ニュースについて書いたツイートに大きな反響があったから、掘り下げてみたい。
今さらそんなこと言われてももう東京暮らしが長いし…
すげー!散々「働くために故郷を捨てて出てこい」と煽られた世代が、「お前達は用済みだ!東京から出てけ」と言われる。姥捨て山の時代と同じやで!/<東京圏高齢者>移住促進を 25年、介護人材90万人不足(毎日新聞) – Yahoo!ニュース https://t.co/tSokRyNTc3
— 三沢文也 (@tm2501) 2015, 6月 5
元記事にある話としては「団塊の世代が介護を受ける2025年には介護の受け入れ能力が低い東京では患者のたらい回し・介護サービスの奪い合いが起こるよ。だから、東京からさっさと出て行ったほうがいいッスよ」というもの。
こうおっしゃるけど、元を正せば「金の卵とかもてはやして【故郷を捨てて東京に出てこい】と煽られた世代」でもあるわけだ…。
集団就職のための列車自体は「金の卵」という言葉が流行る10年前…つまり1954年ぐらいからあったらしい。
つまり、これから介護が必要な世代はだいたい「東京に生活基盤を移しちゃって今さら東京から動けない世代」がガッツリ続いてるわけだ。10年とか20年単位で。
…だったら、東京での介護の能力を強化したほうがよくない??
田舎に移住する人はどこに移住するかもわからないし、継続的に移住してくるとも限らないんだから、東京に要介護の人も、福祉従事者も増やしてしまったほうがよくない?
ついでに言えば、中卒とか大卒後にずっと東京で働いてる世代にすれば、一番長く住んだのが東京になってしまっているから東京から動きたくない…とも言えるわけだよ。
特に、今の人と違って、昔の人は土地や住宅に多大な投資をしてた後で「今から移住なんかできるか!!金がねーよ!!」という状況もあるわけで…。
ちょっと地方に行く分には「都会の喧騒を離れて」といえるよ?
でも、夜にお店がやってない、そもそもお店がない、下手すると車必須のような地方に移動して生活できる高齢者はそんなに多くないでしょ?
足腰が弱くても、車が運転できなくても交通網が充実してる都心で暮らしてもらう方が危険じゃないと思うんだけどなぁ…。(特に自動車に乗る場合、交通事故の加害者になることもあるし)
結果として、男のぼっちかそれでいて東京に長く住んでるはずなのに未だに田舎志向という変わった人じゃないと移動したがらないのでは?
しかも、そこにある程度の資金力と思い切りがないと移動できないから…地方への移住なんて今さら言われても困るわけで…。
多分東京で蓄財できない今の若者も同じ問題を抱える
僕らの世代だってこの世代の悩みは他人事じゃない。
結局は大学卒業したら関西さえ就職口ないし、まともな企業の多くは拠点が東京だから、東京に出てこざるを得ないんだよなぁ…。
でも、普段の生活にお金がかかりすぎるから、まとまったお金を作るのがすごく難しい。
移住するだけのお金をまともに捻出できる人、もっと言えば移住後にできるような仕事をちゃんと見つけられる・スキルを身につけられる人も限られてくる。
結果として…地方に移住できるヤツの方が強者という事になってしまう。
だから、東京に出てきた人の数だけ、介護の許容量を広げるのが現実的。
なぜなら、地方に出ていけるほどタフな人より東京から出られない人の方が圧倒的に多く、この傾向は今後も続くから。
まだ就職してない・進学もしてないような人はそもそも「東京に出てこないようにすべき」だと正直思う。
東京に一度出てきちゃうと、そっから引き返すのが大変だもん。
東京にいれば…いや、出て行くという選択肢も含めてだいたいのことはお金で解決できるよ?
でも、お金でしか解決できないから悩んだことを突き詰めていくとだいたいお金にぶち当たる。
いや、都会から出るだけならお金の問題だけど…暮らし続けるとなれば、元々田舎にいた人よりも苦労が多いのよね…。
田舎から都会にシフトチェンジはいつだってできるけど、都会で磨くべき時に運転スキルも磨かず、アウトドアっぽいこと(それ以前に虫とかに慣れること)もできてない人、感覚を忘れちゃった人が突如田舎行くのは無理だよ。
だから、今地方に住んでるラッキーな人はよっぽど地元が嫌い・親が嫌いじゃない限りは東京に出て行かない方がいい。
地方から東京にはいつでも動けるし、地方の方が基本的にサービスの(種類はともかく)数が足りてるし、お金はかかりにくいし…。
どこへ行くとか書かれてるけど、どこにも行けない人が大多数だから問題なのでは?
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