少なくとも、僕は初めてプレイするタイプのフリーゲームでした。
特にフリーゲームをたくさんやりこんだ人にぜひともやって欲しいタイプのゲーム。
・ゲームの概要
製作者曰くは「多職業・多スキルの実験的大味クォータービューSRPG」だが…ゲームのジャンルに詳しくない人はピンと来ないだろうね。
実在するゲームやアニメを例に説明すると
・スーパーロボット大戦シリーズのように立体のマップでキャラクターを動かして戦っていくゲームで
・「艦隊これくしょん」のようにレベリングのために同じキャラ・前のステージを何度も巡りながら最終面まで辿り着くタイプのゲームで、
・でも、「天元突破グレンラガン」や島本和彦作品みたくキャラが熱血で、理屈っぽい事が省かれた大味な設定及びストーリー展開
・でも、世界観のモチーフは「竹取物語」
というゲーム。ゲーム画面はこんな感じ。
ダウンロードはこちらから
https://www.freem.ne.jp/win/game/6882
フリーゲーマーには嬉しい2つの仕様
ゲーム自体の面白さは「スパロボっぽい」といえば、ときめく人が多そうなので僕からはもうちょっとマニアックな話。
商用のゲームにはあまりない楽しみ方がフリーゲームにはいくつか存在するが、特に象徴的なのが「ゲーム音楽」と「隠しステージ及び辛いレベリング」だ。
特に「ゲーム音楽」に関することは商用とフリゲでは大きく違う。
商用の場合、音楽が細かくアレンジされたり、ゲームの都度作られることがほとんどでポケモンならポケモン、マリオならマリオで流用がない。また、個別に抽出するのが手間で、あの曲を入れたいなんて願いがあってもなかなかそれがかなわない。(ネットに転がってたとしても相当探すのがめんどくさい。ゲームが手元になくて曲名が確かめられないなんてこともあるわけで…)
でも、フリーゲームの場合は音素材を作っているサイトから流用するため、別のゲームをやっていても、ゲームをやりこめばやり込むほどゲーム音楽を強く意識するようになる。
逆に、よく使われるゲーム音楽を使わずにゲームを作ると斬新に感じて、「この音楽はどこの音楽だ!」と気になって、スタッフロールにあるサイトをメモして飛んでいってしまう…ということもしばしば。
過去にもそんなゲーム音楽のエピソードを中心にゲームを紹介したこともある。
今回は音楽に対する思い入れ…もあるにはあるけど、それ以上に嬉しかったのは「クリア特典に【音楽室】が出てくる」ことだ。
商用ゲームによくある無味乾燥に音楽と曲名だけでもありがたいが、そうではない。
東方Projectのみたいに、BGMと使用したシーン・製作者の裏話とセットで数行のテキストがついていて、なおかつどこのサイトのなんの曲かまでちゃんと書いてある。
フリーゲーム界隈の楽しみの1つである「大好きなゲーム音楽を調達して聞ける、使える楽しみ」を、製作者がもっと楽しみやすくしてくれている。
というのも、「音素材のサイトからゲームで使用された音楽を探すのはとても大変」なんだよ!殺風景に再生ボタンと名前だけが並んだ場所の中からお目当ての曲を探さないといけない。
それもスタッフロールにサイト名が書いてあるだけで、サイト名が膨大だと1000曲以上からお目当ての1曲を探さないといけない危険さえ…。
せっかく素材がネットに上げられていて、いい曲があることを知っているのに、 ばかみたいに手間をかけないといけない…その手間がこのゲームのおかげ省かれていたのが斬新で嬉しい配慮だった。
作者は大味なんて言ったが、ゲームの作り方は緻密に考えぬかれている!
ゲームクリアについても「レベルに関する仕様が大味だ」とふりーむのユーザーは怒っているが、全くそうは思わない。
むしろ、ちゃんとクリアすればストーリーも対戦ゲームとしても気持ちよく終わってくれる。その結末に向かって全てが組まれているのが素晴らしい!
おまけ要素が楽しいゲームはたしかに多いよ?でも、おまけ要素が多いせいでシナリオの感動が薄れたり、おまけ要素が入り組んでいるせいでゲームをすることに義務感と惰性を感じてしまう弱点と背中合わせになることもある!
このゲームは本編とおまけの線引き・リミットがちゃんと示されていたから、終わるべき所で終わり、おまけ要素も一通りじっくり見たくなるものをまた別に用意する「区分け」がよかった。
いくら好きなゲーム・楽しい作業でもそれが終わらず、不毛だったらうんざりしてしまうよ。
段取りをこなして終わってもしっくりするエンディングが用意されてないゲームも少なくないなか、このゲームはちゃんと戦いのピークも感動も最後の最後にちゃんと持ってきてくれるのがとても良かった!(ただし、ラスボス前/ラスボスはルール違反な強さ!)
この組み立て方が「用意されただけ最高値を目指してしまう廃人ゲーマー」にとってはとても良い!
フリーゲームならではの配慮と楽しみ方…
・商用ではやりにくい「昔ならではの意地悪な難易度と手間」を程よく仕込み
・より密接にゲーム音楽を紹介してくれる音楽室を丁寧に作りこみ
・ついついやりこみすぎてしまう廃人や負けず嫌いに考慮した明確なエンド
これらがバランスよく揃ってる良作です!本当にアツいゲームです!
スパロボは一回だけ全クリまでやったことあるんだけど…面白いよ!
ただ、あの中のほとんどのロボットアニメがわかんなかった当時の僕はあの長い会話シーンやキャラシナリオがけっこう煩わしくて「対戦のパートをメインにしたゲームがあればいいのに」と思っていた。
そしたら、今Lunatic SAGAに出会えて、それがとても嬉しかった。
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