昨日眠れなかったから「お願いランキング」さんを見ていました。
その中で、大物芸人が貧乏芸人を引き連れて高級店に行く「ゴチ」みたいな路線の「高級店で領収SHOW」という新企画がやっていたので、何がどう面白かったかを説明していきたい。
高級カラオケ店という題材がとても面白かった
何に興味をそそられたかというと、「高級カラオケ店に行く」ということに興味がそそられた。
高級キャバクラ・高級レストランと言えば、単純に「本業のクオリティが上がる」と想像がつく。女の子を美人に(または美人っぽく見える職歴のある子を雇ってみたり)すれば、お金が高くても納得できる。レストランにしても輸入のマグロを国産に…できれば、大間などのブランドマグロを使ったら高級になる…という想像がつく。そして、100円寿司ではロボットとバイトが握ってた寿司を何十年も名店で修行した寿司職人が握る。
でも、カラオケ店は…正直どうやって高級にするのかがイメージできなかった。
なぜなら、カラオケ店がどんなに高級でも自分の歌がうまく聞こえるわけじゃないし、既存の安いカラオケ店で特に不自由もひもじさも感じないからだ。
歌う上で十分な設備が揃っていて、音質マニアのプロか・楽器を持ち防音設備を必要とするバンドマンでも来店しない限り「カラオケそのものに関わるクオリティアップは必要ないよね?」という風に僕は考えていた。
そうじゃないんだ!「高級カラオケ店」と普通のカラオケ店の違いはその役割が全然違う。カラオケの設備自体は…見た限りそれほど大きな違いもなかった。
代わりに、ボーイさんが一人横について、おもてなしをしてくれるし、そこで通される部屋は…「革製のソファーに凝ったインテリア」でそれはそれはゆったりとくつろげる広々としたスペース。
部屋が広い事もあるし、何よりも部屋自体の付加価値が高いせいで、人数に関係なく部屋代は一律でかかり、さらに人数による別の負担もかかる。(そして、高級店でありがちな「サービス料」というのもかかる。ちなみに、僕の記憶の限り「黒茶屋」という奥多摩の料亭でしかこの「サービス料」を払うお店に出入りしたことはないよ!)
参考・黒茶屋
日本語では「奉仕料」という名前でサービス料のことを言うあたりがなんか感覚を刺激するね
さて、本題に戻る。料亭でも高級カラオケ店でも、サービス料が伴うようなお店になってくると「そこに来ること自体」が 重要で、そこが何屋なのかは正直どうでもいいのかもしれない。
お金持ち同士集まって下卑た遊びをするために「高級カラオケ店がある」ともイメージされる人もいるが、そんなことをするのはネオヒルズ族の田舎者だけ。そもそも、そういった「下卑た遊び」は安いクラブを貸し切ってワーワーやるもので、10人そこらの人数しか入らない高級カラオケ店の場合はそこで人と会うこと・何か大事な話や接待をすること自体に意味がある。
そういった会合する場所として、高いお酒と高級なサービス、カラオケ店とは思えない落ち着いたインテリアが備えられている映像はとても興味深く、お願いランキングという番組の底力を感じた。
ただ、ゴチ企画らしいいやらしさがなかったかといえば…あったので、そこも言及しておきたい。
おごりでも1杯1万円の酒は飲みたくない
一番印象に残っているのがルイ13世という銘酒を注文しておきながら、芸人が「量が少ない」だの、「味がわからない」だの言っていて、そのお酒の価格がなんとグラスで1万円もしたところ。
最も有名な自腹を切る番組は「ゴチになります」だと思うが、その「ゴチになります」と、お願いランキングの「領収SHOW」の違うところは「本人にも、連れてきた弟分の芸人にも身の丈に合わない贅沢を体験させる」というところにある。
「ゴチになります」に出てくる芸人は本当に料亭のようなところで食べ、お土産を買っても別に生活に差し支えなく払えるレベルの人しか出てない。
…つまり、ゴチになりますに出てる時点で「庶民」じゃないからあの人たちの必死さって僕らで言うところの「居酒屋の1~3万を誰が持ちます?」程度でしかない。
でも、「領収SHOW」の場合は生活レベルがそれほど高くない芸人が出てくる。そして、そいつらが贅沢の味を知らないのに、銘酒をガバガバあけて庶民のつたない感覚で一万円の銘酒や、20年ものワインを半値以下の予想をする。
それを笑う人もいるのかもしれないが、僕には強烈にわびしく思えた。
身の丈に合わない贅沢を自分の感覚で安く見積もるのはバカであり、罰当たりな行為だ。でも、自分が同じように銀座のお店に連れて行かれたら、絶対に1万円のブランデーの存在なんか想像さえできない。創造ができなくて、きっと同じように罰当たりに「味がわからない」とか「美味しいけど、(値段を見て)これはない」とほざいてしまうことだろう。
「言う」でも「述べる」でもない。「ほざく」だ!作っている人や普段愛飲しているお金持ち達から「ほざいてやがる」と小バカにされるような失言・勘違いをしてしまう庶民だ…番組を見てわかった途端にとてつもなくわびしくなった。
よく勘違いされるから言いたい。「お金持ちとはステータスとされる生活や贅沢を維持する人のことを言い、その価値がわからない時点でたとえお金を持っていても貧乏人と変わらない」よ。論外。
…別にベンツを買うぐらい一般のサラリーマンにもできるし、高級旅館や高級寿司屋だって入れないことはないし、ブランドバックも買える。
問題は何か自分がした贅沢を維持するだけの努力ができるかどうかだ!ピカピカで性能も維持された行き届いたメンテナンスがベンツやブランドモノの衣類・小物にできるか?高級な旅館や寿司屋のサービスの良さを理解して「もう一回来たい」と贅沢するために金銭面で努力したり、より贅沢を理解するために自分の味覚やマナーを磨けるようになるか?
実はそっちのほうが難しい。庶民は1万円の寿司を買うぐらいなら「インテリアが1つ買えた」「季節物の洋服が買えた」とほざきやがるし、そっちのほうがありがたがる。寿司職人からしてみれば凄く失礼な話だけど、そっちの方が庶民には価値があり、贅沢を維持する気がないのだから仕方がない。
高級カラオケ店もそう。歌うだけなら一般のカラオケ店で十分なところをとっておきのサービスと、飲食物に囲まれて「豪遊」したり、公私問わず大事な人と来られる落ち着いた場所で楽しめるようにしてある。…でも、それに自分の給料の1ヶ月とか、半月分とか払ってでもやりたいとか、給料を2倍にしてでもそこに来たいと感じる人は少ない。
考えて見れば、自分が属している「庶民」という階級にわびしさを感じてしまった。贅沢もモノの価値も知らない人が生産者や贅沢している人を頭ごなしかつ自分本位で罵る身分とはなんと悲しい連中か…。
こんなケッタイなことを考えた人は少ないと思うけど、見方によってはそういう深みのある番組にも取れる考えさせられる番組だったことを僕は高く評価したい。
テレビ嫌いの僕がブログ上で言及するということはなかなかない。是非とも今後もこのクオリティを維持して欲しいし、僕のブログを見てくださった方は来週のものを見て欲しい。奥が深かったです。
どうでもいいけど、ブルーかわいいよ、ブルー。昨日はピンクの出番が多かったけど、ブルーが好きです。