個人的にすっごい癒やされるマンガを見つけてしまった!!
タイトルにパンチが効いてるけど…タイトルとは裏腹にかなりいいマンガだからぜひ読んでほしいです。
あらすじは?そもそも、どんなマンガ?
ジャンルで言うと「お料理マンガ」です。
ただ、お料理するのが女子小学生の舞ちゃんで、ご飯を食べるのが生活力皆無の高校生「タマちゃん」という変わった取り合わせです。
舞ちゃんはお父さんと二人暮らしなせいで、生活力があるけど父親とごはんを一緒に食べられなくて寂しい思いをしてたこと、昔飼っていたネコに似たかわいさをタマちゃんに見出していて…世話を焼くうちに、おかんの顔つきになります。
行き倒れしてたタマちゃんに晩御飯を振る舞った後に、「昨日引っ越してきたお隣さん」がタマちゃんだったことが発覚。
2人はまたごはんを食べに来る約束をして、1話が終わります。
この作品…細かいところが高度で、小学生と高校生で髪質が違うのを絵で表現してるんですよ。
女子小学生の髪の毛って細くて、女子高生の髪の毛は太いんです。
美容室のページによると、30歳を過ぎると女性の髪はまた細くなってパサツイたりするそうですが…女子小学生の髪の毛ってみずみずしくて大人ほど細くない独特の髪質なんです。
これを、女子高生と並んで描く時に描き分けてる感じがでてるので「これはすごい!」ってなりました。
百合っぽくもあり、甘やかし(バブみ)なマンガでもある優しい世界を描いたマンガなのですが…絵や設定が1つ1つしっかりしててクオリティが高く安心して読める作品なのが、素晴らしいです。
このマンガね…「料理」もかなりレベルが高いんですよ。
料理マンガを多く紹介してますが…「こういう料理がいい」という基準はあります。
このへんの観点で考えていった時に…「舞ちゃんのお姉さん飼育ごはん」は料理の完成度がすっごい高いんです。
特に1話がすごくて、ありそうで見たことない
「炊き込みご飯の焼きおにぎり茶漬け」
という絶妙なラインを攻めていたのです。
炊き込みご飯だけでも、焼きおにぎり茶漬けだけでも誰でも知ってるんです。
でも、「炊き込みご飯を焼きおにぎり茶漬けにする」と聞いた瞬間に…電流が走るんですね!
焼きおにぎりだけなら、焼きおにぎりの味は醤油or味噌です!
どんなに美味しいレシピでもせいぜい2種類で、だし茶漬けにすると言っても…家庭で手に入るお茶漬け向けのダシなんか限られてます。
美味しいに決まってるけど…レシピに広がりがないんですね。
でも、「炊き込みご飯を焼きおにぎり茶漬けに」といい出した途端に…炊き込みご飯なんて何でもアリですから、可能性は無限大になるんです。
さらにすごいのは「炊き込みご飯を焼きおにぎりにする」という発想が素晴らしくて、
「炊き込みご飯で一番美味しいおこげを、人工的に作るだと!?」
と、電流が走るんですね!
そして、そこにダシをとってお茶漬けです。
お茶漬けにするとなると、炊き込みご飯の種類によっては、ダシの方向性が色々変化がついて
「炊き込みご飯だけでも、焼きおにぎりだけでもマンネリする。両方の調理法をドッキングさせて更にお茶漬けまで加えると…1つの料理が余っても3回美味しいから、作り置きする時にもってこいなレシピじゃないか!!」
と、キュンキュンになったわけです。
1巻では「ありそうでやってない料理」をうまく攻めていて、2巻では、「失敗をリカバリーする料理」であったり、ベタな料理であっても、レシピの解像度が高くて「こうすると食べやすい」というのが丁寧に載っていた。
自炊ができるけど、料理が思いつかなくて続かない人は特におすすめ!
料理は愛情でも科学でもありません。アイデアです!
このマンガの料理はそこまで奇抜じゃない代わりに、色々なアイデアを提供してくれます。
飽きないで食べ続けられる一工夫・定番の料理を食べやすくするための変更点・失敗した時のリカバリー料理…。
そういうのが、自炊したり、料理レシピを求めてる人間にとっては本当に必要だったりするんです。
だから、料理本みたいな感覚で持っていても面白い作品。
ストーリーや関係性には百合や甘やかし(バブみ)な要素があってオタク向きである一方、料理のマンガとしても、オタクな男が料理を上手になるには程よいぐらいの料理マンガ。
「簡単な自炊ができるけど、料理が思いつかない」「料理が思いつかないから自炊が続かないし楽しくない」人には色々アイデアがもらえて嬉しいマンガなのがすごく気に入ってます。