けいろーさんが僕の100倍親切にまとめてくれたことを「ええい!野暮ったい」とおもったから、もう少し頭の悪い人が直感的にわかる書き方をする。
ちなみに、丁寧なけいろーさんの記事はこちら
無職になり改めて感じる「社会人」という言葉の曖昧さ – ぐるりみち。
「社会人」ってなんぞ?「会社人」じゃだめなの? – ぐるりみち。
出発点も調べたことも素晴らしいと思うが、ガチガチにデータや語源を調べた弊害で感覚的に「そうなんだよ!僕も、私もそう思ってたんだよ!」と言うには少し足りない気がするので書いてみたい。
確かに、この「社会人」というワードはマジックワードだ。
「大人」「正社員」ぐらい定義があって人々が憧れるものでもなく、「立派な社会人」は実像も存在しないのに、なぜか「それでも社会人か」と言われる。(多少、オツムがマシになると正社員・大人に差し替わるけど、本質的には同じ)
僕はけいろーさんほど親切でないから、資料で説明なんかしない!もっと人を怒らせながら語るから、明日の職場で上司に僕の言い回しで反論しないように!
村社会が理不尽を押し付けるために使う言葉
結論から言えば、「黙って俺の言うことを聞け」と「思い通りになる立場になれ」である。これは「ゆとり」「ニート」というフレーズについても背景がよく似てるが、社会人という言葉はゆとりやニートよりも更に曖昧で理不尽に用いられる。
例えば、労働しても主婦やバイトをそう呼ばず、経済・社会構造の中にいるはずの無職を社会人と呼ばない理由は思い通りにならない(サビ残もしないし、休暇に飛んできてくれない)ルールに従って動く人達だからであって、正社員のような運命共同体でもないからだ。
ちなみに、この「黙って俺の言うことを聞け」「思い通りになる立場になれ」は企業だけでなく、国もそう考えてる。
年金や納税について会社の定めたものを従順に払って先輩世代の年金を稼いだ分だけくっそマジメに支えている人が社会人で、主婦・学生・会社には縛られてない自営業・一次産業従事者など国の思い通りにもならず、損をするからちょっとづつ言うことを聞かない人はハブるような定義として社会人が存在してる。
そもそも「お金になるだけの仕事ができて、法令やマナーを守って人様に迷惑をかけなければいい」で済む話なのに、国がこんな訳のわからん図を作って社会人というべき論を押し付ける所が押し付けがましいとは思わないだろうか?
もうわかってると思うが、こんなの全部デキる人間なんかいない。なにより僕がこれを見て思い出したのは学校の通信簿だ。
テストができて、宿題ができていればいいわけのに、なぜかセンコーの主観で「あいつは人の話を聞いてる」「他の生徒と強調しあってうまくやってる」 とかもはや性格や発達過程に影響で本人の努力ではどうしようもないことにまで口を出してくるヴァッカみたいな成績表を思い出す。
大きなお世話だ。手のかからないいい子は問題を先延ばししているだけだし、手のかかる子は個性や劣っているのではなくそれは生き方を調整できたり、治せる可能性があるシグナルだ…と考えればもっと救いがあるが、日本の教育現場は絶対そう考えない。
山田玲司さんの「この国はスクールカースト後遺症の国」と述べたが、まさにそうだ。
彼の用いたのはモテ・非モテ論争での話だが、もっと広義に「学校の先生や部活の先輩など誰かに監視され、理不尽を言われながら一生を過ごし、また言う側にならないとこの国では美味しい思いができない」という辺りがとても学校っぽい。そして、言う側になれば「ゆとり」「社会人」「ニート」など定義があるようでちゃんと定義してないマジックワードで人を罵る。
さらに言えば、言うことを聞かないヤツは先生が問題児の烙印を押し、通信簿で親を交えた三者面談で吊して脅す。その大人版として、主観的に理不尽や要求を無条件に飲ませるために用いるフレーズが「社会人」であり、「ゆとり」であり、実態もなく「ニートになるぞ」とか脅すことなんだ。
