2014年衆議院選挙を一人で勝手に総括するよ!

 

結果から見えてきたことを書いていく。テレビで言うことよりは多少頭のいい話ができると思う。

まず、簡単に結論だけ

主要政党それぞれに触れるが、個人的に注目してるのは維新と共産だ。

議席の維持・拡大もさることながら「ホームグラウンドを作る」「潤沢な資金・運動員を持ってる」など選挙に勝つための基盤をしっかりと固めて確かな戦略で議席を確保してきたこの2政党への評価は大きい!将来性を考えるとこういった「理由のある勝利」は大事!

一方、僕は民主党を評価できないのは「議席を増やしたけど、小沢・鳩山の穴を埋める選挙の名人、政権の資金源になるスポンサーの確保」ができてないから。また、ホームグラウンドを取り戻せてないのも致命傷。

論点はここにあると思うが、野党の必要性を説く割にはイマイチ語ってくれない…民主がいい、自民は独裁、維新はうさんくさい、共産は論外というだけじゃ野党なんかできあがらないんだぜ!

以下、総評。

 自民党勝利から見える死に票の多さ/無関心さが公明党を当選させる

自民が勝った。安倍政権が続く。ただし、選挙の勝ち負けや景気の減退を考慮して消費税増税を先延ばしした部分は評価したい。増税は増税でも矢継ぎ早に増税すべきだということをまだ言ってる連中が多い中で、先延ばしにした判断は最低限評価したい。

ただ、増税によって格差が広がり、不況にした政党が議席を維持し、選挙に圧勝したことで政治への閉塞感は強まった。その事は投票率にも大きく出たと言わざるをえない。

また政治への無関心さは死に票の多さ、極端すぎる選挙の結果にも現れる。

今回に限らず、小選挙区で1つの政党が圧勝しても比例代表を見ると半分も掌握してない。

今回の自民党が顕著で、小選挙区で222議席!全体の7割以上掌握してる。

だが、比例代表を見てみると68議席…半分もない。

これは民主党政権誕生の選挙からずっと問題点だが、改善されない。

そして、死に票と極端な結果ゆえに行われる暴政が政治から人々を遠ざけ、結果投票率が下がる。

選挙制度が変わってから最大の議席を公明党が確保し、ますます組織票や支持基盤が選挙を決めるようになって政治が誰のものかわからなくなりやすい。

この現象が改善されないから誰が勝っても極端な結果、政権・官僚による既定路線があまり抵抗されずに通る「暴走」の政治がここ数年続いてる。

官僚も悪い制度ばかりは作らない。だが、増税など有権者に負担を強いる制度に反対する手段がなく、可決するのは良くない…その危機感から、今回は比例代表では色んな野党が伸びた。

自民がダメかどうか以前に「1党しか選べないという現状がマズい」の認識が野党を育ててる!

f:id:TM2501:20141215054754j:plain

しりあがり寿さんの風刺画だが、今回の選挙を如実に表してる1枚といえる

海江田死すも民主は生きる!だが、先は短いのでは?

今回は伸びないと読んだ民主党が11議席増えた。

ただ、党首の海江田氏は落選。元首相で民主党政権樹立の功労者でもあった菅直人氏まで落選ギリギリで「夜中3時まで復活当選が確定しなかった」という波乱ぶりで、「勝った」というほど充実したものではない。

今回民主党が伸びないと考えた理由は「民主党が三党合意したから増税が行われたという現実があり、反自民の受け皿にはなりえない」と考えたから。

ところが、有権者はバカだね~

誰が増税したかも忘れて増税を進めた民主党に投票して「自民の暴走を止めねば」とか言う。元々は暴走した民主党が権力にしがみつくために(自分達にはどうにもできない部分を)官僚にすがった結果、消費増税やTPPなど自民党政権でも残る「禍根」を作ったのにね…。

民主党に入れる理由や動機付けが甘すぎる…。野党第一党と言っても2年間特に存在感も示せなければ、選挙期間中も「議員定数がどう」とか「安倍政権の暴走がどう」というし、マニュフェストもぼやけたものが多い。

このままだと衰退していくんじゃないかな?と思うほど酷かった。

理由は、民主党が「勝ちパターン」を作れてないから。

政治家・政党が選挙にに必要な物は「地盤、看板、かばん」と言われてが、民主党が強かった時期はそれらを「選挙の小沢、期待感が高い菅・前原、金権の鳩山・岡田」というそれぞれの個人技で勝ちパターンをまかなっていた。

しかし、個人技を持ってた人気は失せ、離党・引退した人も出て、搾りかすのような政党になってしまった。

もちろん、「非自民で多様性を持った・ワンマンじゃない野党」の存在は貴重だ。だが、躍進できる基盤がない閉塞感もまた民主党なのだ。

…だから、議席を微増させたけど「自民党と戦い続けられるか」が今後大きな課題であり、その答えを外部に求める必要があるのではないか?

「持続性」を考えると僕はまだ維新のほうが有望で答えに近い気がする。

なぜ維新は伸び、次世代とみんなは衰退・解体したのか?

今回の選挙結果を振り返る上で最大のポイントといえるのは、新党結成ブームの中を過ぎても唯一存在感を示している維新の会だ。

1議席減という現状維持状態だが、議席の確保方法が良い!

関西圏で自民とまともにやりあえることが選挙戦術として素晴らしい!

