言いたくないけど、就活の季節だ。
僕は地獄の3.11世代/民主党政権下というロスジェネに匹敵するひどい時期の就活だったけど、どうも最近は見通しが良くなったらしい。
2016年卒は売り手市場?
でも、この日経の記事には有効求人倍率ベースの話もなければ、仕事についた人の後日談もなく、上っ面で「今年なんかいいらしいっすよ!」という程度の話しかない。
日経も悪いけが、就活報道の多くが数字もなければ、その後の人がどうなったかという後日談もない酷い内容が多い。
だから、就職するまでの努力・仕事に就いてからの努力が報われたかどうかがちっともわからない。別のニュースでは「努力しても報われない」と感じる若者が増えたそうだけど…これは仕事のことが少なからず影響してるのではないだろうか?
若者3割「努力報われない」=将来見通し、経済評価好転も
要は報われたいだけですよ!大学までがんばって進学し、就活で奔走。それらは自分の専門分野が認められたり、自分の努力全般が報われたいだけ。
…ネットでは承認欲求だ執着だと小バカにするおっさんが多いが、それの何がおかしい?
「やってきたこと・振られた仕事を成し遂げたことが報われる企業に行きたい」
自分の資質を高く買ってもらいたいだけ。採用過程での方便でなく、会社で世の中で自分のしてる面白いことをつまらない揚げ足取りや減点で潰さないでほしいだけ。
でも、就活の報道見てると「今年の就活はいいらしい」「変わった採用方法で間口を広く設けてくれるらしい」とキレイ事を並べるばかり。仕事が続くか、賃金は法律通り出るか、そもそも採用した通りの評価で会社に入れるか(奇抜な採用方法をするのは大いにけっこうだが、入った途端に減点法でガミガミ言われるような企業ではないか?)といった長く働く・努力やキャリアを積み上げることに結びつく就職について何も報道してない。
それでいいのかい?と本当に思う次第だよ
「とんがった人材」をマネジメントできると思ってるの?
その日経の記事の中にこんなのがある。
とんがった人材を採用するためには、従来の大量採用方式は不向きだ。狙った人材をピンポイントで採用できるように選考方法を多様化しようとしている。
発達障害持ちでかつ、見た目も良くない僕のような人が大喜びしそうな制度ではあるが…日経さんのおバカなところはその例としてサイバーエージェントの取り組みを紹介してるところだ。
説明するまでもないけど、CAってこういう会社だからね。
「とんがった人材を採用してる」のは大いにけっこうだが、それは同時に「とんがった人・正規採用では拾い出せないような人材も楽しめる会社」でないと、会社で働き続けられない。
ましてや、会社の美男美女ばかりが表でちやほやされて、その尻拭いをエンジニアがしてる・全然関係ないお祭りに付き合わされてるともっぱら評判高いサイバーエージェントが言う「とんがった人材」とはなんだろう? ピンポイントで正規採用で埋もれがちな人材はみんなが盛り上がること、みんなの空気を読んで楽しそうにするような器用なことができるのだろうか?
よく「スティーブ・ジョブスのような人材が日本に必要」と言うが、彼は大学時代はヒッピーだし、大学も中退してる。おまけに薬物にも手を出したり、創業者なのに行動のせいで会社を追放される…優秀かもしれないけど、それだけ欠点の多い人を雇える度量がある会社が日本にあるか?
