※このゲームはとってもめんどくさいです!楽しい人は廃人になって三日三晩遊びつくすほど楽しいですが、やりこみ要素が多すぎてめんどくさいゲームでもあります。
遊ぶ時は、中毒性に振り回せず、用法用量を守って正しくプレイしましょう。
前回、紹介したアクションゲーム「ジャンクエデン」と同じ人が作ったRPGが面白い(名作過ぎて、フリーゲームなのに手書きMADを作るファンがいるほど)と聞いて、そちらもやってみた。
このゲーム、この記事を最初に書いた2014年から
「フリーゲームファンの間では、基礎教養」
「ウディタ好きで巡り廻るやってないのはモグリ」
と言ってもいいぐらいには、すごく人気の作品でした。
さらに、つい最近(2021年7月11日)まで作品がアップデートされ続けて、進化。
しかも、DLsite内からダウンロードできるようになり、手に取りやすい環境になりました。
この作品は、はじめてプレイした2014年当時の、「良質な沼にハマっていく感じ」を中心に語っていく記事ですが、リライトするに当たって少しだけ最新情報に対応したことも書いています。
ゲームの概要
さっくり言うと、「4つの国を廻りながら冒険していく」というゲームです。
基本的にはこの3つの国をめぐるゲームです。
4つ目の国はあんまり人が住んでない場所だから、ゲーム序盤ではあまり行きません。
基本的には、3つの国を冒険行商するRPGです。
3つの国にある宝玉を集めて、世界を闇から開放したり、
逆に、人間同士が戦争する世界を平和にするために、闇に落としたり…というゲームです。
剣と魔法のファンタジー要素に、釣りや農業のスローライフ要素、世界を経済や宝玉のちからを駆使してコントロールする影の支配者要素を織り交ぜたゲームです。
この時点で、RPG好きな人なら気づいたと思います。
「あれ?それだと、RPG要素が薄っぺらくならない?」
「各国を行き来するんだったら、どうやってレベルの高い敵キャラを倒すために、レベルを上げるんだ?」
そうなんです。
「普通たくさんのステージがあって、ステージごとにレベルが上がっていくもの」
と考える人が多いんじゃないでしょうか?
ポケモンとか思い出してもらえるとわかりやすいですよね?
ポケモンは8つの街でジムリーダーを倒して、バッチを獲得しながら、よりレベルの高いモンスターを倒す…というのが定番です。
ポケモンに限らず、ほとんどのRPGはレベルに合わせてステージを行き来するようにできてます。
しかも、後半になるほど強い敵に当たることが大前提ですから、弱い敵にであったら、全部倒してました。
「ポケモンとかドラクエだって、逃げてばかりいると後で大変なことになる。RPGは序盤から弱い敵と戦ってレベルを上げるのが基本なんだ。」
巡り廻る。への予備知識が「やりこみRPG」という前知識しかなかったぼくは、他のRPGで得た知識を元にこんな動きをしていました。
しかし、これがドツボにハマる原因になってしまいました。
僕を人生で最も長い時間ゲーム沼に落とした作品
ゲーム沼に落とした理由は色々あるのですが…まず、言いたいのは【異常なほどハマった】ことです。
巡り廻る以前にも、大学時代にパワポケ10を徹夜でやりまくって、15時間連続ゲームしたことがある。
これだって、普通の人基準ならなかなか「廃人」っぽいゲーム時間だが…巡り廻るはそんな生やさしいもんじゃなかった!
文字通りの意味で「廃人化」した。
なにしろ、夜から夜まで連続24時間とかプレイして「あ、ご飯食べてなかった」とか言い出す始末になり、その後も運動・家事そっちのけでゲームにのめり込んでいる時間が5日間続き「やばい!どうしよう」と危機感を抱くレベルになるほどゲームから離れられなくなってしまった。
どうしてそうなったか?
もちろん、行商・釣り・冒険・世界観など、RPG以外の部分が面白すぎて、ハマったのもある。
特に行商要素は凝ってて、それぞれの街でレイアウトが違って、通りかかるだけで人の声が聞こえるような演出・朝昼夜と違う演出になってる。
大きくなってくると、自分の拠点を持って商売したり、寝泊まりしたり、近隣の畑を使って食べ物を作ったり(料理や武器づくりをしたり)と割と何でもできます。
加えて、冒険するうちにキャラと仲良くなってキャラシナリオを聞かせてくれます。
コレ自体は強さには関係ないんだけど…30人以上いるからけっこう遊べます
ここまででも、沼にハマる要素満載だと思います。
でも、初見のぼくが沼にハマった最大の原因は、そういうことじゃないのです。
巡り廻る。は何でもできるが、実はRPG要素が一番革命的!
