あなたのスタイルはインフラ型?それともB級グルメ型??

最近、色んなマンガ家さんにぼくの記事を宣伝してもらって気づいたことがある。
それは、「フォロワー数の多さは、マンガ家の実力や作品を手に取るかどうかとはあんまり関係ない」ということだ!

これはぼくがアフィリエイトをしていたからこそ気づいたことだが…作品について語ったものを読んで「よし、この人の作品を買おう」とファンが盛り上がる作家さんもいる一方で、いっぱい読んでくれるけど「ふーん」で終わってしまう人もいる。

かと思えば、作品自体はもう持ってるから買わないものの、別の作品を爆買してくれることだってある。
明らかに、作家さんによって「積極的なファン」がいるかどうかが異なるのだ。

それを見て気づいたことがある。
「もしかしたら、同じ仕事をしていても生存戦略は真逆であり、自分に向いてる戦略を選ぶのが正解なのかもしれない
ということだ。

1000円分ご飯をおごってくれる人がいたら、どんな店をチョイスする??

今のご時世では難しいが、昔「ブログ教えるから飯おごって」と題して、川崎に来てもらっては人にご飯をおごってもらっていたことがあった。

その時、ぼくは「せっかく川崎に来てくれたのだから、地元の名店に案内しよう」とリーズナブルで雰囲気がよく、うまいものを食べさせてくれるお店を探しては案内していた。

 

デートの時にサイゼリヤを使うのはマナー違反…とは思わない。
でも、サイゼリヤに人を案内するのはあんまりかっこいいことだと思わないタチでね…。

サイゼリヤが悪いという話ではなく、
サイゼリヤでは他人をもてなす気持ちや、自分がアピールする気持ちが伝わらない。」
という観点から、サイゼリヤで人をもてなすようなことは、ぼくは好きではないのだ。

ある種の見栄や仮面でもあるよ?
同時に、自分の全力のセンスや気持ちをぶつけて共鳴する人と一緒にやっていくのは大事なことだと思う。

サイゼリヤは一人かもう勝手知ったる人と行くのが楽しいお店。
特にぼくはアーリオ・オーリオとアンチョビキャベツを混ぜて食べるのが大好きだった。(アンチョビキャベツがメニューから消えちゃったけどね)

でも、世の中には「サイゼリヤに行くのが安牌」と考えている人もいる

ぼくは「高いものでなくてもいいから、面白い体験を人に提供できるお店に案内するのが人をもてなす礼儀だ」というのが、一般常識だと思ってた。
ところが、世の中にはそうじゃない人もいて、その人の考えを知ると「サイゼリヤに人を案内するなんて…」と罵りづらいところもある。

サイゼリヤに案内する人は3パターンいる。

1、無難でハズレではない
2、いつも通りのやり方をしているだけ
3、気心知れた相手と同じ感覚でもてなす

という3パターン。

アニメやドラマで「身の丈に合わない高級店に女性を案内する奴はだいたい交際にもその場でのやり釣りもうまく行かない」というお決まりのパターンがあるけど、これの逆がサイゼリヤなんだよ。

背伸びしないで、お店に左右されない話し合いをする。
お店での体験を重視しているのではなく、「場所を提供してくれたら、そこそこでいいよ」というスタンス。

世の中にはそういう人もいる。

インフラ型と、B級グルメ型という考え方

ぼくにまだ本を読むぐらいの勉強意欲があった時期に、子安大輔さんという人の「『お通し』はなぜ必ず出るのか」という本を読んだことがある。

この中に面白い画像があって、それがものすごく使えるから共有したい。(大昔に紙で買った本だから、写真撮影して画像が斜めってるけど勘弁してね)

同じように1000円ぐらいのお金を払うにしたって、我々にはB級グルメとして個人店の美味しいものを楽しむ権利と、インフラ型のどこにでもあるお店で安心安全な食べ物を食す権利があるのだ。

1000円あっても、その1000円で食べられるうまいものにこだわるか、そこそこの食事を安定供給してくれるお店を選ぶか…それは客の自由だし、お店の戦略によりけりなのだ。

 

