餃子のない栃木・宇都宮に何が残るというのか?

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桃太郎電鉄ファンの間では「餃子屋しかない駅」で有名な宇都宮。

栃木県北部には日光も那須もあるし、宇都宮も最近では50万人都市になるぐらいに栄えているのに…餃子以外何もないイメージが染み付いたかわいそうな栃木県。

でも、最近では餃子日本一も静岡県浜松に奪われていたため、実は「餃子さえもなかった時期があった」ことを僕は昨日知った。

ギョーザ日本一:宇都宮市が3年ぶりに返り咲き – 毎日新聞 ギョーザ日本一:宇都宮市が3年ぶりに返り咲き - 毎日新聞

餃子のない宇都宮なんて、レモンの入ってないレモン牛乳じゃない!(※実際には入ってないです。)

というわけで栃木県や宇都宮についてあれこれ調べてみました。

  •  餃子以外だとかんぴょうが売りなんだって

栃木圏全体で日本一のもの…として有名なのがいちごとかんぴょう、あとは食用ではないけど大麻が日本一です。(※大麻は麻布用)

いちごについては「とちおとめ」というネーミングと庶民的な価格のせいかかなり有名。だけど、メインで作ってるのは宇都宮よりも南側の地域だから「宇都宮のイメージ」ではない。

そうなると、かんぴょうだね。こっちは日本で98%のかんぴょうを栃木が作ってて、栃木県内ではかんぴょうが加工される前の野菜の状態で売られてる。おまけに宇都宮でもたくさん作っていてイベントもしているそうなので、「宇都宮=かんぴょう」のイメージは正しいかもしれない。

参考:かんぴょう剥き

 かんぴょうと言われても栃木県民以外はあの細長い形しか知らないのよね…用途も少ないし。

「大阪人以外は紅しょうがを主食で食べない」のと同じで「栃木県民以外はかんぴょう巻とロールキャベツのヒモ以外でかんぴょうなんか食べない」のが現実。

限りなくローカルな野菜なので、「日本一です」 と言われても、すごくニッチな産業の日本一にしか聞こえない。

もう一つ、ニッチな産業で宇都宮の売りを述べると「大谷石」という外壁用の素材の採掘地として有名だ。が、これもあんまり知られてないし、知られていたとしてもあまり発展性がない。和梨・洋らんなどでも有名なんだけど…まぁ、これも1位ではないし、餃子ほどポピュラーでもない。

…色んな可能性を考察したが、宇都宮にはやはり餃子しかないんだ!全国の大衆に向けてアピールできる日本一が餃子しかない。餃子がなくなるとかんぴょう・大谷石というすごく影の薄いモノになってしまう。

…それではまちおこしにならないから、必死で「宇都宮餃子」を売り込み餃子日本一をアピールしている。

「餃子日本一」を奪った静岡県浜松市なんか餃子がなくたって別に影が薄くならない。工業都市として有名でピアノについては全国シェア100%。なおかつ海産物でもうなぎなどで有名。おまけに人口は80万人…と宇都宮に比べると華がありすぎる!

必死さが違うよね~。宇都宮には餃子しかないけど、浜松には餃子以外でも色んなものがあるんだから!

これは栃木県の場合でも同じで、「いちごの栃木」のイメージ作りを必死でやり、なおかつとちおとめとは別に高級路線のいちごまで開発。官民一体でいちごを盛り上げてるのも、切実に「いちごで負けたら、牛乳で2番目。2番は負けの一番!」と気合を入れて福岡と出荷1位を争ってる。(これも、福岡はアピールポイントがいちご以外にもたくさんの特産品・有名な文化があるので、実はいちごで負けてもさほど困らない)

栃木全体では売りがないわけでもない

那須の御用邸、日光の東照宮など、北の栃木には観光名所にして有名どころがそれなりにある。南にはいちご、北には皇族の施設と将軍家の施設…と話題性があるものが県内でうまく散らばっている。

ただ、産業として「これが日本一です。世の中に知られています。」という話題性はない。例えば、生乳では日本で2番目。だけど、これは1位の北海道がその10倍以上の生乳を生産してるため、実は順位ほど大した数字ではない。これは野菜など

牛つながりで、「栃木牛」というのがいるにはいる。だけど、後発ゆえウィキペディアのブランド牛カテゴリには名前すら載ってない。九州と北海道を除けば、大量に牛肉を作っている産地であり、「ブランド牛」の中でも律儀に等級分けがされている(ある等級以下だと「とちぎ和牛を名乗れない」)徹底ぶりだ。

それなのに、後発でかつ「ブランド牛」という物自体ありふれているご時世に「とちぎ和牛」とか言われても全くありがたみがよくわからないのよね~

「ありふれすぎてありがたみがない」というつながりで、栃木県には「佐野ラーメン」という有名なご当地ラーメンがあるけど…これも東京ラーメンと系統が似ていること・ご当地ラーメン自体が群雄割拠しすぎていることから、何がありがたいのかがよくわからないのよね…

工業系は…すごいけど、やっぱり地味。

鉱物ではブロマイドと大谷石で有名。(※セメント原料のブロマイドは日本一)

歴史のある都市だけあり、伝統工芸品で複数有名なものもある。

でも、シェアの高い産業については…正確なデータが出てこない。ないことはないのだろうし、大企業の工場もたくさん進出してきているため、決して栄えていないわけではない。

歴史のある都市で、農業・工業も機能しているけど…決め手に欠ける。

現代的ではない「定番」の1つとして、埋没しつつある感じが否めない。

「2番は負けの一番」というのはある特殊部隊養成学校での名言なのだが、まさにその通りなのかもしれない。

東京向けに色んなものを作ってるけど、ことごとく日本一を群馬・茨城・千葉・埼玉などに取られて、これというお国自慢が…できない。ローカルすぎて誰もわからないものと、みんなが知ってるものの中間点がない。

知る人ぞ知る新しいものが生まれていたり、日本一になれずともブランド力で有名になったり…「戦略」の大事さを考えさせられるし、必死の戦略でいちごと餃子の日本一を守る栃木県の戦略も間違ったものではないと思う。

理想としては「メジャー」「ニッチ」「これから来るもの」が3つ揃ってると面白い。メジャーなものだけが売れてもその地域の話で盛り上がらないし、ニッチなものだけでは広がっていかない。これから来るご当地グルメや産業がないと報道もされないし、人々が手に取りその地域を話題にすることもないから「戦略」は難しい。

歴史が浅いけど、品質も評価され、都内でも食べられるとちぎ和牛がもっと話題になるといちご以外にも、そしていちごよりも明確にブレイクしていくのかもしれない。だから、栃木が盛り上がるためにも、とちぎ和牛はもっと話題になってもらいたい。

 

記事中でも言及したとちおとめに代わる高級路線のいちご・・・それがスカイベリー。これから話題になっていく兆しがあるので、貼っておきますね

参考:いちご王国・栃木県が「とちおとめ」の後継として開発した最強のいちご「スカイベリー」がすごい – NAVER まとめ いちご王国・栃木県が「とちおとめ」の後継として開発した最強のいちご「スカイベリー」がすごい - NAVER まとめ

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