前にWikipediaだけを見るとかえって誤解を招くような記述が入った作家について 触れた。
佐伯俊=toshでいいじゃないか!~むしろ、プロの二次創作・成人向け時代の作品が見たい僕には理解に苦しむ~
イラストを見てもらえばわかるが、toshさんと佐伯さんは肉付きや目筋、スカートの丈や足の太さまでそっくりにイラストを仕上げてくる。活動時期の時系列的なことなども踏まえてファンの間では「同一人物」と言われてる人だがWikipediaには佐伯さんとtoshさんは別人とされている。
どうも僕が知らなかっただけでWikipediaの中には「過去の経歴や別名義がなかったコトにされている作家」がけっこういるようだ。
その中でも多かったのがあずまんが大王の作者「あずまきよひこ」氏の別名義「序ノ口譲二」がWikipediaのページごと消された…と言うもの。(アマゾンでは序ノ口譲二さんの本も売ってるし、pixivにも本人かはわからないけど序ノ口さんを名乗るものがあるそうな…。)
でも、この類の話題で僕に回ってきた一番のネタはなんといってもこれだろう。
名義ごとにWikipedia記事を持つ作家!
では、まずは僕への情報提供の文から見てみよう。
Wikipediaは一見「公平」な資料の様に見えて、編集者による偏見等がふんだんに盛り込まれているから。
声優なんかも、所謂エロゲーの別名義はタブー扱いだし。
絵師でいえば『伊東雑音』なんかも酷い。
ネタとして(※「蒼月昇」が賑わっていた時期でもある)、「いとうのいぢ」氏が名乗っていたのは間違いないというのに。
Wikipediaには、『成人向け作品を毛嫌いする編集者』が結構居て、そういう人間が「成人向け作品以外で、その人物を知った(≒一般向け作品が圧倒的に知名度が高い)」場合に起こり易い傾向がある。
…問題のWikipediaを見る前に、まずはWikipedia上では「いとうのいぢ」はもちろん、別個に「伊東雑音」さんのWikipediaがあるという奇妙な事実を提示しておきたい。
こうやって見せられると、あたかも別人同士に見える。念の為に絵柄でチェックしなくては…
伊東雑音さんがキャラデザ・原画作品(Wikipedia上にある作品の公式サイトから)


…かなり似てるよね?ある時代に増えた画風だけに、この二枚だけで判断するのは難しいが、すごくよく似てる。
さて、この二人、同一人物なのかどうか、他の辞典系サイトを見てみよう。
概要
ALICE♥ぱれーどの原画を担当している。
公式サイトでは「新進気鋭の原画家」と言われているが詳しいことはよくわかっていない。
いとうのいぢと絵柄が非常によく似ている。
伊東雑音はいとうのいぢではありません。 (Wikipedia的な意味で)
どう見てもいとうのいぢです、本当にありがとうございました。「Flyable CandyHeart」に「ALICE♥ぱれーど」の登場人物が何人か出演して、FCHに伊東雑音はクレジットされて無いけどやっぱり
伊東雑音はいとうのいぢではありません。 …多分。
えらく挑発的ですね、でもこれだけじゃないんですよ。
いとうのいぢ
うーん、挑発的!
