ロボットSF好きなら「永久×バレット 新湊攻防戦」を読もう

スポンサーリンク

まだ1巻しか発売されてないのに「すげー面白いじゃん」となってる作品があるから紹介したい。

タイトルで「舞台が富山県の新湊地区(旧新湊市、現射水市)」と気づいた人はかなり地理に詳しいor地元民だと思います。

ぼくは元神戸市民だから「湊川神社」から「湊」という文字に変に神戸を意識しちゃうクセがあって興味をそそられて読んだら「富山県にもこの漢字を使う地名があるんだな」と知りました。
神戸は港町だとよく言われるし、地銀が「みなと銀行」だったり、湊川公園・湊川神社があったりして…神戸出身で地理や歴史好きな人は「湊」という響きにキュンと来るんですよね。

そんな個人的すぎる胸キュンポイントでとりあえず手にとって見たところ…思わぬ掘り出し物だったので、読むことにしました。

あらすじ

世界中の都市で同時多発的に怪獣を名乗る何かが襲来したんです。

「永久」と書いて「トコシエ」と読みます。(ちなみに、変換で出てくるのが、ちょっと感動します。)

主人公は色々あって片田舎に引っ込んだ地方公務員の「才崎護」。おそらく、アラサー。
8年前の怪獣たちの襲来によって、自分の人生が色々めちゃくちゃになってすっかりすさんでしまっていた。
一人いつものラーメン屋へと足が伸びるが…ここで、怪獣と名乗った女の子とまさかの邂逅。
彼の人生は再び怪獣や、怪獣を追う組織に振り回されることになっていく。

 

ドローンやAI技術がガッツリ出てくるロボットマンガ

「ロボット作品には男の子の夢が詰まってる!」

と言えば聞こえがいいのですが、意外と時事ネタっぽいところがありまして…かつてはガンダムやドラえもん、古いところだと鉄腕アトムなど原子力を動力とするロボットがいっぱいあったんです。

そこから原子力に夢を見る時代が終わったり、もっと登場人物重視になるとエヴァンゲリオンみたいに主人公の感情や才能・適正で動く系のロボット作品が増えたりしていきます。
ガイナックス作品自体がロボットアニメ好きから「ゲッター線」とかよく言われるんですけどね…とにかく、エネルギー源に実在する科学技術を盛り込まないロボットアニメが増えたりしてました。

 

そして、また最先端技術で盛り上がる時代が戻ってきた昨今だと、SFっぽい作品にSNSの雰囲気が入ったり、ロボット系の作品にドローンやAIが入ってくる…という歴史の流れがあります。

 

そういう意味でいうと、この作品はまさしく今の最先端なんですね。

主人公などトコシエに対抗する人間たちは戦える「ドローン」の使い手ばかり。

一方で、国家や政府に広く浸透している技術はAI技術を用いたものが多く、AIの操作を得意とするトコシエには

で、ドローンやAIが出てくるとなにが面白いかと言うと…
戦略性が広がることによる先の読めない展開
卓越した能力を、お金や医療の力で手に入れるなどバックボーンが様々な人間が争う
というロボット作品ならではのメカニックな面白さに加えて、SF作品らしい自由なアイデアや近未来的な技術や謎の組織が出てくるロマンがあって面白いんです。

 

…と言ってみましたが、ドローンが一般化した2010年以前から、マニアの間では30年ぐらい前から知られた技術ではありました。
しかも、海外の技術のように思われがちだけども、今のドローンの先祖を作ったのは意外にも日本のキーエンスだったりします。

技術的にはマニアックながら存在したため、ロボット系の作品でもドローンっぽい小型の無人航空機が描かれた作品があり、その中でも面白い作品が「FRONT MISSION DOG LIFE & DOG STYLE」の2巻〜3巻に掲載された「楽園の果実」シリーズです。

脳を手術して、小型偵察機と視点を共有したり、周辺の電子機器をハッキングして操作したりするというものなんですが…新湊攻防戦にもこういうキャラクターが出てくるのでまさしく「草分け的存在」だと思います。

 

10年以上前、ドローンが一般化する前の作品でこれをやってるのは本当にすごいことなので、よかったら読んでみてください。

怪獣の女の子のセリフがやたらとエモいのが好き!

個人的に、「このマンガを手に取ってよかった」と思ったのはこのシーンですね。

俺、このシーンで「このマンガは絶対化けるから読み続けよう!」って確信しました。
ぼくが、この作品を「ロボット作品」とだけ言わないで、SF作品と併記しているのもこの辺が理由なんです。

 

SF色強い作品には【人間の形をしてるけど、人間とは全く違う道理で動いているキャラクター】が付き物で、特にぼくが好きでよく引き合いに出す作品はそういうキャラがけっこう出てきます。

攻殻機動隊(GHOST IN THE SHELL)のプロジェクト2501、エヴァンゲリオンの渚カヲルや綾波レイ、黒の契約者の契約者やドール、ガッチャマンクラウズのベルクカッツェやゲルサドラ…。

大人の人間っぽくはないけど、逆に行動が一貫してたり部分的に詳しくも無知でズボラな部分があるところが子どもっぽくて逆に人間臭くて「いいキャラ」だったりするんですよね…。

 

実際、トコシエである彼女って…人間と『怪獣として』遊びたくて街を襲ってるところはありつつも、根っこではいいヤツだから憎みきれないんですよね。
恐ろしくズボラだから、人を誤解させるところまで含めて発達障害っぽいといいますか、子どもっぽいといいますかで…トリックスターでもあるし、愛すべきキャラでもあるんです。

ごついロボット乗りこなす怪獣なのに10号ちゃん、めっちゃかわいい。

10号ちゃんの笑顔が守りたいので、「面白そう」と思ったら手にとってもらえると嬉しいです。

 

 

 

 

スポンサーリンク
マンガ
tm2501をフォローする
青二才は振り向かない
タイトルとURLをコピーしました