一昔前に、こんなことを言われたことがある。
青二才さんは、どこに出しても文句ない非モテだと思っていた
— 加野瀬未友 (@kanose) 2014年6月27日
おのれkanoseェ…と思ってたが、その時はまだうつ病でダウンしていて痩せたり、オシャレをしたりするだけの余裕がなかった。
それに、人に会わないからそんなに気にもしてなかった。
ところが…体調が良くなるにつれ、人に会う機会が増えた。
それも、自分のような「非モテのオタク」ではなく、男性女性問わず小綺麗な人に会うことが増えてしまった。
「このままじゃヤバい」
そんなことを頭の隅っこで考えながら、非モテオタクらしく有隣堂にマンガを買いに行くと…隅っこの目立つところにこんな本があった。
絵柄 が好みだったので、試しに気になってネットでサンプルを読んだら本当に面白くて買ってしまった。
原作者さん、作画さんそれぞれにサイトを持ってるから紹介。
MBさん 【最も早くオシャレになる方法】現役メンズファッションバイヤーが伝える洋服の「知り方」/ Knower Mag
縞野やえさん しましまの
とくに、原作者のMBさんは「ブロガー」と言っても差し支えないほどの人気サイトの運営者。
そのため、「ネットを見ている層がファッションで困っていること・求めていること」に理解がある人だ。
だから、非モテの僕にとってもすごく読みやすかった。
チャラくなりたいわけでも、モテたいわけでもなく…
小綺麗にカジュアルをこなしたいんだよ…。
オシャレなお店・街の中に入っていっても気後れしないような…オシャレがわかるぐらいにきちっとした人とお会いした時に、「見限られる」ようなことがないように…。
それをスーツでごまかすことなく、スーツぐらいガチガチな方向(ドレス)に偏りすぎずことなく表現したい。
この本は、そんな非モテの悩みをよく抑えている。
1巻では「オシャレじゃない人がしたい、知ってる方がいいオシャレ」を具体的に定義しながら、必要なテクニックの中でもお金がかからないものを少しづつ抑えている。
「オシャレにはお金がかかる」
「テレビに出てくる人や、ナンパする人にみたいに派手でチャラいのがオシャレ」
みたいな偏見・思い込みを1つ1つ潰しつつも…色彩や服選びなど「何を意識していくとオシャレができあがっていくか」という理論が描かれている。
しかも、主人公が持ってる偏見を潰すこと・オシャレの理論に関係すること以外は、脇道にそれずにオシャレの話をしてくれることがすごくいい!!
おしゃれの話以前の「体型」「キャラクター」「モテ」「カネ」など周辺環境・日頃の行いの話に脱線してしまうもの多い。(おしゃれな人、モテる人による説教が先に来て、理論という理論を聞く前にお腹いっぱいになる種類のコンテンツが多すぎる!)
下手をすれば、おしゃれの話をする前に疎外感を食らってしまうことでオシャレ嫌いになることもある。
でも、この本は違う!!
オシャレ以外に脱線せず、ゲスな話に走らず、「恥ずかしくないオシャレをする方法」をブレずに紹介していく位置取り・あくまでも「大人っぽく、お金をかけず」といったオシャレをオシャレが好きな人のものだけにしない敷居の低さが好きだ!
それも、進研ゼミの勧誘マンガを思い浮かべるような
「悩みがある人がいる→解決方法を与える→コツを覚えて実践する→自信をつけて振る舞いや行動が変わってくる」(調子に乗って失敗して、次はその問題や失敗からお話がスタートする)
というぐらいにシンプルな構成で書いてくれているため、本としても読みやすく、気持ちのいいモノに仕上がっている。
「マンガ」が持ってるわかりやすさ・目で見て違いを理解できるという、違いがしっかり出ていて、すごく好きだ。
そして、2巻ではオシャレに偏見がある人が「バカじゃないの?」と思っていることをきちっと説明する・批評した上で理論的に正しいことを示す方にシフトしていく。
コレもコレで面白い。
例えば、流行を先取りするために海外ブランドや、国内の高級ブランドを見に行くことであったり…
オシャレじゃない人には「ナルシストか、意識高い系」にしか見えない「ストール」というアイテムの役割とか…
ファッションに凝りすぎて、服を買いすぎてしまう人の心理や、価値観についてだったり…。
ノリとセンスが苦手で、知識として理解していく非モテ達はマンガか文字で理解していくのが一番早い!!
「ファッションなんかノリとセンスだ」
とか言われちゃうけど…そもそも、ノリとセンスで対応しないといけないことが苦手なんだよ。
こちとら寿司職人でも、クラブのダンサーでもないんだよ!!
そりゃ、
「ノリとセンスを身に付けるために、いっぱい失敗していっぱい恥をかいて練習しろ!それができない奴はそもそも理論だけ教えたって、付け焼刃にしかならない」
と言われたら、もっともだと思う。
僕の得意分野であるブログやオタクの話でもそうだ。
いくら「コツ」を教えても、結局は自分でブログを書かない人、考えながら作品を見ない人は技術なんか身につかない。
コツを使いこなすだけの練習をしない人・教えても要所を抑えてくれない人をこちらも「センスがない」としか形容できない。
かくいう私も、自分がブログを教えてうまく行かなかった時のことを愚痴ったこともある。
参照:【ブログ相談の裏事情】平等にチャンスを作っても…結果を出すべく人しか出さないんだよなぁ…
だから、ファッションやスポーツの世界で「ノリとセンスだ」という人の気持ちもわからないわけじゃない。
ただ…それは「教える側」の理屈。
教えても教えても表面的なことしか聞いてない人に「センスがない」としか言えないのは教える側の都合。
だいたいのものは言語化できるノウハウで作られてる。
ノウハウに触れた途端に面白くなって、努力をしてしまう人もいる。
そして、非モテでオタクな僕みたいな人は
ある意味で学問的に、
ある意味で口車に乗って、
ある意味でオタクらしく
読み物やマンガにされた理論・手段を読んで「ノリやセンスを手に届く所に置く段階」から始めなきゃ始められない頭でっかちな生き物だ。
しかし、頭でっかちなオタク野郎は「やる」と決めたら早い。
「オシャレを実践したい」
という明確な動機ができると、普段の筋トレにも熱が入るようになった。
筋トレで、1サイズゆるくしてから本で紹介されていたような黒のズボンを買った。
しかも、そのついでに買いに行った靴が気に入ってしまったため、人生初のファッション記事をブログに綴った。
参照:足幅が広い人がABCマートで靴を買うならSauconyをおすすめしたい
このマンガを読んで、センスとノリが身につくかどうかはわからない。
だが、「どこに出しても文句ない非モテ」をここまで突き動かす力がある本なので、同じ悩みを持っている人には「騙されたつもりで」「話半分に」読んで欲しいよ!!
・関連記事
オシャレに無関心な男に、母親や彼女が服を買い与えても無意味!!
オシャレに偏見があった頃の自分とか、オシャレせずに置いてきぼりになっちゃっうまでの過程を赤裸々に綴った記事。
身の回りに「似たような人」は必ずいると思うので、オシャレじゃない人・服に切られてるだけの人が何者かを理解したい人にはうってつけの記事だと思う。