SHIROBAKOキャラで学ぶ買い叩きする人・不毛な無茶ぶりする人の傾向と対策

 

こんなの読んだ。

続くライター業の価格破壊。生活すら困難? 

要約すると「10年前よりもライターが買い叩かれていて、生活できない・二束三文で人を拘束するレベルの無茶ぶりを官公庁や出版に関わる大手ですらやるようになっているからライターが生活できなくなった」というお話。

個人的に思い出したのがこれ。

ねっと部:厚労省「アルバイトの労働条件を確かめよう!」キャラデザ募集、条件は「賞金なし、記念品」に絵師びっくり 

買い叩かれているという話で盛り上がってるのはなにもライターだけじゃない。

普段ネットを見てるとライターよりもむしろ、システムエンジニアやイラストレーターがこの手の悩みを語ることが多い。

そして、どの立場の話を聞いてもだいたい同じ所にたどり着く。

 「仕事を回すのが仕事の人」が買い叩いてる事実

例えば、エンジニアの場合は「(技術についてよくわかってない)自社の営業マンから買い叩かれるから、ある程度それを想定した予算(要求)に設定しておかないと仕事が回せなくなる」という話を某所で聞いた。

「こんなことがあるのか」と思ったら、「あながちウソじゃないな」と思わせる証言がある企業の営業部長の言葉としてあるので、ついでにご紹介したい。

「企画開発部隊が血を吐いて生み出した商品を…出来るだけ安く叩き売ること、在庫にしないことが俺たち営業の使命だっ」
※営業会議での演説にて

上司の言葉をまとめてみたよ。夏コレクション – Everything you’ve ever Dreamed

ここで語られる上司の言葉は、「こんなのフィクションだよ」とよく言われてるが、フィクションだったらどんなに幸せかわからないほど暴走してる上司・企業内の常識は存在するんだよね…。ブラック企業にいたからわかるけど。

イラストレーター、ライター、SEに限らず、他のセクションの仕事を買い叩く・ムチャぶりする連中には3タイプ存在する。

1つはフミコフミオさんの部長みたいに「血を吐いた商品を」と相手の努力や大変さは多少なりとも知っているけど、仕事である以上自分達の立場を優先して相手の努力をわざとないがしろにするタイプ。

SHIROBAKOで言う平岡くんみたいなやつね。

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いや、平岡くんだったら職場の空気次第で多少は話せばわかるところがあるからいいよ。実際、平岡が制作進行としての役割をクオリティより優先するようになったのは前職での苦い経験からくるもので、そうじゃない現場だと示したら自己保身に走らないで働いたし。

でも、平岡というキャラは割と現実的な落とし所で下手すると宮森よりも評価されるべきキャラじゃないかな?現実問題、チームプレイをうたってても、みんな取り分が同じわけでもないし、責任を押し付けられる仕事はあるからね…。

さっき、引用したブログもこんな格言が続く。

「売れたときは営業の手柄。売れないときも企画開発の責任!」
※同上。

上司の言葉をまとめてみたよ。夏コレクション – Everything you’ve ever Dreamed

全部が全部じゃない。だが、責任を押し付ける・優位に立とうするぐらいじゃないとわたっていけない組織は世の中にある。暴君化や暴言を吐くことでしか生き残れないような職場がね。

もっとタチが悪いのはSHIROBAKOだと「コンテンツが失敗してもいいから自分の思ったような奴に声優をやらせよう」と押し付けてたレコード会社などからきた声優オーディション3人組。

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平岡はまだ現場の人だし、多少なり志があるから「成功させられる方向で周りが動いてるなら…」という妥協点はある。

ただ、この人ら「コンテンツが失敗してもいい(ゴールが違う)」から話し合う隙間が限られてくる。

好条件が揃ってれば落とし所を模索して相手のゴールとこちらのゴールを合わせることもできるが、そうじゃない時は相手のゴールに合わせるかこちらのゴールを突き進んで認めさせるかしないと一緒に何かを作ることができないわけで…。

ちなみに、政治的に事務所がねじ込んだ声優・役とあってないネームバリューだけの人が声を当てたアニメは次のような反応が出るので、よかったら見てね。

電波教師 松井玲奈 – Twitter Search

話をライター業に戻そう。

クラウドソーシングに上がってくる仕事や、それによってできたものなどを見せてもらうと「本当にこれでいいの?」「ライターに頼みたいんじゃなくて、めんどくさいからライター案件にしただけじゃないの?」と本気度がちっとも感じられない。

でも、冷静に考えればあたりまえだ。こっちが思ってる本気が編集者やもっと平たく「サラリーマン」にとってのゴールじゃないんだから!

僕は一貫してメディアで書いてるライターを見下してる理由はそこにあって、Facebook経由なり、はてなブログなりで「ライターに外注して書いてもらってるメディア」みても、ちっとも面白くないんだもん!

ライター自体が面白くないんじゃなくて、僕が一目置いてる人でさえその人が書いたとしてもライター業(メディア)フィルター通るとつまらなくなるんだもん!面白くしようというところにゴールを置かなくなるから!

