分、ちゃんと美味しいものや個性が際立つものじゃないとダメだなぁ…と、食べ物で町おこしする難しさを痛感した1日だったよ…。

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一応Amazonに乗り込んでいるみたいです。ちなみに通販で神戸餃子を全面に押し出してがんばってるお店は「イチロー」というのが個人的にツボです。が、ネタよりも本家に近い餃子を味わってほしいのでこっちを推しておきます。

ついでなので、味噌餃子のタレも紹介しておきましょう。

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オリバーですよ…さすがは神戸市の企業だけあって、神戸の味噌餃子のダレを商品化してるあたりさすがです。

 

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