ちなみに、本書ではそれぞれのお店の経営戦略の違いなんかを「東大経済学部→博報堂」というびっくりするほどのエリートな人が解説してる本でかなり面白いです。

インフラ型の作家さん、B級グルメ型の作家さん

で、なんでこの本を持ち出したかと言うと、ぼくが最近作家さんに対して感じてたことと一致するところがあったからです

「どんな本を買おうとマンガなんて600円前後。同人誌も1000円前後。
そして、そのマンガや同人誌を売りさばくのに、作家さんは知名度をあげてインフラになる人と、いい作品を突き詰めてB級グルメのように毎日来てくれる常連さんを囲い込んでる人とそれぞれの戦略で自分の作品を売っているのではないか!?
というものだ。

 

例えば、「かわいい動物に癒やされたい」「できる同居人に甘やかされたい」という需要は老若男女問わずある!
そんな需要を満たしているマンガに「デキる猫は今日も憂鬱」という作品がある。


これは、熱狂的なファンがいるかはともかく(※意外といます)、「嫌いだという敵を作らないジャンル」ではないだろうか?

 

一方で、「これはいくらフォロワーさんが増えても、マニアしか買わない。でも、マニアはすごく好きだと思う」と感じたマンガがせきはん先生の「ぜっしゃか!」だ。

今ではコレクターズアイテムになってしまったようなレアな車をイラストや解説コラム付きで紹介するマンガ。…このマンガ、恐ろしく完成度も高いし雰囲気もいいのだが…題材的には人を選ぶだろう。

 

…あ、【車のマンガが売れない】って話ではないよ?
頭文字Dみたいにブームしたり、社会現象になったせいで、実際の中古車市場でも86がずば抜けた高値をつけたりする…みたいなこともある。

 

基本、間口の広さや掲載する雑誌によって、「浅く広く」になる作品と、「深く狭くになりやすい」作品があるという話。(稀に深く狭くが想像以上にウケて、社会現象になるんですけどね)
同時に、SNSのアカウントも、間口が広い人の方が宣伝が売上に直結しづらく、狭い人のほうが熱心なファンによって爆買されたり、宣伝した人への仲間意識が強い傾向がある。

 

…もちろん、SNS上の人格や普段の振る舞い次第では「フォロワーも少ないし作品も売れない」「フォロワー多い上に作品もわんさか売れる」という例外はいっぱいあるけどね

 

 

イメージがつきづらいかもしれませんが、同人誌でもこの傾向は例外ではない。
「同人作品発祥なのに、オタクの誰もが知ってる作品・作家・スラング」は色々ある。

代表的なのは東方Projectと、伊東ライフじゃないかな。

伊東ライフ
伊東ライフがゲームしたりトークしたりするところだよ。伊東ライフはVtuberとイラストレーターとマンガ家やってるおじさんだよ。

男性の作家さんでありながら、バーチャルYouTuberとして大人気な伊東ライフさん…。

伊東ライフ先生の作品はそこまで電子化されていないからネットで知った人がみんな作品を手に取れるわけではなかったのですが…最も有名な同人作家の一人ではあろう。

 

追記:上のは執筆当時の話です。
伊東ライフ先生の過去の作品がDLsiteで売り出されるようになった今は違うのですが、それ以前は
・紙媒体を即売会や店舗で入手する
・Fantiaのファンクラブに入って月額制のファンとして応援する。
・過去に作った数千円の美少女ゲームを買う
など、ファンを広げる活動のスケールに対して、手軽に作品を手に取れない作家さんでした。

過去の作品が、電子書籍を販売した時には今まで応援しようにも敷居が高いと感じていたファンの人達も手に取っているため、「知名度を上げる」という戦略だけでなく、熱心なファンを育むのも上手な作家さんとして伊東ライフ先生は知られています。

 

一方で、同人作品大好きな人が「知る人ぞ知る」という名作もいっぱいあり、それが逆輸入的に盛り上がることもある。

有名所は天原さんだろう。

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アニメ化からすぐに放送中止で話題になった某作品の原作者。

伊東ライフ的なタレント的な面白さ(Vtuberしたり、ガチャに重課金など)ではなく、むしろコツコツと作品を積み重ねて評判が評判を呼んでマンガ家・原作者としての地位を確立していったタイプ。

 

どちらが正しいというわけではないが、やり方は色々あるのだと作家さん達を見てると思い知らされる。

 

作家や経営者じゃなくて、すべての仕事をする人は自分が「インフラ型人材か、B級グルメ型か」を考えるべきなのではないか??

