昨今、少子化がなぜ問題か説明する人をあまり見かけない。
一方で、「少子化が問題だから解決しないといけない」と騒ぐ人のほうが圧倒的に多い。
そもそも、何が問題なのか?
例えば、労働力不足を挙げる人が多いが、 本当だろうか?
社会を支えるのに必要な人手はデジタル化・機械化によって減少し、特に若者は仕事につけなくて困ってるぐらいなのに本当にこれ以上産めよ増やせよになる必要はあるか?

第1-2-8図 若者失業率の推移 – 内閣府
その考えは経済・軍事どちらの側面で考えても今や古臭い。
人数より技術やお金を効率よく運用できる人材が増やせるかどうかが明暗を握る時代。
特に経済については、今や8人の大富豪が世界の半分の富を握っているのに…。
参照:この8人の大金持ちは、世界人口の半分と同等の資産を持っている
子どもの数/人口が減ってもいい社会にもうなりつつあるのでは?
…そんな事を考えながら、この動画を見てた。
というわけで、今日は少子化問題について語る。
ニュースは優先度の濃淡を見抜くように見るべし
少子化とはただの現象であり、少子化自体が問題ではない。
では、少子化が原因で発生する最も大きな問題はなにか?
考えられそうな仮説をいくつか挙げる。
労働者・サービスが減る?
いやいや、今も失業率が高く競争が激しすぎて大変じゃないか!
少し減っていくぐらいの方が健全だろう。
消費(者)が減る?
大人も高齢者も消費者足りえるし、資産は相続される。
また、自国だけで足りなかったら海外からの投資や観光客を招き入れるように考え方を変えていけばいい。
消費者が減るという人の言い分として
「若者がいないと消費は増えない。若者は恋愛もするし、結婚もするし、子育てもする…お金を使うイベントは年輩者より若者のほうが圧倒的に多い」
というものが想定できるが…それは「若者がお金を持っていれば」のお話でしょ?
でも、日本個人資産の大半は50過ぎが持ってるわけで…。

ついでだから、こんなツイートも載せておきましょう。
ちなみに、「金持ちと結婚したかったら収入でも貯金でもなく実家の資産や土地を調べろ」は僕みたいな三流大学の経済学部でさえ、授業中で言われるジョーク。
「年収が、貯金がいくらないと結婚できない」とか言ってる女は全国の経済学部卒から笑われてますよ(笑)
— 三沢文也a.k.a.青二才 (@tm2501) 2017年1月25日
税収が減る…少し近づいた。
でも、これも労働者一人一人をきちっと稼がせるか、富を独占してるお金持ちに課税したらいい。海外に逃げられないよに囲って。
貿易の関税、企業への課税も国内の少子化・人口減に左右されず実行できるよね。
ところで、「海外に逃亡しようがないお金持ち」のほとんどは高齢者だよね?
若い金持ちはシンガポールかアメリカに行くかもしれないけど、たくさんの高齢な小金持ちは今さら日本を出る・資産を移すのは現実的に言って難しいよね…。
集められる年金保険料が減る…これかな?
累進制(金持ちが多く払う)わけではなく、みんなが同じ金額を払う/天引きされる年金は若者の数、特に「正社員の数」が減れば、制度を支えられなくなる。
そうか、若い労働者が減ることで「年金制度が維持できなくなる」ことを心配してるのか。
少子化問題は極限まで単純化して行くと「高齢者を誰が養うんだ!」なんだね。
でもでも、年金に限らず「若い現役世代が高齢者を養う」のが本当に正しい形?
そりゃ、「日本は儒教の国だ」「育ててもらった恩を忘れたか」など精神論も飛び交うが、今の若者はものすごく貧乏で病んでる人も多いぞ?
現実問題として「高齢者を養う」力が若者にも、この国全体の国力にも残ってるか?
そういえば、ちきりんさんもこんなこと書いてたっけ?
このグラフを見てください。総額1600兆円にも及ぶこの国の富は、高齢者が独占してるんです。しかもここに含まれてるのは金融資産だけです。これに不動産を足し、住宅ローンを差し引けば、実質的な資産は、このグラフ以上に高齢者に偏在しています。
<世帯主年齢別・金融資産の分布>
「かわいそうなお年寄り」を支援すべきは、「お金持ちの高齢者」なんじゃないんでしょうか? てか、「かわいそうな若者」だって、このお金持ちの高齢者のお金で支援すべきでは?
経済かじった人ならだれでも知ってる有名なお話。
お金なんか持ってない現役世代よりもむしろ、「かわいそう高齢者」は「お金持ちの高齢者」が支援したらいい。
でも、どうしてそうならない?
まさか博識の官僚達が知らないとは思えないし、政治家もこのぐらいは勉強してるはず。
制度そのものにテコ入れするアイデアだってないわけじゃない。
例えば、生活保護や奨学金制度みたいに年金の受給に制限をつけてしまうとか、年金という別枠ではなくお金持ちが優先して払う税金にするとか…。
そもそも、年金保険料として集めた資金を運用失敗したり、グリンピアなどの赤字施設にした前科が厚労省にあるんだから…と言う話は何十年も前から出てる。
でも、なんで未だに年金は年金のまま、信用できない機関が運用し、お金のない現役世代がお金のある引退世代を養ってるんだろう?
少子化すること自体よりもこの「年金や高齢者を守らないといけない」という構造のほうが根深くて、大きな問題なんじゃないのか?
少子化が問題になる最大の理由はシルバー民主主義!
最近、こんなつぶやきが反響を呼んだ。
最近、社会・政治系の問題の根源は全部「シルバー民主主義」にあるんじゃないかと思ってるのよね…。つまり、老い先短いくせに人数が多くて、一番金が足りてる高齢者世代が声が大きく、票も持ってるから「彼らに有利な社会を維持しないといけない」という束縛が諸問題の根源のように見受けられるよね
— 三沢文也 (@tm2501) 2014, 10月 16
団塊の世代と、今の20歳では人口が2倍近く差が開いてる。
これを養ったり、お世話することも大変だが、それ以上に問題なのは「選挙をしたら高齢者に有利な政策ばかり言う人が当選してしまう」ということ。
若者がみんな選挙に行っても高齢者の方が人数が多いのだから、同じ投票率では高齢者の意見が通る!
そのため、政治家は自分や政党の議席を確保するために、高齢者優遇を掲げる。さもないと議席が危ういから。
年金も、医療保険も高齢者に負担をお願いするようなことをすれば、その瞬間に新聞・テレビから煽られて政治家は落選してしまう。
資金も票も高齢者が持ってるからね…政治もメディアもますます高齢者有利な政策を維持し、若者も本格的には助けない。
若者負担が前提、金持ち高齢者が老々介護するという提案は出てこない。
「一票の格差」は地域格差よりもずっと世代間の格差を突き詰めてほしいよ。
少子化によって生じる問題は技術や個人・企業の努力ではなく、重厚に法律や政治と絡んでる問題がほとんど。
少子化が問題じゃないんだよ。
少子化によって生じる問題は技術や個人・企業の努力ではなく、重厚に法律や政治と絡んでる問題がほとんど。
少子化する前に建てられた制度を変えないことが問題なんよ…。
この問題はもっと追求する人が増えてほしいよ
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