マンガ「絶滅酒場」のシュールさがヤバイ。中身と外見のギャップがすごい!!

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ブログでマンガを紹介している人の中でも「面白い作品しか紹介しない」という気持ちで、マンガを探していると…ついついツウ好みな難しい作品ばかり紹介してしまう。

 

いろんなマンガを読むと…定番の面白い作品よりもむしろ、自分自身が驚くような見たことない作品を見つけて、世の中よりも先んじて紹介したい…と考えるようになった。

 

その極地とも言える作品が…この「絶滅酒場」。

作者は人気マンガ「クロサギ」の漫画を担当していた黒丸さん。
クロサギが完結したことで、原案だった夏原武さんは「正直不動産」という作品を別の脚本・作画担当と組んで出して、黒丸さんは絶滅酒場を書いた。

これがすごくシュールな問題作で、面白いところを攻めてる。

開始2ページで大爆笑!こんなの見たことない!!!

ネタバレといえばネタバレなんだけど…開始2ページを呼んだ時にすごく衝撃を受けた。

問題の2ページ目がこれ。

「こんばんはママ~~~」
じゃないよ!!!

なんだよ、この空気。
ごく当たり前に、絶滅種のディアトリマが居酒屋に入ってくるって!!

ディアトリマなんて知らんだろうけど…このダチョウとペリカンを混ぜたみたいなよくわかんない生き物が普通にママさんと顔なじみってところが面白いよね。

 

しかも、内容が普通の居酒屋談義なのが面白い。

居酒屋談義の中でも古代種は健在。

 

しかも、ヒアエノドンがまた「ディアトリマを絶滅させた生き物」なので、細かいところに、チクチク絶滅種同士の関係性を織り交ぜながら、ごく普通のサラリーマン漫画のように仕上げてきている。

 

このシュールな温度差が面白い作品で…読んでいると癖になる。

「サラリーマンの擬獣化」と一言でスパッと説明できるんだけど…この一手間をかけることで見たことない作品に仕上がっている。

擬人化系コンテンツは世の中にたくさんあるが、擬獣化・擬物化は意外とない。

けものフレンズや艦隊これくしょん、ヘタリアのように、何かを擬人化したコンテンツはいっぱいあるけど、擬獣化・擬物化されたコンテンツが、普通の人間模様を営んでいる作品はなかなかない。

 

内容がサラリーマンの居酒屋での愚痴だろうが、OLの色狂いだろうが…それが擬獣化されてると思いの外面白く思えてきてしまうので、
マンガの演出力ってこんなにすごいのか!!
という、可能性を感じさせてくれる。

 

そういう意味では…ギャグマンガに近い着眼点で作られてる。
内容自体は硬派。コラムまで含めて、気になったところを丁寧に調べながら読むと、生き物の歴史や変遷がわかって、すごく面白い。

形式はギャグマンガなんだけど、内容自体は大学の授業に近い。
大学の授業の大半は生きていくのにあんまり必要ないこと。

あんまり必要ないけど…そこを掘り下げていくことが楽しかったり、表面上必要のないことも色々調べていくと使える知識につながっていく。

 

大学っていうのは、設備も教授もインフラ。
自分が質問したいこと・聞きたい授業にちゃんと答えてくれるインフラだからこそ、それを有効活用しようと思ってる人にはちゃんと実りがある場所。

特に文系の大学は、「有効活用しようと思ってる人」かどうかの個人の意識の差が生まれる。
ぼくはいわゆるFランと呼ばれる大学の出身者だが、首都圏の大学だったため、一橋大学で教えている先生がうちの大学に来たり、日米中を股にかける中国人の教授が教えてくれたりするから、設備や教授の面では、ほぼ差はなかった。

 

だからこそ、授業面ではほとんど同じものを受けているし、真面目に授業も受けているのに、学歴フィルターをかけて拒む日本企業には、怒りしかない…が、この辺の話はややこしくなるから、今度にしよう。

 

大学の授業に似たような知識欲を育てて、満たして、また新しい渇望を与えてくれる作品。ぼくがそういう作品を好きになれたのは、学歴フィルターに引っかかるしょーもない大学でも興味のある授業をしてくれる先生にはとことん食らいついたから。

しょぼい大学には就職を応募することさえ閉ざされてしまう日本社会に怒りを覚えると同時に、日本全体が高学歴になって知識欲のある人が増えたからこそ、大学や図書館でなくとも、マンガやアニメの中で新しい文化や知識に巡り会える

…そこにはとても感謝している。

この作品を通じて、感じて欲しい面白さはマンガ文化・学歴社会両方の成熟の上に成り立っている。
マンガとして色んなものを咀嚼して飲み込ませることができる演出力と、世の中の人が知識欲や好奇心を大事に持つようになったからこそ生まれた作品。

作品自体が語っているセリフ回しや情景はすごく古臭いけど、チャレンジしていることはこの時代までマンガが続かないとできなかったであろう前衛的な作品。

 

それを多くの人と共有できたらなぁ…と思い、この作品を紹介することにした。

 

個人的に、ツボだったエピソードは、絶滅種のみんながSNS事情を語り合うシーン。
あるあるネタであり、やり尽くされたネタ。でも、ビジュアル上は見たことのない不思議な構造になってるから…すごい。

 

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