道教委の推し進める「ノーゲームデー」が報道以上に酷かった件について

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僕はスーパーファミコンや64の再生機に育った人間だ。

だから、こんな報道をされた日には憤らずにはいられない!

 子どもたちの学力の低迷はゲームのしすぎにも原因があるとして、道教委などは、毎月第1・第3日曜日は子どもたちがゲームをしない、「ノーゲームデー」とするよう呼びかけています。

第1・第3日曜はゲーム禁止 – NHK 北海道 NEWS WEB 第1・第3日曜はゲーム禁止 - NHK 北海道 NEWS WEB

待て待て待て!!

「また、ゲーム悪玉論か!いい加減に、科学的統計的な根拠を出せよ!」

と報道を見て呆れ返った。ところが、よくよくNHKニュースを見ていると後半部は前半部と内容が少し違うことを言ってる。

第1日曜日にあたる2月1日には、ゲームをしないで親子で楽しんでもらうため、道内各地で、スノーラフティングや釣りなどを体験するイベントを開くことにしています。
道教委・生涯学習課の浅井真介課長は、「ゲームから離れることで、家族との団らんや友人との体験学習の時間が増え、望ましい生活習慣の定着につながれば」と話しています。

あれ?学力向上のためではなく、団らんのためにゲームから離れるのが望ましい?…言い分が相反するが、どっちだ?

真相を確かめるべく、ノーゲームデーを掲げる道教委のページで調べてみることにした。

NHKは道教委を守るために捏造した?

結論から言うと、NHKの報道の前半部は捏造だ。

ノーゲームデーについて道教委の資料を見たところ、学力向上のため」などと一言も書いてない!

道教委がノーゲームデーをするきっかけになった「どさんこアウトディアプロジェクト」では次のことを掲げている

私たちは『どさんこアウトメディアプロジェクト』による具体的なアクションを通して、 次の3点の達成を目指します。

○ ネット利用も含めた望ましい生活習慣の確立を目指します

○ ネットトラブルの根絶を目指します

○ ネット利用に関わる心と体の健康課題の解決を目指します

~全ての子どもたちに、ネット利用も含めた望ましい生活習慣の定着を~ 「どさんこアウトメディアプロジェクト」 電子メディアへの接触時間を見直そう

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資料を見つけてきた所、NHKが捏造をしたことよりもずっと大きな問題に気付かされた。それは「NHKでさえ捏造でもしなきゃニュースにできないほど、道教委の言い分が酷い」ことだ。

「酷い」というほどおかしいと感じるのは 「ネットトラブルの根絶を目指します」というフレーズだ。扇情的な報道バラエティに出てくるような「人を誹謗中傷する悪意のある人がネットにはたくさんいる」という認識なのだろうか?

SNSや掲示板にいる人の大半は悪意がある人ではなく、普通の人だ。

それを自由気ままに考えの違う人同士で話すから揉め事が起こったり、目上・目下という立場がないからついついクチの悪い人は口が悪いまま話しているだけのことだ。

それをわかっていれば、「ネットトラブルの根絶」なんて宣言を書くことは「この世からささいな口喧嘩程度の争いすらなくしたい」という小学生の空想みたいなことを書いていることぐらいわかるはずだ。

ネットが特別なのではない!ネットでなくとも知らない人と自由気ままに話していれば、揉め事や喧嘩になりそうなまずいムードになることぐらいある。友人同士でもメールやチャットのやり取り、学校で顔を合わせていたって喧嘩になること、相手の発言が失礼だったり、乱暴だったり、あるいはそう感じて自分も乱暴な言葉を使うことぐらいあるはずだ。

ところが、こんなちぐはぐな事も書いてるから嫌になる。

しかし一方で、不適切な使い方、長時間の接触等に よって、家族や友人との人間関係にマイナスの影響を及ぼしたり、ネット依存や生活習慣の乱れなど から心身の健康を崩したりすることが新たな問題となっていることも事実です。

そして憂慮すべきことは、この問題から真っ先に影響を受けるのが本道の未来を担う子どもたちであるということです。

この憂慮すべき問題の解決には、全ての教育の出発点である家庭において、家族の団らんや親子の コミュニケーションの機会を増やす取組や、各家庭を支える地域が一体となった取組が必要です

また、各家庭、地域において子どもたちが安全に安心して日々を過ごし、心豊かにたくましく成長 していけるように支援することは、私たち大人、一人一人の責務でもあります。

そこで、私たちは、子どもたちにこれからの時代を生き抜く力を道民全体で育むことを目指し、「どさんこアウトメディアプロジェクト」を推進します。

「どさんこアウトディアプロジェクト 」が「ノーゲームデー」のことを指すが…おかしくないか?