「スティーブ・ジョブスの優秀な部分だけがほしいんだ!キチガイ要素が多いジョブスは要らない」
とどうせ企業の経営層や不相応に給料が高い事務屋はほざくだろう。だが、そんな奴はいない。
優秀なアニメーターが制作泣かせの遅書きだったり、優秀なエンジニアが遅刻魔や抗鬱剤を大量摂取して約束をすっぽかすような人だったり、成績優秀な営業マンは自分の周りのこと以外はズボラで客や事務屋からの評判は最低だったり…要はカンペキな人なんかいないのだよ。
だから、「とんがった人材がほしい」とか「一芸採用してます」と言われた時でも就活生は「変人を雇い入れるだけの柔軟な文化や雇用・就労制度があるかどうか」もセットで確認しておいた方がいい。日経さんは言わないが、言葉尻だけいい事言って結局は平凡な人材しか採用できなかったり、逆に変人を採用しても会社に馴染めないと言う可能性は大いにある。
変人も、変人以外もよく考えてほしい!なぜ就活にみんな悩んでる?苦労してる?
それは採用されても長続きしないようなブラック企業・企業の独自のカルチャー・痛い上司などにあたる危険性があり、またドロップアウトした途端に世間の風当たりが強まるからじゃないのか?
努力が報われるためには自分の努力も、努力の道筋もちゃんと評価してくれる会社を見つけないとうまくいかないからじゃないのかい?
情報に振り回されると見失いがちだが、大事なのは「なんで就活するか」「なんでこんなに苦労してるか」を常に考えてそれに見合ったやり方や企業を見つけること。
その場しのぎでねじ曲げたり、順応しようとすることはあっても本質や根本的なことは念頭において動かないと何もなくなってしまう。
どこでもいいならだれでもいいから来て欲しい所に行けばいい。だけど、だれでもいい会社は、その人が辞めた所でまた求人で補充すればいいとおもっててあなたのことを大事にも仕事ができるよう育てたり、環境を整えたりしない。そのことを薄々わかってるからみんな苦労してるし、行ってしまった人は病んで辞める。
逆に聞こえのいいことを言って、一見自分と噛み合ってるような理念や仕事がありそうな会社でも、おおよそ言ってることとは噛み合ってない体質の会社もある。しかも、その矛盾に気づいていない会社から自分が落とされることもある。
一方的にあちらが選んでいるように感じるので、就活をしてると「何を信じていいやら」「自分の何が間違ってんだ」と追い詰められていく。あちらは何気なく送っていてもお祈りメールを送り付けられたり、共感できる理念やお仕事の会社に落とされたりしてすごく傷つくが…必ずしも自分に下された不採用の烙印で、自分が落ちこぼれだと思うこともない。
採用する側と受ける側が間違えるから沢山のドロップアウトが出たり、人手不足になる企業があるわけだ!言い換えれば、相手は本当は採るべき相手を落としてる・拾えないシステムで採用してることだってある。
右往左往したくなるほど情報もキレイ事も飛び交うが、結局は本質的に周りが煽ってきても自分自身でどうしたいか、自分にも相手にも言ってることにちゃんと整合性があるか…を見極め続ける冷静さを持つべきだ。
いや、煽るばかりの情報以外も探せばちゃんとあるはずだ。
自分が欲しいものを明確にした上で探す技術を身につけないと。就活自体のテクニックも、企業を探す時もね。
就活のような「正解が自分の中にしかないもの」は自分で探して、自分でうまくいくしかない。大多数に向けた情報がマッチしなかったり、間違ってること/少なくとも自分とはマッチしないことは就活にはよくある。
そのくせ、軽い気持ちで煽る報道機関が多いから怖いわ。
ただ、面接はともかく、テストの段階で落ちるのってなんかバカらしいよね~。特に、その会社独自のテストとかじゃなくて、対策できるテストで落ちるとなんか凄い悔しいんだわ。…しかも、SPIって中学生レベルの問題を早く解くだけの問題だから「中学生レベルの問題でお祈りされるとかまじくやしい!」となりました(実話)
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100社200社でなくても落とされたらすげー悔しい気持ちは変わらないようです…
L型大学とは大学の存在意義をわかってない人が抱く妄想である!
大学の学問や過ごした時間での体験はすぐには役に立たないけど、ちゃんと残る!
下手に甘い話に乗らないで、可能な限りがんばった分報われるモデルを探すべし!