これが筋が通った言い分、手続きならまだ許せる。ところが、指示者の上司と掛け合ってみると筋なんかなく、誰かの手柄のために「お前それでも社会人か」「なってない!説教だ」と言われるブラック企業に勤務した日にはもう何が何やらだ。(※経験談)
理不尽でもトップダウンによって「俺が預かる」「俺についてこい」という意味合いが混じる理不尽ならまだ許せる…。でも、この「社会人」という言葉の纏った理不尽はその逆である「そのぐらいやれよ」「口答えするな」「責任をとれ」の方なので、可能な限り関わりたくないものだ。
ニートの定義が曖昧な理由
理不尽に従わない労働者・高齢者・病人や無職、国が税金や消費のターゲットにしにくい仕事や業態を取る人を社会人とは別枠で呼んだり扱う以外にももう少し、この話には続きがある。
うちのブログで言うのは3度目だが、ニートと言う言葉はイギリスから日本に輸入した段階でかなり変化してる。
イギリスでは16~18歳の教育機関・職業訓練・雇用のどれにも関わってない連中のことで、日本にはほとんどいない人達だ。
で、日本に輸入されると15~34歳の無職の中でも「就職したいが、就職活動をしていない」「就職活動をしていない」人と定義が変わっている。
どちらも公的機関の定義であり、これはまだ優しい部類。
もっと酷いと「ニートを計算高くやっている」と思っている部類の人までいて、最近ではニートと無職を同意語に使う人と思っている人がほとんどである。
参照:「働きたくない人がニートやってる」と思ってる時点で勘違いなんじゃボケ!
「人手不足だから今がチャンスだ!ニートよ、働くんだ」
とか言われても、厚労省定義のニートである僕に言わせれば「せっかくここまで直した躁うつ病をまたこじらせる仕事をやったら今度は本当に困る」 としか言い様がない。
お金が稼げないのは不便だ。好きなものが買えない、人付き合いも最小限度になる(以前は人に会いたい、うちから出かけたいという気持ちさえ病気で失っていた) 生活を送ってまで、誰が「働きたくないでござる」というか…。働かないことは余程恵まれない限りは生きられない、生きてても病気や貧困や金銭に束縛されることと同じだ。
ニートの8割は何かしらの仕事をしたことがある人で、やむを得ないで働けない人がほとんどである。それを悩んでたり、克服しようと施策している人を世の中の言葉の定義も調べたことがない人から「ニート」と罵られるのは本当に嫌な気分だ。差別以外の何物でもない。
学生に「社会人になれ」「正社員になれ」という脅しめいたプレッシャーを与え、そうならなかったものはニートとかフリーターとか呼ばれて差別の対象になる。
冷静に考えれば、おかしな話だぞ?これを家族や嫁さんから「世間体が悪い」と言われるならまだわかるが、俺が働かなくたって別にネットユーザーは誰も困らない。ところが、「病んでる」「働けない」「回復はしているが、少しづつ体力をつけてる」と言っても「無職」というタグを付けて僕のブログをブーイングするユーザーが出てくる。(ちなみに、そのユーザーは最近アカウントが消えました)
僕への個人攻撃でなくとも、ニートの意味を履き違えた人からいわれのない理不尽を浴びせられる。
人を見下して罵るときの「バカアホマヌケ」の感覚でもっともらしい「社会人」「ニート」「ゆとり」なんて言葉が入る。そういう奴らに言いたいね。
「この世で一番恐ろしいのは見下して相手になんでもできると思い込んだバカだ! 」
学校でのいじめであり、親の立場を使った虐待であり、会社や上司の立場を使ったパワハラや嫌がらせ…社会人という言葉は人間のどす黒さなんだよね…人を見下せば、どんな罵り方や要求でもできると考えてるバカの卑しさと押し付けがましさ。
まぁ…明確な定義のない「社会人」や「ゆとり」も実は「何も言ってない(敢えて言えばアタマが悪いことだけを表明している)のと同じ」言葉だよね~