トラブルを家族の団らんが解決?

ネットの使い方を教える…ネットとの健全な付き合い方・距離の置き方・書いちゃいけないことを教えるではなく、家族?デジタルなモノに対して教育も体験もない親世代との団らんでネットの問題が解決すると?

確かに、ネットと現実のコミュニケーションは似ているところはある。

だが、ネットならではの危険・ネットと現実のコミュニケーションで共通している部分はちゃんとネットに触れ、向き合わないと身につかない。

むしろ、ネットで炎上する・トラブルを起こす人は目の前にいる友だちや内輪に話す感覚で全世界に発信(赤の他人が聞いた時にどう思うかを考えられなくて)炎上する。だから、家族や友達ばかり話していたらかえって、ネットのリテラシーなんかつかない。

ネットに対して無知か、嫌悪感のあまり頭ごなしに否定して遠ざけているようにしか見えない。

「未来を担う子どもたち」といいながら、未来的なことから距離を置くか無知なまま子どもに「別の素晴らしさを教えれば、解決する」「大人が入れば」と考えがまるで話にならない!

問題から逃げたり、問題を棚晒しにしているだけじゃないか!

デジタルが悪く、親や読書なら良いと言い張る道教委

資料の中で、僕が一番イラついたのはここだ!

「ノーゲームデー」の設定・推進

各家庭や地域における望ましいネット利用に向けた行動や、学校、家庭、地域におけるルー ルづくりの促進に向け、大人も子どもも、ゲーム(コンピュータゲーム、携帯式のゲーム、携帯電話やスマートフォンを使ったゲームを含む)をしない日を設定し、実践を呼びかける。

◆ 毎月第1,第3日曜日を「ノーゲームデー」として設定。普及・啓発活動の推進

◆ 体験活動や読書活動の推奨

◆「我が家のオリジナルルール」コンテストの実施 ほか

出たよ~「心と体の健康課題の解決」だ「生活習慣の確立だ」とか何とか言いながら、ゲームはダメで読書はOKという謎基準!外に出ようじゃなくて、結局は「ゲーム迫害、ネット差別」じゃないか!

おまけに、「我が家のオリジナルルール」コンテストとはなんぞや?今の親世代でデジタルメディアとの付き合い方を思索した経験やリテラシーを教育された経験なんて殆ど無いのに、親が決めたルール、家族が決めたルールならなんでもいいと?

媒体(メディア)で貴賤を決めるな!

冷静に考えてみ?

読書で得る知識、ネットで得る知識、学校の授業で得る知識でも知識が得られたらいいのに、道教委の主張はそこに貴賎を見出してアレはダメ、これはよしと知る機会を奪っている!

この資料、一見まともそうなことを述べたように見えても、ところどころにある粗を突き詰めていくと「本当に問題を解決したいのではなく、自分達の守備範囲外であるネットに子どもが依存したり、手を出したり、そこで成長しては教育の威信が維持できない」というポジショントークが見え隠れしている

家族も、本も、課外活動でさえ人格を歪めてしまったり、のめり込むと危険なものは多く存在するにもかかわらず「ネットが悪い、家族や本は正しい」と言う発想を植え付けるほうが危険だ。

本には本の、ネットにはネットの良さや使い方がある。本当に教えるべきはそのつきあい方であって、興味や思考を潰すようなことを言っちゃいけない!

「本を読むのはいいことだ。でも、マンガはダメだ。」

「ブログやSNSで知らない人が書いたからいい話でも信じてはいけません。友達の間で評判でも、アクセスしちゃいけません。」

「ダメな親でもあなたを産んでくれたお母さんなんだから悪く言っちゃダメ」

…内容や新しい物と出会う機会を見ようとしない・自分の危険や辛さをわかろうとも理解しようともしないこういう態度が未来的で教育的だと言えるのでしょうか?

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「親が教育に関わるべきだと学校は言うけど、本当に親が熱心に関わるとこれだけ大変なんですよ?」という話

教育ネタ繋がり。

むしろ、学校に友達がいる人のほうがスマホ見ている時間が長い…というのがあのぐらいの年齢の女の子にはありそうな気がしてならない…。

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