胸に引っかかるものがあるからチラッと書いておく。
僕の家の近くに居酒屋があって、僕はよくそこのランチを食べる。近いだけじゃなくて、地元でも最も良心的な価格でランチを出してくれて、しかも何から何まで自家製で仕込んだ手作りの味に惹かれて昼時にうちにいる時はよく利用する。(※ご飯大盛りにしてくれる上に、必ずサラダと小鉢がつくので、下手に俺が作るよりも安くて健康的に食事できるのがポイント)
今日は日曜だったから、平日に手伝いに来るパートさんがいなくて、大将一人で切り盛りしてた。ランチを作るのはいつものことだけど、配膳から片付け・接客も同時進行だったから僕がお店で注文した時には4人分のランチが待ち状態だった。
それでも、大将は淡々とランチを作ったり、丁寧に接客したりしてて
「ほとんど一人でやってて、めったに休まないのにこれだけ仕事してる大将は偉いな」
という気持ちで見てた。
大将が刺し身切ってたところに女性が入ってきて「客かな?」と思ったら、奥に入っていって荷物をおいてキッチン装束になり始めた。どうやら、バイトらしい…。
バイトにしても12時半か…また中途半端な時間に来たなぁ…。しかも、一人で切り盛りしてる関係で、表口から入ってきた人は客であろうがバイトであろうが大将は見てるのに、挨拶さえない。
大将も大将で声をかけないし、女性も女性でアイコンタクトも大将の姿を見る様子もない。
「挨拶は基本」など僕が書くまでもない。仕事できようができまいが自分が務めた職場で仕事入りの時にあいさつしない奴を見たことない。
僕自身、入りの「おはようございます」出るときの「お先失礼します」「お疲れ様です」辺りがちゃんとしてる人はそれだけで人間関係が円滑に進む部分はあると思う。少なくとも年配者や温厚な人ほどこれをきっちりやるかどうかだけで愛想が驚くほど違う人がいる。
もちろん、「仕事できないなりにできること」をやっても仕事で至らない所があれば言わないといけないのが指導役や上司の立場だ。でも、その時の口調が普段の態度によって違う。僕が言われる側の時もあれば、言う側の時もあったが、相手に対する評価次第で次のように態度を変える。(このトーン分けができない人は上司や指導係の才能がないので、一人で仕事した方がいい。そのぐらいの初歩)
「言えばやってくれるが、気づけてない人」
→中身重視で声を荒らげないで言う
「言わないと示しがつかないけど、その人なりに精一杯やってる人」
「空回りしてるのだけど、一生懸命やってる人」
→怒りっぽさにどこか申し訳なさを入れながら言う
「どう見てもやる気が無いし、できてないしやる気も見えない人」
→吐き捨てるように言う。何の後ろめたさも示さず露骨に不機嫌に。
で、ダメな人でも最低限度怒られ方が緩和されたり、職場の中での周りの空気から「一生懸命やってる人」に普通はなろうとする。普通はね…。肉体労働が付きまとうほどそういう同調圧力とみんなが頑張っているべきという空気が強い…。できないのは個人差あるから仕方ないが、姿勢だけはね…。
で、なぜこんな話をしているか?
それは変だと思ったパートの女性と大将の空気感が明らかに辺で、それでいて大将から漂う空気が濁り始めたからだ。
決定的だったのはパートさんが入ってきた時に大将が切ってた刺身定食を、パートの目の前で大将が運んでる時に手伝う様子も示さなかったところだ。
前かけをしてようがしてまいが料理が2つあって1つ運んだ際に受け渡ししたり、「同じ席ですか?」と聞くべきところを僕よりも干支一周分は置いてるおばさんは聞こうともせず黙々と前かけをして、大将もそれについて何も言わなかった。言わないどころか、ランチを客のところに置き終わった後もパートさんをほとんど無視さ。
「…(あ~これは相当悪化してるな)。」
僕は自分の竜田揚げ定食を待ちながら大将が露骨に不機嫌な姿に変わったのを感じ取った。
ランチを持ってきた時も、普段いるパートに比べたら恐ろしくトロいのね。
入って数日なのだから接客に緊張があるのはわからなくもないけど、「お茶入りますか?」とおかわりを聞いた直後にコップを探す始末。
空のコップを見て気づかぬ間にごく自然に注いでいる平日のパートさんと比べたらにぶいばかりか、コップが空だったから聞いたのではなく、マニュアルっぽく「聞かないといけないから聞いただけか」とわかり、げんなり。(気持ちはわかるけど…)
で、大将の不機嫌さで僕が食べ終わって大将特製の味噌汁を飲んでる時に事件が勃発。なんとバイトにキレ始めた。普段は料理を作り終わると夜の仕込みを黙々としているか、常連さんとしゃべってる大将が仕込みしながら少し大きめの声で怒り始めた。
「金もらいにきてるんでしょ」「お客さんいない時にすぐに座っちゃってさ」「掃除したりなんかしているなら『ああ頑張ってるなぁ』というのが伝わるけど、それじゃ…」と吐き捨てるようにあれこれ言ってた。
どこにでもトロいとか、つたないバイトはいるが、それにしたってここまで愛想をつかされてるパターンはなかなか無い。僕が知るかぎりでは末期症状か選択を迫られてるような状態。
お店の中でアレコレ言う事自体は好きじゃない。でも、この空気感になるのも仕方ないなぁ…と珍しく大将に同情してしまった。
もちろん大将が全ていいとは思わないし、アレコレ指導すべきだと感じる部分はあるのだが、入店時に挨拶もしないバイトが成長していくとは正直思えない。
僕が人様にアレコレ言うのもおこがましいよ?苦労なんかしないで済むならしなくていいさ。
だけど、自分が東京にいて色んな繁盛店でバイトしたり、厳しい環境で仕事したりした経験上「なんでこの年齢でこれができてないんだ?」「これだけキャリアがあれば…」という目で見ちゃうなぁ…。
どうせ笑われると思うが、僕も一応は病むまで仕事させられたり、家賃のことを考えて気が狂いそうな経験がある人だ。
お金とはなにか、仕事とはなにかみたいなものをぼんやりとわかって、儲かる・忙しいお店の空気感やそこに携われることに対して人一倍アツくなってる人のめんどくささとそれがないと儲からないことのジレンマは理解してる。
もちろん、自分が仕事ができるともすべてを理解してるとは言わん。ただ、いい年こいてそれぞれの人がどんな役割をすべき・しているかを俯瞰できないし、思いやろうともしない。…そんな人を見ると「お前は今まで何をしてきた?」と言う気分さ。
もちろんそこに正解はない。ただ、怒られたり雇われにくくなることはしかたがないのでは?
もちろん、雇われないからダメとも言わない。でも、その結果は受け入れて何がズレてるかを考えたり、自分はどうすればいいかは考えるべきじゃないかな?もしくは「自分に合わない場所に雇われずに済むにはどうしたらいいか?」とかね。
以上、ぬるい話でした
そういえば、久々にあった妹がニーチェ先生に対して
「ごちゃごちゃ言ってないで、働けよ!」
とぶった斬ってたのを思い出した。
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