かつての民主党も、没落中の自民党もそうだが、「○○王国」と呼ばれる政党が強い地域を作れると時代を超えて生き残る!(王国を維持するために小沢・鳩山らが貢献してたが、この2人が政党から消えたことで王国が維持できなくなったから「かつて」と述べた)

僕が議席を伸ばしたのに民主党に辛辣な評価を下した理由は「かつて民主王国と呼ばれた北海道・東北でちっとも勝ててないから」であり、3.11の対応をミスった民主党では基盤の復活は厳しいと考えているから。

選挙基盤の話をする上で外せないのは「次世代の党」で、なぜ19議席あった議席が2議席まで減ったか?の答えが「基盤がない個人技依存の政党だから」だ。

次世代の党は中途半端。「政党なんかなくても戦える無所属・個人政党の議員」ほど選挙に強くない微妙なベテラン議員の集まりだ。

一人でも選挙に強いベテラン議員…例えば、小沢一郎・亀井静香が有名で、特筆すべきは茨城7区の中村喜四郎だ。無所属で10年間当選という怪物だ!

なかなか面白いので、中村喜四郎は一度調べてみるといい。フォロワーさんのタレコミで知ったが、この人は凄い!

中村喜四郎 – Wikipedia

次世代の党は地方の基盤もないから比例票も入らないし、資金力も乏しいから全然議席が取れない。そのくせ政党という形で新人を入れて戦おうとしたから「浅はか」としか言えない。

民主も自民も地方議員出身や、何年も地元に根付いて活動した結果として当選してるから「政治家の都合で生まれた政党」ごときが簡単に当選するはずがない!そりゃ、政策に相容れなくても毎朝がんばって演説してる議員さんの方が名前覚える!

選挙に限らず、「顔を覚えてもらう」ことから始まる仕事はそれが成功につながる!それがわかってない人が建てた政党は通じないよ!

橋下大阪市長が国会議員にならない理由

橋下市長はその点「維新の会のトップでありながら国会には入らない」というスタイルを貫いてるからしたたかだ!

彼は若くて時間もあるから「確実に議席が取れる王国」を維持しながら戦うところがとてもしたたかだ!また、問題が山積みな大阪での改革というのもポイントが高い。

大阪は元が酷い(治安や学力など最下位のものが多い)ため、「少しでも成果が出れば、反映される」改革しがいのある地域であり、人口が多くてかつローカルメディアも強いから政治的発言をマスコミを求められやすいから維新のブランドイメージを上げる上では大阪市長のほうが雑巾掛けしている議員1年生よりはずっと個人のブランドを上げる!(実際、総理になってほしい人ランキングの常連だし)

また、橋下氏が市長をやってる間にも国会で別の議員が活動することで人材が育つ。橋下氏のワンマン政党に見え、未だにその側面は強いが、システム上は「橋下氏が作った基盤の上で人が育つ」ことが期待できる。

党幹部に生え抜きの維新の国会議員が成功すれば、維新は野党第一党にもなれるだろう。

ただ、その前に田舎で票が動きにくい「維新王国」を関西以外にもう2つぐらいはないと辛い。根付きやすいのは改革好きな都会だが、理想は自民王国が強い西日本に風穴を開けてくれると自民一極の選挙が変わって面白くなるかもしれない。

21議席確保した共産党に求めること

最後は議席を2.5倍にした共産党

正直、安保問題や脱原発なんか期待してない!むしろ、僕とスタンス違うし、今や古臭く感じる部分さえあるからなるべく伏せて欲しい。

ただ、ブラック企業問題を国会で質問したり、経済格差についてアレコレデータを使って説明したりする活動を政治家も赤旗もやってる(中立とはいえないものもあるけど、活動実績はある)からその延長線で対自民の経済政策批判ができるともっとアベノミクス批判が報じられやすくなっていいんじゃないかな?と期待してる。

民主党は経済政策オンチが多いからそれを補う存在になれば面白いと思う。

個人的には恣意的なデータや極論に走らず、中立的な資料からできる批判を粛々とやって欲しい。それだけでも批判されるべきデータは多いから無理に悪い部分を強調する必要さえない。なんならTwitterでよく行われている経済批判を丸々国会に持って行ってもいいよ。

また、共産党は赤旗の資金力と活動員の多さなどがあるから基盤も強く今後も議席を減らさないで頑張れる芽があるので、期待してる。(ただ、過去にもっと過激な事を言ってた時期があるので、維新や昔の民主党のように選挙に強い「王国」を作るのは難しく、その弱点をどう克服するかが課題だが)

以上、徹夜で開票速報見て目がトロンとしてる三沢文也がお送りしました。

「政治の頂点を目指すための手段がアイドル!」というノベルだが、これを体現したような男が橋下徹であり、芸能人のようにメディアに出続けた知名度で政党を作り、知名度を維持するために敢えて議員にはならないという手法がね。

ノベル自体は読んだことないが、維新の会が今回議席を維持したことで「この本は未来を風刺してるんじゃない?」と思い始めてる。

・関連記事

病んでから問題にするなよ!病むような「構造的欠陥」に対策しろよ! 

うつ病患者の立場ならではの政治的提言。労働行政・社会保障がザルすぎる

無気力を肯定して生きていくには理解者と適職がないと難しい 

政治家が無気力な人材に理解を示すと世の中変わるだろうね…夢は正社員ではなく

L型大学とは大学の存在意義をわかってない人が抱く妄想である!

所得格差が広がるのはいいが、学ぶ・考える機会を庶民から奪うのはやめてほしいわ

タイトルとURLをコピーしました