マンガ「ヒマチの嬢王」が本格キャバクラ経営モノですげー面白い!!

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まさかマンガワンの中で、このレベルの作品が出てくるとは思わなかった。

スマホアプリで連載されているマンガって、紙媒体の雑誌で発売されるものに比べると(キャリアがない人が多くて)なかなかいいものが見つかりにくいけど…これは久々に掘り出し物でよかった!!

これね…表紙の勇ましさとは打って変わって、中身は緻密な経営モノになっている。

「経営モノ」と言っても、中身がキャバクラなので、女性の着こなしの話やお金儲け以外の付き合い、さらには地方であることを理由に独特の生活感が出ている。

…実際、キャバクラを含めた水商売系の作品って六本木とか歌舞伎町を舞台にした作品が多いから
「地方で、経営者目線で、キャバクラマンガ」
ってなかなか斬新でなかなかないのよね…。

ちなみにどのぐらい地方かと言うと…すっごい地方。

鳥取県という時点でど田舎ということは分かると思うけど…「米子市」と言われてもわかんない人のために人口を書いておくと…15万人程度だね。

若い人がごっそりいなくて子どもと高齢者の割合が全国平均よりも多い典型的な地方。
神奈川県だと座間市ぐらいの規模感でくっそ田舎なんだけど…鳥取の中では大都市。
鳥取県の中では鳥取市に次ぐ都市であるものの、鳥取砂丘は鳥取市の方にあるし、貴重な文化財も近くの島根県松江市の方がずっと多い県外に住んでる人にはあまり縁のない都市。

そんな「キャバクラがある街の中では最も田舎であろう街」に、歌舞伎町の女王が降臨する…というお話。

主人公のメイク前のブサイクな顔が出まくるというユニークなマンガ

このマンガ…表紙とは裏腹に、一話の前半の段階で主人公のメイク前のブサイクな顔が出てくる。

これ、「何年も前の女王だから今はやさぐれてしまった」とかそういうことじゃなくて…家ですっぴんで冴えないままこたつに入っているシーンは何度も出てくる。

実際、彼女の美貌を売りにした話でもないし。
というのも、前半では日銭を稼ぐためにキャバ嬢になることもあるが、基本的に彼女は店長としてお店に乗り込んでいくお話だから…彼女はあまり美人に描かれない。

赤字に苦しんでいるお店の店長から店長の権利を剥奪して、店長になるというこの腕力!!

ただ、政治的にとか、金に物を言わせてとかじゃなくて…圧倒的な実力と売上、さらには技術的に圧倒して奪っている。

これは有能!!
裏方でも十分お店を見回して的確に指示を送ったり、お店の持ち主に的確に指示ができる実力の持ち主。

終始こんな感じなんだけど…ここをギャグっぽくそれでいてわかりやすくやっているため、専門外の人が見ていても面白い。

ギャグっぽくやってるというのは、最初に彼女のだらけっぷりやクズっぷりを見せることはもちろんのこと、指示の出し方に氷を使ったり、ズケズケ言ったり…そういうエンタメ要素も入れながらの部分が多いから理路整然としたとっつきにくいマンガになってないところが面白い。

 

キャバ嬢の服装の秘密

個人的に面白かったのはキャバクラ経営を題材にしたからこそオモシロイと思ったのは服装やファッション、接客を通じてコミュニケーション論にまで言及している点。

これね…正直、この題材でマンガ1つ作れるぐらいすごいテーマなんだよ。

服を着るならこんなふうに」というメンズファッションのバイヤーさんが書いたファッションを論理的かつリーズナブルにやるためのマンガがあるんだけど…これで言われている理論のキャバクラ版が、ヒマチの嬢王のファッション関連のコマ。

他にもキャバ嬢ならではというところは、服装から所得や職業を見抜く高い洞察力が垣間見られるこのシーン。

こういう観察系のシーンっていい作品の証で…いい海外ドラマや面白いと評判のミステリー系の作品なんかでよく使われる手法。

これが随所に散りばめられつつも、これ以外にも色んな題材で主人公の洞察力やアイデアが光るシーンがあって、マンガを読んでていろんな知識や観察眼が養われる。

「観察力の高い作品にハズレなし」は言い過ぎだけど…少なくとも、序盤の何回かは面白い作品が多い。
キャラ付けや作画・演技指導がキチッとしている作品が多くなるから、中盤終盤のストーリーはともかく、序盤は安定して面白い。

中盤終盤の面白さはキャラの面白さに加えて、ネタを膨らませたり、ストーリーの方向性があるけど…そこについても「地方から日本一のキャバクラを目指す」とか「地方のキャバクラ」とか「キャバクラというアングラな仕事」とか…まぁ、掘り下げる方向性が多いから、作品として膨らませ方がたくさんある。(実際、最新の話も面白い膨らませ方をしているから、そこも含めて楽しみ)

ジャンルがジャンルだけに好き嫌いあると思うけど…一線を画して新しい方向を模索している作品だから先入観を取っ払って手にとってほしいよ。
色んなことが斬新で、それでいて面白いポイントを抑えているからぼくはかなり期待してるよ。

あと、主役格の美人に描きすぎないマンガって面白い気がする。
欠点すら愛でられるような種類でかわいいキャラではなく、「5メートルぐらい離れて見てる分には楽しい。1メートル圏内だと大変だろうなぁ…」ぐらいの人をフィクションにする痛快さや面白さが描けている作品って当たり率高い気がするよ。

 

◆関連記事:緻密さや濃厚さが面白いマンガ

マンガ「アクタージュ」は深いのにどこか等身大なぶっ刺さりマンガだ!!!
ヒマチの嬢王は連載当時から読んでたから「待望の単行本」だけど…ぼくが11月中に読み始めたマンガで一番おもしろかったのはこれ。演技の話が表現や創作への考えとリンクしててすごい面白い。

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日常系ファンタジーマンガなんだけど…ファンタジーなキャラの設定の濃ゆさと、ファンタジーとは対極の生活感それぞれが面白いよ。

「服を着るならこんなふうに」と言われてもわからない人にこそ、このマンガを読んでほしい
ファッションを論理的に紹介してくれるマンガ。リーズナブルなものから服に興味がない人には手を付けないブランドものの話、体格やシーンに応じたファッションなど多岐にわたって解説してくれるから、このシリーズ集めていくとすごくファッションに強くなれる作品。

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