紙の本なんてインテリアです。内容重視な人は隠れた売れ筋を電子書籍に蓄積してる!

 

違法でマンガが読みまくれるサイトを、子どもが利用しまくってるらしい…。
違法サイト『漫○村』が小中学生の間で流行っている…

リンク先のコメント欄や、まとめられたツイートでは、オタク達が「出版社をこういう人達が苦しめてるんだ!」とかなんとか憤ってるわけだけど…最初から新品のマンガを読む人、どれだけいるんだろう?

 

インフレした書籍はインテリアだから…。

マンガに限ったことじゃなくて、書籍はインテリアとしての側面が強い。
安く読もうと思えば図書館で借りるか、古本屋・コンビニ・ラーメン屋で読む、友だちに借りる…などネットの違法サイトを防いでもいくらでも読む方法は存在する。…が、それでも買う。

もちろん、面白いから買ってる人・読み返したいから買ってる人もいるよ?
だけど、マンガや書籍を買う人はファンとして公言・普及したい人や、自分の中で「制覇した・読破した」という気持ちを形にしたかったり…内容を読むため以外の目的であることがけっこう多い。

 

今、ワンピースを最新刊まで持ってる人や、堀江貴文の本を持ってる人なんかは、けっこうな割合で
「そういうインテリアが欲しくて買ってる人であって、読書家・オタクではない」
と思ったほうが色々納得できるところがあるのではないだろうか?

 

どっちも素晴らしいとは思うけど…堀江貴文なんて本を読まなくても本と同じような話を色んな所でしてるし、ワンピースもワンピースでCoCo壱番屋かブックオフ行けば読めるものをわざわざ買う!?…と、思ってしまう。

 

インテリアとしての価値を高めて、それを理由に買わせる出版社の戦略はある意味正しい。
こち亀が200巻あれば壮観だし、なんかそれだけですごくジャンプに詳しい人のように見えてしまう。

起業家本やもっともらしい自己啓発本が売れてしまうのも、インテリアとしての価値が高いからであって、買った瞬間にもうゴールしている人がいるからなんだと思う…。
情報商材がネットで調べればわかることなのに、ぼったくりでも買う人がいるのは、ボッタクリな価格を出して何かを買ったことで何者かになれた気分がするから…という側面もあるのだろう。

 

ここまで読んだ人は頭の悪い人限定の現象だと思うかもしれないが…頭のいい人でも「本棚インテリア論」に当てはまることはけっこうある。

女性をモノ扱いするチャラ男の部屋には村上春樹の本が置いてある不思議
紗倉まなさんの本棚に入っていた本を書店員が推測する。

「逆に」ですよ!?

逆に中途半端に頭のいい人に限って、本棚で人間をカテゴライズしようとしちゃうし、納得しようとしてしまう。

実際にどの程度読めてるかなんてわかんないし、読んだとして国語力が高いかなんてわかんないのに、すごく頭でっかちなことがハマる。

 

…ちなみに、私の母は本を買わない派の読書家ですが、芥川賞作家は全部読んでる。(嫁と口酸っぱく言われた)
…が、論理的思考がちっともできない人なので、「読書量なんか信用できない」と反面教師にするほど酷かった。

 

「芥川賞だからしょぼい。三島由紀夫賞やファウストを読め!」
といいたげな読書家に読書家という人間の評価をアップデートしてもらえる機会もあったが…こいつはこいつで酷い頭でっかちで、政治や経済、歴史やスポーツに対する教養がなく、哲学と読書だけに特化してるだけのインテリ崩れだった。

 

先程紹介した村上春樹についての記事にはこのような記述がある。

家にはナンパ用語でアルファメール(Alpha Male)感、つまりイケてる男っぽさを出すため『この人、知的なのにオシャレで素敵』と思わせるような小道具が並ぶ。ワインセラー、金融関係の専門書、タジン鍋にプロテイン。その中でも必ずといっていいほど本棚に鎮座しているのが村上春樹の本である。でも、村上春樹を家に置いたら、モテるか?むしろ「いい年して村上春樹って、お前の感受性は弱酸性ビオレかよ」とナイーブさをバカにされないか?
女性をモノ扱いするチャラ男の部屋には村上春樹の本が置いてある不思議より)

…意図的に本を置く技法も確立されてるし、それを読んだ人特有の傾向を悪く言うのではなく、内容から汲み取って「お前の感受性は弱酸性ビオレかよ」とまでいうやり取りが、オタクじゃない人のコンテンツの扱いの凄まじさを物語る。
女を口説くとか、口説かないという世界では、書籍への捉え方もすごいメタゲーム…愛を感じなくて寂しいねぇ…。

経済学部を出たぼくとしては、金融の本がそういう目で見られるのすげー悲しいし、そういう風に使われるのも悲しい。

 

金融の本がある本棚を見て「金持ってるから、体を当てて擦り寄っていこう」とか思ったバカ女どもに言いたい!!

