違和感があるネタを見たから、ざっくり調べた。
簡単な検索とWiki・それと厚労省。ネットで調べる人なら誰でもやりそうな基本中の基本の調べ方でこの記事を書いた。(逆にこれさえわかんない人は、その基本さえやってないということ)
そして、ウィキで調べたらわかる基本事項書いただけで10人ほどにリツイートされた。
さっき「ニコニコニュースで生活保護費が上がるかもしれない」というニュースを見てたら、ツイートしてる人のほとんどがズレてて、気持ち悪かった。当初、生活保護への批判は不正受給・外国人への給付に関するものだったが、最近は保護そのものが批判されてる。不労所得と言われるが受給の半数は高齢者
— 三沢文也 (@tm2501) October 6, 2013
「意外とみんな生保について調べてないんだなぁ」と思い今に至る。
生活保護叩きという虚構
違和感を覚えた「生活保護叩き」に関するところから。
ニコニコニュースでの「生活保護」の記事。
→消費増税で生活保護費アップも 厚労省、年末までに検討 | ニコニコニュース
ここでは、現在の生活保護たたきのコメントを具体的に見る。…ニコニコニュースでのコメントから抜粋。
現金出すから色々問題になるんだ 現物支給若しくは現物引き換え券で良い
→現物支給にしても、「国庫が出る」という形は変わらないよ?
生活保護でパチやってる屑中の屑を処刑すればそんな必要無い事に気付くでしょ
→すごいこと言ってるなぁ…。
外国籍の人への生活保護受給をやめれば予算はその分浮くと思うけどね~
→議論に上がるのだが外国人の支給自体は全体の4%。南北朝鮮人が全体の2%強
だんだん働くのがアホになってくる今日この頃
→生保が「働けるのに働いてない人への不労所得」という前提があるようで、この手の意見は多い。だが、何度も言うように半数と再就職の難しい50歳が多い。
どんどん「働いたら負け」になっているね。保護受けたら人権なくなるなどのペナいれていいと思うよ?
→(缶コーヒーのCMの声で)この国は貧乏になると人権がなくなるらしい。
私も心が弱いガラスのハートでうつ病だから生活保護申請しよっと(^O^)/
→一番カチンときたのはこれ。なぜなら、俺が躁うつ病を患ってて辛いから「うつはうつでしんどいことがわかってたらコレ書かないだろ」と感じるため。
もちろん、まともなコメントもあるよ?「不正受給はダメだ」「外国人や難民まで保護する必要はある?」「政策全体としてこれはどうなんだ?」など過激な批判とは一線を画した考えももちろんある。
だけど、それは生活保護者の問題じゃない。政府・政策への批判、手続きを守らないことによる道徳的規範から生じるコメントであるべきだ。
ところが、個人叩き・建前さえ踏まえない「妄想」が横行している。
この記事上で取り上げられたコピペに対する批判は今の生活保護たたきの本質を表していると感じたから引用したい。
このコピペは具体的な事例どころか、建前としての生活保護にすら関係ない。単に労働していない人間への憎悪を表明し、自らの浅い世界観を露呈しているだけだ。
それでは次の話へ行く。法華狼さんの言う「建前としての生活保護」の話へ。
ニコニコニュースで一番多かったコメントが「働くのがバカらしい」で、その次が「現物支給にしろ」であった。これらのコメントを書いている人はどうも生活保護の数値でわかるレベルの話も理解していないらしい。また、問題の本質がどこにあるか、どうして生活保護が叩かれているかすら理解していないようだ。
厚労省のページは手続きの話が多くて、データを探すのに向かないからウィキペディアを参考に。
そして、特に見てもらいたいのはこの画像である。
ちゃんと検証・議論がなされているウィキペディアから。そして、データ自体は厚労省から。「ネットのソース不明確な落書きに比べたら、幾分か信用度の高いデータ」から。
生活保護をもらっている殆どの世帯は50歳以上だ。もっと言えば、60歳以上が半数を占める。大事なことだから2回言いますが、生活保護をもらっている人の大半は「再就職が難しい」50歳以上なんです。
「その他世帯」という枠組みは主に勤労世帯者の世帯だが…今回はあまり関係ないので割愛。(事情が複雑なので)
確かに、生活保護制度の趣旨として「自立を助長する」と言う記述があるが、「その他」以外に分類される高齢者・傷病・障害・母子・父子はそもそも自立が難しいから保護の対象となっている。
生活保護で現金を渡すことへの批判について
次に、生活保護を現金で渡すことに対し、批判が多いからこのことについて取り上げたい。
チケットや作業員を雇うことに言及する方もいるが、それやったらますます赤字になるよ?社会保障や生活保護者の増大が税負担を増やすことが問題であるはずだが、どうして「現物支給なら」と支出そのものは変わらないような世迷言が出てくる?(よしんば現物・用途に制限があるクーポンに支給を変えても、保護物資と現金を一定レートで変える人がいれば、それでタバコなりお酒は買える)
共同生活論も時々飛び出すんだけど…金かかるよ?ハコモノを各福祉事務所がある自治体に作ったら、それこそお金かかるよ?
そもそも、生活保護者のイメージが現状のように最悪であるとき、生活保護者の共同生活施設を各自治体がそれぞれに建てるとなれば…間違いなく反対運動が起こるよ?
そこまで考えて書いてないでしょ?小笠原諸島の離島にでも閉じ込めて自分に関係のないブタ箱ができて、それで万々歳だと思ってるんでしょ?…前時代的な妄想だよ。
さらに掘り下げよう。現行の生活保護に於いてパチンコをする人・酒やタバコを吸う人が批判されるが、それ自体は「報道」と言うミクロな情報でしかない。マクロな情報である「統計資料」を業界団体が消費する人の所得を調べ、ケースワーカーが保護費の使い道を出したわけじゃない。
まだ足りない!よしんば、報道の言うミクロが本当だったとしても、現行では「生保でパチンコとはけしからん」という批判自体が次のつぶやきで返すことができる。
生活保護費をどう使おうがそれは「不正受給」じゃないのよ・・・
— 洛 (@Daed_a_lus) October 7, 2013
うちのフォロワーさんが僕が言う前に、言いたいことを言ってくれました。
残酷だが、これが全てだ!例えば、西成区などを例に出して「生活保護が違法賭博に流れる」「保護費で薬物の売買が行われている」という報道があるが、それは財源の問題ではない。大阪府警の怠慢で、報道のミスリードだ。
健全な家庭と仕事を持っている人が吸う覚せい剤も、生活保護者なりヒモが吸う覚せい剤もどちらも「汚いものは汚い」ぜ?
お酒・タバコを規制する文言を設けた上で、地域や大型チェーン店でのみ活用可能な「生活保護用のクーポン支給に切り替える」というならわかるよ?でも、そのプロセスや想定を経た意見は僕のフォロワー達からは出てくるが、一般論では出てこない。
ただし、現行でも次のような記述もあるので注意されたし。
生活上の義務 – 能力に応じて勤労に励んだり支出の節約を図るなどして、生活の維持・向上に努めなければならない(第60条)。
明確な基準は書いてないけど、権限として、度が過ぎた浪費や不労には指導はできるみたいだね。
ごちゃごちゃ言う前に、何かしら参考になりそうなものを見つけて読めば? と思って、ニコ厨でも読めそうなマンガから推薦図書を1つ。
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レールの上にしか福祉がないけど、本当にやばい人はレールにも乗れない
心ない意見が横行した結果本当に困った人が福祉にも助けられない、人を助けるべき福祉が困った人を追い返してしまうケースも出てるのよね…。
その辺のところを考えて発言して欲しい所。
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