フリーゲーム「召喚指揮候補生」が色々な皮を被ったノベルゲーだった!

総登場人物は約50人。(使用可能キャラ38人。ストーリーパートに登場する使用できないキャラが10人ほど)

プレイ時間が「8時間程度」とかあるけど…もっとかかるわ!

ゲームが難しいからじゃなくて、テキストを読む体力が僕になかったからもっとかかった。

まじめにテキストを読んでたせいやゲーム上の駆け引きで考えこんでしまったせいで、僕はこのゲームにだいたい一週間ぐらいを費やした。
1日3時間ぐらいプレイしてたかな?プレイ進行自体は難しくないんだが、テキストが膨大過ぎてぜんぶ読んでたら頭痛がしてきて切り上げて…を繰り返してた。

僕が「30ページごとに情報量が多くて本が読めなくなる」と言ってる境界線上のホライゾンを読んでるのに近い感覚だった。

(あくまでもつまんないからではなく)僕は何十人のキャラが出てきて多数の部族や国家が対立する「壮大なファンタジー」を読むと頭がついていけなくなって中断して時間がかかっちゃう人間だから、今回は手こずった!

何度も言うけど、作者のせいではない。
ホライゾンでもハリポタでも同じようになるし、逆に言えば壮大なその2作が好きな読書の体力がある人にはもってこいの作品とも言える。

■ゲームの概要

【あらすじ】
よくあるファンタジー世界で
召喚指揮官を目指す主人公が
部屋に戻るとそこには見知らぬ少女が!

【概要】
38人の部隊員を適切に使い分けて
相手になにもさせないで圧殺する
RPG+ADV+SLG

<ジャンル>
Juvenile Rail Playing Game.
世界:ジュブナイル系量産型ファンタジー
推奨年齢:13~29歳
難易度:めちゃ易しいはずと思いたい
平均プレイ時間:8時間程度

<世界概要>
領土が不毛の荒野しかなかった国、帝国。
その帝国の国営学舎にして軍事組織、魔導院。
この作品はその中の戦術研究科に新設された
召喚指揮官コースの、ある生徒のお話です。

公式の説明が詳しいので、ほとんど全部引用。(抜かしてる所は後で出す予定)

ゲームに出てくるキャラはこんな感じ

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ちなみに僕がハマったキャラは「くそねみ」と「☆」と「生まれ損ないの欠陥品」です。他にもいるけど、欠陥品以外はキャラとしてそもそも斬新すぎて衝撃を受け、欠陥品は…もうセリフが泣かせます。同じキャラが好きだといった人とは僕はオフ会がしたいです。いつもより冴え渡るようなコーヒーが飲める気が致します。

ダウンロード・作者ホームページ召喚指揮候補生

だって、頭痛がするほどぶっとでるんだもん!

この前提を共有できないとゲームが途中でしんどくなるから先に自分の経験談混じりの話から始めることとする。

僕に言わせれば、候補生はノベルゲー

正直に告白するが、フリーゲームレビューをする時に僕はノベルゲーやギャルゲーを避けてる。
その理由は「読むスピードが遅すぎて製作者が意図した時間通りにゲームを終えられない」「ブログ文体に慣れすぎてスピード感のないテキスト、作者の癖が悪い方に出てる悪文はゲームの内容にかかわらず楽しめない」からだ。

今回のゲームは僕が弱点する「物語を手早く(脳内に)入力していくスキル」が試されるものだった。

アニメや映画なら作品の深いところまで解釈できるし、新書やラノベなら長時間活字が読めない…というわけでもない。
ただ、「物語を読むのが苦手」であり、ラノベや短い文学作品ではなく、複雑なファンタジー作品になってくると頭痛がする!

パソコンっぽく言えば「テクスト化された物語を圧縮する規格に対応してない」から小容量なら活字でも読めるが、大容量だとどこをそぎ落として覚えていけばいいかわからなくなって混乱する。

読書に慣れてない僕の候補生プレイレポ

まず、本を読みなれてない人がハリポタを読むと登場人物の多さ、おまけに画像によるイメージがない、外人の慣れない名前や相関関係のせいで「登場人物」の項目と本編を往復する。

でも、ハリポタと共に挙げた「境界線上のホライゾン」の場合、頭痛がする・30ページ以上読めない理由がもう一個ある。

なんでもありすぎ。テキストの盛り上がり方が多彩すぎる!

ある時はオタクの男子の萌えトークっぽく、ある時は作りこまれたファンタジー色の強い戦記モノっぽく、ある時はまともな人物のライトノベルっぽく…。ホライゾンと言う作品は1つの作品の中に別作品なら主役が務まりそうな作りこまれたキャラを10人20人単位で、ほとんどのキャラをあからさまな悪者にしないで作りこむ…という離れ業をしてる。

そのため、読書慣れしていない人がホライゾンを読むと1章…おおよそ30ページごとに違う作品の書味・持ち味に入れ替わりそれらが共演してるから頭の中で負えなくなっていく。
しかも、僕の場合はホライゾンのアニメを見た後に小説にとりかかったため余計にアニメ的な手法と小説的な手法の違いにまで気になって読書が進まなくなった。

ここでやっと召喚指揮候補生の話!
召喚指揮候補生はホライゾンにも勝るとも劣らないほどなんでもありな作品だ。

だって、作者がこんな注意書きを出しているんだから!