面白いもの作る気ためにネタをきっちり作らせる・一緒に作り気がないか、面白いもの作れる人を雇い入れる気がないかはわからんよ?わからんけど、結果的にバズらない、ネタが当たり障りなくて新鮮味がない、無難すぎて刺さらない、ブログでやったら製作時間2・3時間で書けるぐらいの知識量のものばかり。(知識量は満たしてても書き方はもっと下手)

そんな情報ばかり書かせる、割り切って書く…駄サイクルのような需要と供給が仕事を振る・受けるの間でマッチしてるから酷いメディアも付加価値の低い仕事も滅びない。

ただ、読まされる側・面白さ重視で書きたい側・本気でいいネタを集めたい人からすれば、ディストピアそのものだ。

でも、もっと酷いディストピアには意思自体がない。正確には、関心もないし知識もない。

ヤツも「コンテンツが失敗してもいい(ゴールが違う)」点では声優オーディション3人組と変わらんが、この人の場合「どうでもいい(無関心)」だからなぁ…

はい、ご登場いただきましょう!茶沢さんです!

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結局さ、相場や段取りを知らない人・無関心な人が一番他人のセクション・全体の仕事をぶっ壊す。

しょっぱなから無茶な案件を振ったり、作ってしまうだけじゃなくて、この手の人は自分がいい加減であるがゆえに最低限の段取りすら抑えてくれないから「終わってみると買い叩かれた!」というパターン

SHIROBAKOで省かれたが、茶沢はもっと醜悪!

茶沢レベルになると仕事をする上でのリテイクや回り道が「多少のトライアンドエラー」なんてレベルじゃない!

予算やスケジュールについても足元を見てる・見てない以前に「自分達の段取り(いや、それ以前の都合とかメンツ?)しか見てない」からいかに筋の悪いことをやってるか、良い物を作れないような曖昧な指示・無茶な予算やスケジュールかを自覚してないし、する気もないし、説明したところで説明されてる事自体にキレる始末。

ポジショントークとか、ゴールが違うサラリーマン的で自己保身的な人以上にやりようがない(落とし所がない)のが茶沢タイプだ。

あえて彼らなりの合理性があるとすると「手間がかからないこととそれでいて勝手に成果を上げること」「上司や世間様に顔だけは立てられる見栄やメンツ」辺りがある。

そうです!茶沢タイプは見栄やメンツで動いているから普段は何も考えてなくて、上司や周囲から出た命令や(手間とか関係なく)よさ気な提案は調子よく押し付けてくる。

だから、引き受ける前からコスト計算や時間計算ができてないような仕事だったり、段取りがちゃぶ台返しされたりが起こる。起こる理由は何も考えてない上に上司の命令だけはころっと聞いてしまうから、彼らの下・対等な人間は振り回されるか寄りかかられるかする。(が、これらの惨事が見えないような政治工作だけは熱心にやるよ?茶沢は。)

SHIROBAKOはわかりやすくデフォルメしてくれるから茶沢を茶沢だと気づくが、現実の仕事では漕ぎだした船であったり、下手すると土壇場で「こいつ茶沢じゃね?」「チョ~茶沢だしw」「茶沢ってんじゃねーよ!!」とキレたくなる。

あ、僕を病ませた職場では、ユリ熊嵐の針島さんとSHIROBAKOの茶沢を混ぜたようなヤツに指揮命令系統分断されたり、仕事が青天井によりかかられたりして煮え湯を飲まされたことがあるから、経験者として語りたい。

リアル茶沢の特徴

人の話を聞いてない(聞いてるふりぐらいはしてるけど、白々しくてムカつく)

プライド高いから他人からの指摘や意見を聞き入れない。下手するとキレる

指揮命令系統をグチャグチャにする(正規の手続き、合意を踏まない)

仕事の段取りを守らない/知らない/知る気もない

自分の言いたいことだけはきっちり差し込んで来るか、それを聞かせるために一方的な実質的監視状態を作ろうとする

個人技だけで見ると大したことがないけど、立場とか上司ウケばっかり考えて動いてるから「良さそうに見える」から茶沢だと多くの人は気づかない。ゆえに、目の上のたんこぶみたいな位置づけになったりする。(ここ、SHIROBAKOでは描かれてなかった大事なポイント)

ライターやイラストレーターが買い叩かれるのは確かに経済原理や時代の流れもある。でも、「買い叩こうとする圧力」「仕事が終わってみると割安になってしまうほど追加注文された」被害はどんな仕事でも報告されてる。

そういう人の間をかいくぐって仕事行ける人はそうすればいい。

でも、僕みたいなやつはいかに茶沢と仕事をしないか、茶沢を回避するかに命がかかってることあるから相手が仕事に対して適切な指示(課題提示)が出せてるか、良い物作る気があるのかは見ておく必要はある。

まぁ、普段そうでなくとも相場を知らない・不慣れな物を売買する時、エンドユーザーで「俺がお客様だ」と思ってるヤツが茶沢みたいになることもあるので、茶沢化してないか自分自身も戒める必要はあるけどね…。

SHIROBAKO ~上山高校アニメーション同好会~ (1) (電撃コミックスNEXT)

SHIROBAKOは宮森にちっとも共感できないから、ヒロインが好きで見てたわけじゃない。でも、人間観察として「グロテスクにならないギリギリのラインまで踏み入ってる」という意味では名作だと思う。

・その他参考資料

刺身が生なんだが

フミコフミオさんの部長シリーズがけっこうヒントになってできた。

第三少女飛行隊の原作編集の茶沢は本当に悪人なのか? 

僕とはちょっと違う意見。でも、茶沢の話を書くために参考にした。

ユリ熊嵐

少し触れたので。ユリ熊嵐はブログで度々触れてるほど汎用性があるお話。

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