ネットニュースやテレビなどでアニメランキングというモノを見て気分が良くなったことがない。
自分で言う、まとめたくなることはあるが、「複数名による投票」と言われた途端に急に無意味に感じる。
例えばこんなふうにね。
観ないと勿体ない!?アニメファンが選ぶ「もっともお薦めしたい“知る人ぞ知る”アニメ・漫画」TOP30!
「知る人ぞ知る」というから何が来るかと思ったら、こんな感じだよ!
母集団がアニメ専門チャンネル(のネット放送)を見てる人なので、深夜アニメを見てない大多数から見れば、この内容で十分知る人ぞ知るだと思う。…でも、深夜アニメや昔の作品を見てる人にはこのランキングは「ちょっと物足りなくない?」とも思う
評価したいのはまなびストレート!を発掘したこと。(でも、まなびラインという言葉を知ってれば、発掘できないわけじゃない)
バッカーノ!はデュラララ派生で日が浅い人でも見返しただろうし、キルミーベイベーはTwitterでアイコンにしてる人がえらく多いから見たことなくても知ってる人は多いだろうに。
3位に至ってはひどいぞ!確かに僕は聞いたことのないアニメだったが、本文の説明によれば、
生駒里奈(乃木坂46/AKB48兼任)が主演を務める実写映画が2015年8月から公開予定となっており、いま改めて注目を集めている作品である。
もろ注目集めてるじゃねーか!知る人ぞ知るでも何でもねーよ!
そして、あまりにも納得できないと思ったら
(※“知る人ぞ知る”の定義は投票者の主観によるものです)
という注釈が本文に書いてある始末。うーん。
Q.なら、このランキングに何の意味がある?
A.アニメランキングに意味なんかない!
結論から言えば、AKB48の総選挙/ネット民が子ども用アニメののキャラクター投票に割り込んで荒らしていくのと同じく、「チームに分かれて数字を積み上げるゲーム」という以上の意味以外何もない。
アイドルの人気投票なんかものすご~く曖昧。
「好きな人がどれだけいるか」が基準だと、ランキングが高くてもその人が美人だったり、芸達者で「ずっとその子を見てたら癒される・魅了される」というわけでもない。
ランキングのトップになった人にこんな画像が作られるぐらいだし。
ちなみに、そんな前田敦子さんに人気があったのは「初期メンバーで、見かけも性格も等身大。でも、普通ゆえに共感できるサクセスストーリーを演じられたから」だそうだ。
不思議な魅力【AKB48前田敦子】が愛される人気の秘密って?
この理論はアニメランキングにもとても応用できる話だ。
特にたまにゴールデンタイムでやる、最後にルパン三世かラピュタ辺りが大きく評価されて終わるようなランキングなどは「昔からあって、誰でも見られる時間に定期的に放送され、嫌いな人が少ない」と言う無難極まりないものがランキングのトップを飾って終わる。
深夜アニメやOVAを見ない人からしたら、
・素晴らしいかどうか以前にゴールデンタイムに放送されないアニメがあることを知らない。
・知っててもそれは朝。子ども向けと見下してる。
・でも、ドラえもんやしんちゃんは褒めにくいから「アニメ=ルパン三世or宮﨑駿」と言ってみる
こんな人達の投票でランキングが形成される。しかも、投票する年齢層が昔に偏ると最新のアニメすら出てこなくなって、上位に若い子がよく知らないアニメ(巨人の星とか、ヤッターマンみたいなヤツ)が出て共感できなくなる。
深夜アニメを見てる人同士のランキングも母集団と自分のオタク度が一致しないとやはりズレる。しかも、尖ったものよりも「自分がリアルタイムで見て馴染みがある」「嫌いな人がいなそう」と言った無難なものが上に上がってくる。
件のランキングもバッカーノ!もまなびストレート!も好き嫌いが大きく別れるタイプの作品でもない。序盤に切らない人はほぼ好きそうな安定感のある作品。
まとめていこう。
アニメランキングに限らず、政治の世論調査/食べログの人気店など「ただ好きか嫌いかで投票されたランキング」は次のように見るべきだ!
・主観がたくさん集まった結果生まれるのは母集団の主観!
・母集団によってコロコロ変わる「最適解であって、真実とは限らない」
・共感できるかどうか、参加できるかどうかは自分が大人数の母集団であるかどうかによるため、少数派としてランキングを見てると腹が立つか違和感を覚える。
・ランキングの結果出てくるのは「尖ったもの」ではなく、「嫌いな人が少ない投票しやすいもの」である!
・言い換えると「すごく面白くはないが、それなりに面白く不快な気分にならないアニメ」「感動しないけど、大事な時に使っても事故が起こりにくい店」「優秀ではないけど、スキャンダルで捕まりにくい政治家」を選ぶのには人気投票は適しているが、自分にとって一番いい答えを出してくれるものではない!
・ただし、母集団を束ねる人間が作為的に宣伝したいものを組み込む、誘導することができる。後でランキングを見る人は「ふーん」ぐらいの温度で見るのが無難。
この種のランキングはネットにはとても多いから「ネットリテラシー」の1つと思って見てもらいたい。
尖ったものは気の合う人に聞くのが一番
一番理想的なのは「知識の重ね方が違うけど、興味が近い人」と情報交換するのが早い。
最近で言えば、向こうは幾原邦彦作品ファンで、こっちはGAINAX・TRIGGER作品ファン…というお互いに持ち寄ってる知識が全然違うけど話があった人にアニメやノベルを教えてもらってことごとくそれが面白い。
ちなみに、両方で作品を手がけた脚本家が同じ人もいて、幾原さんが庵野秀明監督に影響を与えていたり、間接的に似かよる要素を持ってるので、お互いがすりあわせれば実はご近所。だから、見てるものを話しあうと割と近いことがある。
他にも、自分のゲームレビューが好きな人が「これを扱って欲しい」と言ったゲームが面白いことがしばしばある。いや、これにはほぼ外れがない。
「友達」ではないが、「ネットで意見交換できる人の中で自分と感動するモノが近い、最近チェックする作品が似通る」とはけっこうな確率で手持ちの札を交換しあうと面白いものが得られることがある。それも、ランキングでは抽出されにくい尖ったものを得られることも多い。
友達である必要がない。個人のアニメランキングを見ながら「この人とは趣味が合う」と思ったモノを見ていけばいい。個人のランキングの中でも、年代やジャンルが縛られてるともっと見やすい。
参考例:年代別に本当に面白いアニメランキングを発表していく
流行りよりも「自分がいいと思ったもの」チョイスして、流行ってるモノは「一応点数を書いたが、僕の好みではない」という感じを触れてる。尖った感じが出てて、アニメ探しする上でかなりいい。
ランキングがかなり昔から始まってることなどから「作ったやつはおっさんで、萌えアニメがダメな人」という自分への予防線を張りながら見られるともっといいね。
自分向けに尖った作品を見つけるポイントは2つ。
・なるべく主観的なランキングを見ること。(客観的なことじゃなく、自分が好きかどうかを追求することだから、とことん気が合うやつの意見を参考にすべき)
・見たいものの種類が決まってる場合はなるべく具体的に絞られたランキングを見る、そちらに精通した人の意見を聞く。
アニメでなくても、情報収集全般のネットの使い方/ネットとリアルの使い分け方として使えるので、お試しあれ(*´ω`*)
一応、僕個人で「知る人ぞ知る」アニメを薦めるとしたらこれです。グレンラガンやパンストばかり話題にされるけど、僕が一番唖然とした今石洋之作品はこれです!キルラキル並みの頭のおかしさをもう初監督作品からやってるというね…。
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