ここまでの流れは佐伯俊さんのネタの時にもニコニコ百科事典やpixivの中であった話だけど…今回、ややこしいのはここから。
実はWikipedia…それも伊東雑音のWikipediaにはかなり決定的なことが書いてある。
自身のイメージ画像には、いとうのいぢのイメージ画像をシルエットにしたものを使用している。
ここまで明らかになってるのに、いのうのいぢさんとは別人だというのだから変な話だ。
また、Wikipediaの議論を見ても、こんなことがある。
公式には発表をされていなくても正体はいとうのいぢさんであることは明確なので同一人物との表記は問題ないかと思います。公式発表こそされていないもののアキバ総研等の専門サイトなどでは「いとうのいぢ作品」などの一覧に「伊東雑音名義」などの表記が多用されていますし、ゲームショップではALICEパレードを「いのうのいぢの最新作」と表記しています。業界やファンの間では常識の様に知れ渡っています
事実、例えば「電撃姫 2007年10月号」では、伊東氏のイメージ画像がいとう氏のイメージ画像と酷似(ほとんどいとう氏画像のシルエット版)しており、所属会社としても暗に「いとう=伊東」を認めていると言ってもよいのではないのでしょうか。
このように出典があるのにもかかわらず、いとうのいぢのページでは伊東雑音さんの話は載せられず、ノートでは次のようなコメントがなされてる。
)伊東雑音に関する記述は除去しました。僕はこの二人の人物に関して詳しくはありませんが、絵を見ると確かに二人のものは似ていると思います。しかし現時点での二人の関係はあくまでマスコミやインターネットでの推論であり、Wikipedia:独自研究は載せないに反しているのは明らかでしょう
…週刊誌ソースで語られてるものや出典が1つしかないようなWikipedia記事もあるが、それを全面否定するような事を言ってる。
低俗すぎたりニッチ過ぎたり…ネタの性質上、週刊誌とか一部の人の本とか大手マスコミや公式サイトなどをソースにしない記事はあるからなぁ…ソースがそろいにくいネタはしょーがない部分はあると思うんだけどね…。
という観点から「おかしなことを言うアカウントだ」と思い調べた所、案の定書いた人はWikipediaからすでにブロックされてる人だった。
さらに、初期からのいとうのいぢ=伊東雑音説の否定派についてもけっこうな嫌味を残してる。
ああいうのは暗黙の了解ってもので、ソースがない限り書くのは不適切。業界の秘密を教えたいその気持ちは分かりますが。
(晒し上げるのが目的ではないから、出典は載しない方向で…)
…え?
その人が本とかゲームとかの仕事を手がけてる以上手がけたものは可能な限り全部拾って伝えてあげてほしい(書かないと抹消されたようで忍びない)と言うだけだけど?
僕がtoshさんの話をしたのはうんちくが言いたいからじゃなくて、お世話になってる素晴らしい作品を出してるのに、それが言及されないことで忘れられる・黒歴史のごとく隠蔽されることに不満を感じてるからだけど?
話をノートに戻そう。終わりの方のこのレスもなかなか面白い。
いとうさんのサイン会へ行きました、いとうさんは広東語で「大家好,我係伊東雜音(みなさんこんにちは、伊東雑音です)」と言いました。本人が認めましたから伊東雑音をいとうのいぢへ統合しても問題ないと思います。
結局中国語ウィキペディアはzh:伊東雜音 (1999年出道)(いとうのいぢ、1999年デビュー)、zh:伊東雜音 (2007年出道)(伊東雑音、2007年デビュー)という形になりました。
(同一人物のレス)
…なんだこれ?中国だといとうのいぢは偽名にもなってないのに記事が2つあるってことか…。Wikipedia基準での情報整理がかえって別の事実、存在しない事象(ウソ・誤解を招くような解釈)を生み出してない?
Wikipediaを悪く言う気はないが、人々が知りたい「ググる感覚」とWikipediaの編集方針には乖離がある。
逆に彼らの言うように百科事典として使うには記事による個人差がありすぎ。
Wikipediaに否定的なおっさんは「ネットだから」という掲示板やまとめサイトと混同した言い方でしか避難しないけど…逆だ。
「事典」を目指してるから、「辞書のような使いにくさ」の方が強い。
事典特有の堅苦しさ故に情報が足りなかったり、主観的な部分はあるけど客観的に振る舞おうとするから表現・記載・選出されてる単語(記事)などがこじれてたりするんだよなぁ…。
ちなみに、いとうのいぢと言うとシャナやハルヒの挿絵で有名だが、ハルヒはドンドンアニメ絵(もとい京アニ風の絵柄)へと推移していく過程が面白いです。
のいぢ絵がどんどん京アニっぽい「整った絵」になっていくさまは面白いです。
・noteやってるよ〜