経済学部でちゃんと経済の授業出てるやつって、社会科科目が大好きなオタクか、公務員志望者の真面目君と相場が決まってる。
そして、投資は金融は学ぶよりも、運用する上の自分が決めたルールや戦略を守ること・投資のために元手を貯める・儲けに手を付けないことの方が遥かに大事になる精神力の戦いだから、金融の本なんて基礎だけあれば、応用は二の次。

毎日毎日チャートとにらめっこする生活を数ヶ月続けたことがない大学教授よりも、インベスターZの知識しかないけどチャートとにらめっこする生活をして、経験しながら知識を微調整して自分なりの法則や戦略を考えてながら、守りながら動いてる人のほうが、投資は強くなる。

 

だから、金融の本ごときでお金持ちアピールする小金持ちは何もわかってないし、一緒にするなといいたい。
あと、ワンピース全巻集めてオタク気取りのやつもそう。俺からしたら90%は本当に面白いものを知らない連中。

 

ぼくが長期連載のマンガを紹介しないようにしてる理由

…ついつい、最近お熱な投資の話で、熱くなってしまった。

 

話を戻すね。

ここまで、
・漫画村などの不法サイトがあるという事実
・不法サイトがなくても、人気の作品・雑誌は割とシェアされがち
・それでも買う人の多くはインテリアとして買ってて、本当に作家や作品を全面的に支持して買ってる人は意外に少ない

という話をしてきた。

 

この辺の問題に、作家を助けたい出版社やオタク達はどうすればいいかという視点で語る。

 

ぼくの中で解決策は
「自分がブログで紹介する時、原則3巻以内のマンガ(例外でも、10巻まで)しか紹介しない」
ということ。
出版社であれば、インテリアとして売れるものをしぼってそれ以外の回転率を上げていくことが大事になる…と思ってる。

 

これは、実際に、マンガを紹介するときにやってるから、よかったら見てね。

マンガ

マンガを紹介しているカテゴリです。初見のための紹介から、古い作品の名言を抽出したものまで色々やってます。

今は新刊または「出て間もない作品の紹介」が中心。
ここにさらに、問題作に限っては「各巻の感想」を付け加えていく予定。
悶々と悩む恋愛マンガや、ホラー色の強いゾクゾクするマンガは「人と語りたい」という欲求が強いから、続編の感想や解説が活きてくる作品もあるから…。

 

「出て間もない作品が中心」と書いたが、その理由は
・インテリアとして部屋にマンガを置きたい人
・シェアされてるから新品を買わないであろう人
・不法サイトへのアップロードを避ける
・仮にアップされていたとしても、よほどのツウじゃないと読まないであろう作品を掘り起こす

と言った目的。

 

不法サイトで読まれるマンガのランキングを調べたところ…どれも有名どころばかり。
あるいは、「長期連載や映像化したことで急に気になったけど、実際のところそこまで興味を持たれなそうな作品」が並ぶ。
ぼくの中での定義は前者はワンピースやジョジョで、後者はウシジマくんとか福本伸行作品みたいなやつ。

 

そういう人はそもそも、ネットでマンガを調べて買う人ではない。
そして、ネットで調べないタイプの人が買うマンガはわざわざ買うような作品でもない(適当なところに行くとタダで読めると思われがち)。

だから避けてる。

 

実際、避けたお陰で、普通の本屋には埋もれていたであろう作品が、ぼくのブログではガッツリ売れることがある。
例えば、今年のナンバーワンで言えば、この作品。

多分、街の本屋なら置いてないであろう本だけど…これがガツッと売れた。
大きい書店ではメインには行かないであろう本だが…うちの場合、売れるからこれがメインで紹介され、さらにメインで売れてる。

 

マンガを扱うサイトの多くは、こういう「隠れた売れ筋」があって、電子書籍の世界ではジャンプ一強…ってわけでもないのかもしれない。と、最近思ってる。
電子書籍はインテリアにならないから、本気で読み返したい作品か誰よりも先に読みたいか、サンプルや連載見て気になった作品しか買ってないから、ジャンプが積み上げてきたブランド力とはまた違うものが売れてるのでは?と正直思う

 

ジャンプ式引き伸ばし連載をすると、インテリアとしての価値は高まる反面、どうしても不法にアップデートされるか、乗り遅れた人が違法サイトまたはブックオフで雑に読むだけの人も増える。

 

結局のところ、どっちが売れるのだろう?
目立たないけどコアを抑える隠れた売れ筋。
目立つけど、不法アップロードもシェアも多い人気作。

 

オタクは前者の作品に行けば、作者も出版社も救えるからそっちに行くべき。
でも、オタクが後者でがんばってる作品をも救いたいと思うのは、正直厳しい気がする。
そもそも読者層や付加価値が違うから…。

 

 

 

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