なぜコンビニ全体の客足が離れてもセブンイレブンは勝ち抜くのか?

 

都会の一人暮らし故に品川区に住んでる時も、川崎市に引っ越してからもコンビニを散々使い倒してる身として、このニュースがとても気になったので言及したい。

コンビニの客足戻らず 8月2.4%減、増税で若者離れ コンビニの客足戻らず 8月2.4%減、増税で若者離れ  :日本経済新聞

元記事の見出しが「増税で若者離れ」から「増税で女性離れ」に変わっているが、そこはどうでもいい。

大事なのは記事中の

「前年同月比マイナスは消費税率が8%に上がった4月以降5カ月連続だ。」

という増税の影響が大きく響いていること。加えて、

「コンビニ大手5社の既存店売上高を前年同月比で見ると、セブン―イレブン・ジャパンだけが伸び、0.8%増で25カ月連続プラスとなった。ローソン、ファミリーマート、サークルKサンクス、ミニストップの4社は4月以降マイナスが続いている。」

と言う部分だ。

つまり、セブンイレブンのすごさを語ると今のコンビニ不況でセブンイレブンだけが克服している理由や論点がちゃんと見えてくるわけだ!

便利になりすぎてコンビニ自体のありがたみが減った

まず、コンビニ離れが進む現状を語る上で大事なことは「都心部ではコンビニやスーパー、薬局など生活雑貨・食品が買える場所が増えすぎた」という競争過多担っている現状から触れておかねばならない。

外食産業やパチンコ屋さんにも同じことが言えるが、人口自体は減り、所得も落ちてるのに、都心部では各駅・数百メートルごとに競合店がひしめきあってる

郊外や地方の駐車場付きの店舗ならともかく、都市部ではあまりにも店舗が乱立した結果として「用事によって使い分ける」人が増えた。

よく言われる言い方をすれば、「スーパーの方が安いからコンビニから足が離れた」と言われるわけだが…この言い方は足りない。

正確には、今までコンビニでまとめて買っていたものを隣の薬局やまいばすけっとのようなコンパクトなスーパーで買い分けるようになっただけ。

むしろ、コンビニの立地やインフラ化して食べ物以外にも用事がある分だけ商品さえ良ければ、近所にスーパーや薬局が安売りしていても、勝算がある。

ATM・公共料金支払い・ネットプリント・チケットや荷物の受取・宅急便…コンビニにはいい商品があれば「ついでに」買い物させるだけの客足や用事が集まってる!

清涼飲料水の高い・安いなんか枝葉の話だよ!

飲み物だけを買いたい人で、コンビニ並みの価格を払える人ははじめから自販機で買うよ!並ばないし、キンキンに冷えてやがるし!

 ぼっちにやさしいセブンイレブン

セブンイレブンが一人勝ちしている理由を語る上で大事なことは「清涼飲料水」でも最近始めたコーヒーでもなく、「どうやって便利さを活かしてついで買いをさせてるか」ということだ。

セブンイレブンの強みについて多く報じられているのは「商品開発力があって、セブンイレブンの自社ブランドの商品が美味しい」「冷凍食品のつけ麺が素晴らしい!」といった味を褒める内容だが…足りない!

大事なことはこれらのセブンイレブン商品がお一人様のサイズで、自炊するよりも、外で買うよりもリーズナブルでゴミも出さず、美味しいものが食べられることだ!

「一人向けの量に合わせた商品」について言えば、セブンイレブンはスーパーにだって決して見劣りしない。大きなスーパーしかない地域に一人暮らしした人からするとセブンイレブンの冷凍食品や惣菜は一人向けでかつ味もまともなので、夜中でなくても、弁当でなくともセブンイレブンで一人暮らしの人が買い物をする!

その方がコンパクトでムダ無く買えるものだってあるからね。

男女ともに結婚の年齢が30歳を過ぎてるご時世なので、ぼっちはとても増えてる。

そのぼっちに優しい商品から用事まで多くのことをセブンイレブンが面倒を見てくれるので、セブンイレブンはとても重宝される存在になっている。

一人で、料理もままならないほど狭い物件に住み、まな板を出したり洗ったりするのもおっくうな物件に住んでいるとわかる!

スーパーの生鮮食品のありがたみ・やすさよりもむしろ、一人分のおかずを包丁がいらないところまで半調理してくれてるセブンイレブンの方が親切だと!親切な上に廃棄率が減るから、家計にも衛生面でも優しいと!

他のスーパーでも大なり小なりやってるが、店舗を広め取って冷凍食品や加工食品のコーナーを作ったり、メディア戦略としてセブンイレブンの食品について宣伝や取材を受ける形でコンビニとしてではなく、お一人様や惣菜を買うようなターゲットに訴えかける力を付けたのがセブンイレブン躍進の大きな理由だと思う。

コンビニやスーパーが増えすぎた結果、お弁当・お惣菜・飲料水は変える。

でも、家で温める程度のお惣菜…それも一人向けに特化すると言うやり方はセブンイレブンならではであり、明確に強力な競合が存在してない(が、ライフスタイルが変化したことで必要とされる存在になってる)!

セブンイレブンを語る上で大事な視点はライフスタイルやコンビニ戦争の戦況に合わせ、コンビニのあり方を変えたことにあるのだ!

…ただ、一人向けにすると単価が下がることを心配したり、複数のターゲットが必要なイメージがあってお一人様向けのビジネスはなかなか成功しない。

元々、家族向けのサービスではないコンビニだからこそ、客足が確保しやすいコンビニだからこそ一人向けの商品の開発・力を入れたお店のレイアウトが活かされてる!

どこにでも真似できるわけじゃない「合わせ技」の存在はもっと注目されてもいいのではないだろうか?

ニーチェ先生~コンビニに、さとり世代の新人が舞い降りた~ 1 (MFコミックス ジーンシリーズ)

あとはコンビニというと若い人が働いているイメージがあるけど、セブンイレブンって年配者が働いてる割合が多いようにみえるんだよなぁ…。(逆にファミマは若い人が多いイメージ)

モスバーガーは意図的に年配の人を活用してるそうだが、セブンイレブンはどうなんだろう?

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