占い師のメソッド~なんでヤツらはタダで手に入るような知識でお金が取れるのか?~

 

一昨日、占いで生計を立てている大彗星ショッカーさんに無料でできる範囲で占ってもらった。

ショッカーさんの占いはタロット占いで、やろうと思えば僕がネットでカードの意味と占い方が書かれたものを参考にしてできる簡単な技術だ。

だから、失礼を承知で言えば、僕はショッカーさんに占ってもらうまで「金取るまでもないことをお金をとってやるなんて、なんてうさんくさい商売なんだ!」と思っていた。

しかし、受けてみると占いの技術とはどうやら別のところにあることに気づいた。

今回は占いにお金を払う理由と、占い師の技術について語りたい。

モノの価値は客観ではなく、買う者の主観で決まる

この言葉はいまプレイ中のフリーゲームで出てきた言葉だが、実に占いの価値を如実に示している。

占いはタダでもいらない人もいれば、10000円払って人に占ってもらう人もいる。

そして、あらゆるサービスに言える傾向だが、大金を積むようなヘビーユーザーほど本質的な価値を理解しているため、サービスを提供する人が実りのあるサービスを提供できる。その営みを相場がわからないところからじっくりと適正価格まで値上げしていったショッカーさんはお客の良し悪しを見てきたという。

「占い師に占ってもらう価値」とはなんだろう?

結論から言えば、「カウンセリング」であり、「占いが当たること」ではない。

占い師が語るには安い価格で来るお客・高い価格で来るお客の傾向の違いは「占いを過信するかどうか」だそうだ。意外かもしれないが、「話半分の道楽で来ている人」の方がむしろ高い金額を払ってくるお客で、安い金額でくるお客は藁をもつかむ思いで占いを受けに来て、聞くに堪えないような相談をするそうだ。(馬券が当たるかどうかとか…ね)

現在、ショッカーさんのサイトでは「60分1万円」で出張占いをやっているそうだ。

奇しくも、この価格は心理カウンセラーの相場と同じぐらいで、カウンセラーの相場は都市部では1万円±2000円となっている。

「それ占いちゃうやん!」

せやで。占いはオカルトに占うことちゃうで!特に占い師の占いはな!

実際、占い師についてオードリーの二人がこんなトークをしてる。

オードリー・若林が語る「占い師の裏事情」

若林「それで、『ズバって言うようになる。”○○かもしれません”でなく、逃げ場なく”〇〇になる!”って言うと、メディアに引っ張りだこになるんだって。ハッキリ言うから』」
春日「はぁ~なるほど」
若林「そうするとテレビで売れ始めるんだって。それで、ズバって言って売れてるから、『当たってねぇじゃねぇか』っていうのが、二年後くらいにくるんだって」
春日「ふふ(笑)」
若林「『だから、占い師の人でブームになる人は、二年くらいで消えるでしょ?』って言ってて」

「よく当たる占い師」みたいな売り込みをたくさん見かけるが、実際には占い自体を売りにしてしまうと短命で終わってしまうそうな…。

だからこそ、占いという仕事の本質はカウンセリングすること自体にあるようで、若林のトークにもこんな箇所がある。

若林「何千人って占っていくうちに、自分の地道な力ではなく、何かの力によって成功を得ようってヤツが多いんだって」
春日「ふふ(笑)」
若林「タロット切りつつ、『バイトの店長に告白しようと思ってるんですよ』って言ってくる人に、『知らねぇよ』って思いながらタロット切ってたんだって(笑)後半になると」
春日「はっはっはっ(笑)」
若林「『(告白)するならしろよ』って思いながら」
春日「して、どうだろうかね」
若林「『お前が決めることだろうが』って思いながら、タロットカード切ってたんだって(笑)それで、後半、もうタロットカード切らないで『あんたね、気合入れなさいよ』みたいなね(笑)そんな感じになって、もう自分次第なんだってことに気づいたら、それで何万円も貰うのは申し訳なくなり、辞めて今は違う仕事してるんだって」

占い師に来る相談なんて、「結局はお前のやることだろう」だ。占い師とはそこをいかに「説得力のある形で気づかせるか」というカウンセリング業だ。

心理職は「悩み」がなくても「病気」という共通の話題を持つことで話を進める。占い師の場合は「(占ってほしい)悩み」という共通の話題で話を進めていく。

名前や依り代にする論拠も違うが、料金も対面で会話する形もよく似ているサービスなのだ。

割高に感じる人もいるかもしれないが、不相応なサービスではない。

人間、病んでなくても話を聞いてほしいことはある。その相手は頭のネジが飛んだバカ女より相談事を聞き慣れた占い師の方がためになることも多い。

そこまで含めた上で大彗星ショッカーさんは優秀な占い師だ!

何しろ、相手に応じて聞き上手にも話し上手にもなれる。占いの結果を素に話題を切り開いていくこともできれば、相手の話を聞きながらいい意味で励ます方法も心得ている。

「占いが当たる」理由

最後に「占いが当たる」のはなぜか?と言う話をしてみたい。

占い師の占いがカウンセリングであり、占いの道具を通じて悩みを聞いて答えていくお仕事であることはわかってきただろう。

それを見ていて、実際に体感して気づいた事だが、「占い(師)に導いてもらう」という考え方が根本的に違う。

悩みを解決するのは自分だし、相談はできても相談を聞き入れるかどうかは自分で決める。占いに導いてもらっているのではなく、自分が聞き入れたい事、薄々気づいていることを占いをきっかけに意識するだけだ。「占いが当たる」と言う人は占うという行為をし始めた時から「当たる」がもう始まってる。

なぜなら、自分から占いの結果を意識して行動してしまうからね。

では、占い自体が無意味な行為かというとそうではない。

タロットカードが当たる・当たらない以前の問題として、上手な占い師はタロットの結果順に話題を振って、タロットの結果にまつわるエピソードを結びつける事ができる。それも無理やりではなく、相手に話をさせることで相手が持ってる悩みや不安の正体に気づかせる事ができる。

これはカウンセリングにも通じることがあるが、結局は気づかせることでしか本人は変わらない。そして、薄々気づいていることに踏み込めない・漠然とした不安があることを他人に打ち明けたい気持ちを人は持っているんだ!

悩みを相談する・しがらみのない他人の意見を聞くことで自分が迷い込んだ場所から脱出したい(または漠然とした不安を少しでも明確にしたい)と願う人のために、占い師と言う商売はある。

ぼくが占ってもらう体験をして感じたことは自分のうつ病体験・精神科にかかって感じていることにとても近い科学的で心理学的なテクニックだった。

最後!

占ってもらいたい方がもしいたら、ショッカーさんのページへどうぞ。

大彗星ショッカーのタロット占い( `・ω・´)

The Rider Tarot Deck

ネットでパッと出してやるのもいいけど、やっぱりやるからには本当にタロットカードで占いたいなぁ…。占い師になるだけのコミュ力はないからやらないけど。

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占ってもらった時の様子。

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