「レベルに関する仕掛け」と「名声というシステム」が秀逸だったからだ。
まず、レベル。
…本作は同じ所をループする仕様になので、各種有名RPGにありがちな「レベルを上げて物理で殴る」というゴリ押し・力押しの考えは通じない。
なぜなら、「自分が倒した数に応じ、敵もレベルアップする」ため、「はじめのうちはレベルが低いから敵を倒しまくろう」とプレイをすると…装備やお金が貯まる前に敵が強くなってクリアが困難になる。
そのため、魔物に背を向け「無駄な殺生はしない」というプレイスタイルを身につけないと自分で自分の首を絞める結果になる。
普通のRPGでは、「めんどくさいから逃げる」ぐらいで無駄な殺生はたくさんする。
しかし、巡り廻るでは「無駄な戦いをしない」「でも、装備やお金は冒険で確保しないといけない」というプレイが求められる。
途中で、【何かがおかしい!】と気づいて色々調べた時に、
「すごい、こっちの方が冒険するゲームとしてすごくリアルだ!」
「考えてみると、冒険者といいながら他人やモンスターを倒しまくるバーサーカー(狂戦士)みたいなプレイスタイルを展開しながら、街では何食わぬ顔で人から取ったものを転売してるのはおかしい!こっちのほうが正しい」と衝撃を受けました。
おまけに、人の家にあるものでも勝手に取っていくのがRPGの定番です。
この辺も巡り廻る。だと「誰の家からでも物を取っていい」という感じにはなってません。
巡り廻るでは、人の家や倉庫(代わりの宝箱)から物を取ったりスリがバレると、名声が下がって賞金首にされます。(※このゲーム、スリもできます)
そしてある日、都会に出てくると兵隊から狙われ、冒険者にうかつに話しかけた日には「この賞金首め」と罵られ、賞金首の泥棒からは「仲良くしよう」と同業者扱いされます。
悪党になると城にも入れてくれない。かわいいグラフィックのキャラに「寄るな下衆」とか言われる。
もちろん、邪道プレイ限定のアイテムや装備・仲間もあるため悪には悪の楽しみ方もあるにはあるから、それはそれで「ゲームとして楽しむ」方法もありなんですよ?
でも、このゲームはゲームバランスで再現される「善悪」がやたらリアル!
本当に悪いことをした気分・罪悪感ある仕打ちを受ける。それが精神的に辛くなる感じ・悪党になったからこそゲームが難しくなったり、悪党なりに振る舞わないといけない感じが忠実に再現されててすごいんです。
もちろん、悪党にならなくてもゲーム
…いや、だって、ダンジョン内・廃村でアイテムを拾ったりする分にはいいのよ?
自作でアイテムを作ったり、釣り上げたり、育てたりする分には誰からも批判されないのよ?
でも、RPGでありがちな「とりあえず人の家を漁ろう」みたいなプレイは通用しません。
名声は善行(魔物退治などのクエストをこなすこと)で、上げることができます。
勇者様として認められれば、王様からご褒美がもらえる王道プレイもあります。
でも、普通のRPGに慣れていると悪人まっしぐらなので、「初見殺し」と言われてもおかしくないシステム。
僕自身も初めは攻略wikiを参照しても「何を言っているのかさえ理解できない」状態になりながら、やっと理解した時に【なんて凄いゲームなんだ】と感動しました。
2014年当時は、このゲームを5日間やり込んで止まらなくなってしまった。
その後も、善人勇者プレイ、悪人アサシンプレイ、善も悪も超越した隠し要素プレイなど徹底的にやり込み尽くして【思い出のゲーム】なんて思ってました。
ところがですね…「エターナルモード」というのができたんです。
今までは「(一部を除いて)土地を巡り廻る。」だったのですが、時間や世代まで巡り廻るになりました。
子どもを作ったり、世代を重ねて冒険を成し遂げたり、キャラが亡くなってしまうやりこみ要素の中のやりこみ要素が誕生しました。
こっちはまだできてないんですが…
「やりたいやりたいやりたい!!!」
ってなってます。
この作者は本当に、百発百中で面白いゲームを作る方ですから、是非やってみてください。
作者様のページ及びダウンロードはこちらからどうぞ
https://rebellionrpg.blog80.fc2.com/
ちなみに、このゲームを紹介する時に引用した「3カ国」についての画像は、作者様のサイトにある【巡り廻る設定集】の中の1ページから引用しました。
各キャラの設定を中心に手の込んだ設定集が無料でダウンロードできるので、巡り廻る既プレイの方もよかったら見に行ってみてください。
実は、巡り廻る。の作者がDLsiteに進出した時に、有料ゲームも発売しています。
もちろん、「面白いのが確定」「お布施」として見つけた瞬間に買いました。
もちろん、フリーゲームの巡り廻る。をプレイしてもいいのです。
これ自体がフリーゲームの世界で最強のタイトルで、大半の有料ゲームが裸足で逃げ出すほど面白いです。
でも、巡り廻る。ではおまけだった要素をもやりこみ要素として発展させてて凄まじいことになってるから
「どうせやるなら、フリーかどうかより、面白いかどうかだ!」
という人にはドラゴノーカの方をおすすめしたい。これは、すごいぞ!