<レーティング>
以下の要素が規約及び社会的良俗に反しない程度に存在します。
・下ネタ  ・暴力  ・流血   ・苦痛表現
・特殊性愛 ・メタ  ・オマージュ・恋愛
・性転換  ・偏愛  ・スラング ・ノンフィールド
(グロテスク、ホラー表現はありません)
中でもメタは強烈です。

このように、網羅する範囲ならホライゾン顔負けに何でもありだ!
しかも、プレイ中使用可能な登場人物38人にキャラシナリオがそれぞれあるし、それ以外のメインの会話を担当する10人そこらもやっぱり…個々の立場が微妙に違う。

それぞれを掘り下げてシナリオに活用する作風だから軽めの話が少ない。
正確には「軽そうに見える話」はあるが、重い話につながってて「独立したギャグ」はほぼほぼない。

フリーゲームのテキストのあり方の中を2つに分けられる。
1つは「幾つかの独立したギャグ」があって、話のメイン以外にサブを楽しめるタイプのRPG。
こっちは巡り廻る、らんだむダンジョン、新入り魔王辺りが代表例かな。世界観全体やキャラの個性を強調するためにギャグや小ネタを用意してる。

終わるタイミングが見つけにくくてドツボにはまりやすいゲームに多い仕様ではあるが、ゲームの序盤・中盤でも自分なりにゲームが楽しくプレイできる「クリア以外の楽しみ」が見出しやすい。(が、それゆえに終盤までプレイする根気のない人が中盤だけ楽しんでやめちゃうケースがこのタイプは多い)

1つは「テキスト部分の殆どがメインシナリオと繋がっていて、ギャグに見える言い回しもメインになってる何かを強調するために描かれている」というもの。
今回の召喚指揮候補生以外だと、魔王物語物語やReincarnation辺りがそれに当たる。
遊びがなくなりやすいが、2度3度楽しめる親切設計にしてムダがない作り。最初の方の意識を向けてないうちから伏線があって、それに気づき始めるとゲームの終盤に「早くこのもやもやした伏線と続きが気になる気持ちを全部整理したい」と全力でゲームにぶつかれる。

たしかに、しんどかった。時間もかかった。ゲーム自体の難しさよりも正直言うと設定上の人数の多さとテキストの多さ、覚えておかないといけない設定や意味深な文章…で頭がパンクしそうだった。
だけど、それらが回収されていった時、ガッツリまとめてプレイするのも気持ちよかった。終わりに向かっていくに連れてゲームの難易度とテキストの方向性がぐいっと変わっていくところに引きこまれた。

ゲーム性の話をほとんどしてないけど、流れに応じて、文体に応じてプレイする姿勢が変わっていく体験が長編のファンタジーを読んでいるような感覚で疲れながらのめり込めた。

その事が僕にとって一番大事だった。

時間がかかった理由はゲーム性にもあり

召喚指揮候補生のゲーム性にも少し触れておきたい…が、これもテキストということはほとんど同じ。
斬新なのにわかりやすくて、終盤は手に汗握り、序盤にはゲーム自体の持ち味が斬新で簡単なのにドキドキ。でも、文章を読むスキルが試された、その事で普段こういうゲームに慣れてない僕はやっぱり考えすぎて時間がかかって疲れて進みが遅かった。」

僕が「候補生はノベルゲー」という理由は実はここにもある。

ゲーム自体は「相手の行動を読み取って塞いだり、先制攻撃するカードを出すカードゲーム」である。

一見すると簡単そうだが、この「相手の行動を読み取る」が読解力と若干のカンが求められる。

パターン化できる部分もあるが、「相手の行動」を示すテキストが多すぎたり、ステージによって増えたり、同じテキストしか出さないからテキスト以外の要素を使って読み取らないといけなかったり…。

また、こっちの使えるカードも最大で38枚から12枚のデッキを選抜して戦うため、デッキ選びも戦略の組み立て方も大いに悩む。(さらに愛着のあるキャラを使いたくなってまたデッキの編成に悩む!)

当然、だんだんと難解になっていって、最後の方には初見殺しもあって幾つか暗記を求められる箇所も出てくる。

つまり、すごーく頭を悩ませるゲーム。それゆえに時間がかかってしまった。ゲーム設計による救済が多いからつまづきはしないが、こんなに文字を読む・ルーチン化しにくいゲームもなかなか珍しいので、けっこう手こずった。

僕はつかれた・つかれたと終始言い続けてきたけど、疲れるのは悪いことじゃない。

どうせやるなら疲れてでも最後までやってしまうような中毒で、色々考えさせられるような重量のあるコンテンツをやった方が毒にも薬にもなっていい。

たしかに、タフさが要求されるゲームだ。普段、ゲームに対して作業的に読み飛ばしたり、動作的な楽しさを求めてる人にはあまり向かないゲームだ。
ただし、ちゃんとテキストが読めるし、考えながらゲームができてる人には感覚的な面白さも、カオスとしか言いようのないほどに散りばめられた大量の物語が出迎えてくれる素晴らしいゲームだ。毒にも薬にも肥やしにもなるようなタフなゲームだよ。

GENESISシリーズ 境界線上のホライゾン (8)下 (電撃文庫)

※偶然にも最新刊の発売日二日前でしたが、あくまで偶然です。

ホライゾンホライゾン言ってた理由は、最近ホライゾンホライゾンうるさい知人に促されてホライゾンを読みはじめて頭痛がしてるからです。面白いには面白かったけど、アニメを手に取るまで3回も知らない作品のあらすじ講習をされ、読み始めたら読み始めたで促されていくので、状況だけ見たら拷問にしか見えない何かがあって「しゃーない。忙しいけど」と手にとったことをこの際だからついでに告白しておきます。

あ、何度も言うけど、ホライゾンは読書慣れしてない人には頭痛がするけど、これ以上高度で面白くてバカげてるラノベもないです。知人には感謝してもしきれませんので、そのうちどこぞでお礼参りを倍返しする機会を伺いながらホライゾンと格闘する日々を送っていますw

みなさんも、登山をするような覚悟で挑んで見て下さいね(ヤンデレスマイル)

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