この法則に気づいてから、

ビジネスモデルにも作家さんにも【インフラ型やB級グルメ型】があるなら、ほとんどの人は自分に向いているビジネスのやり方で取り組まないと成功しないのではないか?
と考えるようになった。

 

もちろん、業種によっては「インフラ型」にしか働けない仕事もあるだろう。
お硬い仕事や、こだわりよりも手続きが占める部分が多い仕事は、B級グルメのように働くと大変なことになるかもしれない。

実際問題、学校とは公務員という「インフラ型」で働いている人達が考え、運用している仕組みだから仕事をすること自体も、サービスを利用すること自体も当たり前。
そのために個人的なこだわりやファンの感動よりも、たくさんの努力やルールを守ることを優先するように教育されるから多くの人は「働き方はインフラ型でなければならない。特に世間体のいい仕事は」と考えがちだ。

ところが、人間には向き不向きがある。
それをうまく行かない人は、最初からそういう仕事を選ばない方がいいのではないか?とも考えるようになった。

同時に、「インフラ型」を前提とした働き方は万能ではない。
【ルール通りやれば仕事が回る】【努力すればするほど知名度が高まりモノが売れる】みたいな考え方は、誰もが一家に一台…いや、何着?そもそも、家がないと生活できないとか、『絶対に生きていく上で必要なもの』の方が効力を発揮する働き方である。

 

しかし、飲食店やマンガなんて別に読まなくても行かなくても生きていける。
だからこそ、「努力で知名度を上げて売る」「多くの人にリーチする作品を作る」みたいな発想が必ずしも正しいとは限らない。
手にとってもらうためには知ってもらうことも大事だが、共感・感動させてリピートしてもらうことがもっと重要である場合も多い。

人の作ったものを広告宣伝する人や、販売する人も同じことが言える。
定番のアイテムか、知る人ぞ知る良品を売るかで当然違う売り方が求められる。
それこそ、アイテムのピックアップの段階で「自分はインフラ型人間だから定番をみんながわかるように抑えよう」とか、「自分はB級グルメ型だからこだわりの逸品をファンに愛される形で取り上げよう」みたいに考える必要がある。

売るもの・やり方が違うなら、そこに向き不向きな人材がいるのは当たり前だ。
そこで大事なのは、自分のタイプがわかんないまま仕事や会社を選ぶとみんなにとって不幸になるという話だ。

 

まぁ、さまよってる人は多くてですね…
「自分はB級グルメが大好きだが、働き方はインフラ型に向いてる」
「インフラ型の仕事に就きたかったが、自分の気質がどう考えてもB級グルメだった」
みたいな人は、成功をつかむのに回り道しやすいし、自分自身がそうだった。

…今はこんな粗暴なブログを書いているぼくだが、小学生の時は父が自分よりも遅く家を出て夕飯を食べ終わるかどうかぐらいにはうちに帰ってくるのを見て「父のような一流のサラリーマンになりたい」と将来の夢に書いてたぐらいだ。サラリーマンなんて企業と職種を選ばないとほぼほぼインフラ型になってしまうから、向かない人にはとにかく向かないのにね…。

 

逆に、「インフラ型なのに、B級グルメへのあこがれが断ち切れない人」は女性に多い気がします。
仕事が卒なくこなせるけどどこか満たされないから、色恋に走ったり、創作してみたり…それらも有能だからそれなりにはできちゃうんだけど、まだまだ満たされないからさまよい続ける…みたいな人は女性に多い。
だから、ブログで人気が出る若い女性は有能で他の分野でも優秀だったり、会ってみると意外と美人だったりする人は多い。

…逆に、年配の人や主婦ブロガー・専門ブロガーさんは「B級グルメ型」なくせ者はいるけどね。

男の人はすっぱりと二択。
「B級グルメ型」な人はいかにもなオタク、「インフラ型」は好青年だけどやり方がアコギだったりするイメージがある。(インフラ型と割り切れてる人はアフィリエイター寄りで、割り切れてない人ははてな民に多い気がします。はてなブログ・はてなブックマーク問わず。)

ちなみに、B級グルメ型のダメ人間率は高いよ。(ぼくも含む)
ただ、ダメ人間でもダメ人間なりに生きてるし、自分なりのこだわりや面白いことがあるからこそ、「自分に向いてることに気づいた時に、チャンスがあるぞ!」と伝えたいのと、実際問題ちゃんとチャンスの一部をつかむできごとがあったので、この記事を作りました。

 

まぁ、いいことがあったのと、その「いいこと」で自分のやってることに自信が持てたから、仮説を形にしたくてこれ書いたってことです。…はい。

 

 

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