まさか神戸牛ヒレステーキより高い七味唐辛子があるとは…驚きましたよ。
それが、「原了郭」という京都にある老舗のお茶と黒七味にのお店のもの。
一番高い木筒入りの黒七味はAmazonで買うと2200円します。
その中に入ってる黒七味はたった5gですから…1g440円、お肉などで目安になる100gとかになると44000円ですから…それはもう恐ろしい値段です。
いくらなんでも高い!
と思って…少し比較してみました。
神戸牛の…最高級部位!ヒレのステーキ肉…
これがなんと、1g71円!21384円!!…でも、黒七味のほうが高い!!!!
…念の為、魚介でも検証してみたのですが…
日本が誇る2大料理YouTuberである、たにやん・きまぐれクックが揃って太鼓判を押す高級生うに「おがわの生うに」。これが1g100円で、200g入り2万円!
生うには当たり外れが激しいため、レビューが低くて高い生うにもあります。
信用できるところで1g100円。とにかく高いところなら1g138円が最高です。
これでも、十分高いんですが…g単位なら黒七味の方が高いというからすごい話です。
…すいません、ちょっと話盛りました。
「原了郭」さん、本当はちょっとだけ良心的です。
入れ物なしの大袋(いわゆる、詰替え用)なら8g720円のやつもあります。
しかも、これはなら1g90円ですから…生うによりは安いです。
神戸牛より高いのは本当ですが、高級生うによりは安くお求めいただけます。
原了郭が、ブランド七味の中でも頭1つ抜けて高いのも本当ですが…いくらなんでも生うによりは安く買えます。
前置き(?)はこれぐらいにして…本題入りましょっか。
そんな高級七味ブランドが、まさかのポテチとコラボ!?
当然のことですが…ほとんどの人が使ってる七味唐辛子はこれだと思います。
別にバカにしてるわけじゃないですよ?
むしろ、庶民の我々は、七味なんかに金をかけるほど裕福じゃないんです。
だから、「日本三大七味」なるものがあることも知らないだろうし、3つ味比べしたツウな人も多くないでしょう。
そうなると…高級七味ブランドの原了郭サイドは困るわけです。
「感染症のせいで京都に観光客に来ない、若者が貧しすぎてSBの七味しか買わない。このままじゃヤバい!」
そこで、カルビーと組んで「堅揚げポテト七味味」という名前を聞いてもイメージが沸かないポテチを、全国の安いお菓子屋さんや、ドラッグストア、スーパーにばらまきました。
これが、俺が人生で食べてきたポテチの中でも、一番美味しかった!
ポテチなんだけど、黒七味特有の香り高さが、とても高貴!
食べると山椒の爽やかさとピリ辛がよくてですね…
七味だからこそ、青のりや陳皮も入ってることでポテチ特有のクドさを感じずに無限に食べられる!(※原了郭の七味は陳皮が入ってないが、SBややげん堀など関東の人に馴染みのある七味は、陳皮が入ってるところにあわせたアレンジ要素)
一見、
「何の味かわからないパッケージ名や、子どもも食べる定番お菓子で辛そうなイメージが先行するのはマーケティング的によろしくないのでは?」
と思われるかもしれないけど…これが、食べてみると逆!
のり塩味のポテチもあるし、爽やかなポテチ、ごま油仕立てのポテチ、辛いポテチも定期的に発売されてる。
だから、合わないわけがないんですよ!!
七味味ポテチというのは、ポテチ業界にある様々なポテチの味付けを結集したドリームチームなんだから、絶対に美味しいんです!
それでいて、山椒が効いてることによって、他にはない新しさもあります。
本場さながらの四川料理なら「花椒」は主役級の調味料。
だから、ピリッとしびれる体験をする機会は、都市部に住み、お気に入りの本場さながらの中華料理屋がある人は増えたかもしれない。
しかし、山椒の方はというと、元々が脇役。
さらに、うなぎの高騰で山椒をがっつり感じる機会も減った。
だからこそ、今「日本を愉しむ」というコンセプトで、爽やかなだけど、山椒がしっかり効いた七味味のポテチというのは、味がいいことに加えて、斬新でした
「発想は古いけど、味覚的には新しい」
「原点回帰なんだけど、本当はみんながキチッと見つめたことのない原点」
がポテチに表現されている感じが、素晴らしいと思いました。
…という感想を抱いて、原了郭を調べたのです。
そして、最初は値段に驚きました。
その後、興味を持って、他の日本三大七味や、Amazonで評価の高いブランド七味、SBの七味と比較して、もう1つ驚いたことがあります。
七味って…全部違うんやな
全部買い揃えようとすると七味だけで5000円前後という
「できなくもないけど、ちょっと高い」
「YouTuberみたいなことをしたい人が、お手軽にできる」
というお値段です。
…本格的に比較動画を作った人がいないので、よかったら是非やってみてください。
ちなみに、テレビ番組でも特集したものが残っていまして…ざっくりとした傾向を紹介してくれています。
この傾向は、日本三大七味や原了郭にも当てはまっています。
まず、やげん堀の七味。
ここは七味と言いつつ、唐辛子が2種類。
焼いた唐辛子を1つの味にカウントするのが特徴です。
さらに、他の七味屋さんにはない「大辛」「小辛」といった辛味が違うモノも売ってたり、やげん堀の公式サイトでは調合指定ができたりします。
他にも、七味の中身をバラ売りしてて「家でオリジナル七味が作れる」を通り越して、「自分だけの七味が家で作れる」「七味の好きなところだけ購入して好きなだけ味わえる」というユニークなサービスをしてます。
次に長野の「八幡屋礒五郎」ですが…ここにしか入ってない食材に「生姜」があります。
他にもSBややげん堀の七味に入ってないものとして「紫蘇(しそ)」が入ってます。
七味派生商品がかなり変わってて、
・ラーメン七味…ラーメンに合う胡椒やオニオンが入った七味
・七味ガラムマサラ…インド料理っぽい七味。子ども用のカレーを家族で食べてる時に、大人がこっそりカレーにかけて、自分たちだけ本格カレーを愉しむという面白いアイテム。(ちなみに、「七味ガラムマサラ」をベースにしたふりかけ「カレー七味」という商品もある)
など「本当に七味唐辛子のお店?」と首をかしげるようなメニューが並んでます。
そして、京都の七味家本舗ですね…
まず、陳皮が入ってないです。
そして、青のり・青紫蘇・白ごまと黒ごまという感じで、かなり香り重視な七味です。
変な商品としては「練七味」という生タイプの七味も売ってます。
「七味をうどんそばにかけるもの」という固定観念を、もうちょっとソースや万能調味料に寄せた形も模索している姿勢が、原了郭のポテチ発売に通じるところがあります。
そして、原了郭の黒七味はというと…七味家本舗に近いです。
白ごまと黒ごま、青のりといった京風七味ではおなじみのメンバーに加え、青紫蘇ではなく、けしの実が入ります。
…という感じで、全部味が違うんです。
日本三大七味で共通しているのは「唐辛子」「山椒」「(黒)ごま」の3つで、他はバラバラ。
同じ京都のブランドでもけしの実が入ってたり、青紫蘇が入ってたり、ぜんぜん違う。
そして、
「七味唐辛子という名前の調味料だけど、内容はかなり自由に決められる」
ということもあって、それぞれに老舗だからこそ冒険した商品もある。
これ…沼ですね…。
gあたりで考えたら、まぁまぁお高いので「こんなところにお金かけないよ!」という人も多いと思うけど…有名所の七味をあらかた揃えて味比べしても5000円前後ですから…がんばれば誰でも行ける沼です。
地味なテーマかも知れないけど、もし「マツコの知らない世界」とか「料理系YouTuber」の企画とかであったら見てみたいし、むしろ日本の伝統的な調味料なんだから誰かが比較検証するものを作って欲しいです。
同時に、むしろ「ポテトチップスとして、七味味」が定番になることで、各社違う味を追求したポテチと七味の味わいが楽しめるようなものを作ってもらいたいです。
…私も、家のキッチンや食べるところが広かったら、このネタで動画作りたい。
あと、「期間限定になってるポテチが定番化してほしい」という個人的な願い。
やってみたいことと、世の中に対する漠然とした願望…そして、わかる人にはわかる面白さ!
この3つが揃ったので、ニッチなネタではございますが、記事にすることにしました。