ラーメンブームが一周して、きっと中華屋の味や中華そばのそば感が恋しくなる

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この間、岡崎さんと一緒に中華屋さんに入って海鮮あんかけそばにホッとした時にふと思ったことを語りたい。

元々の僕は中華風のラーメンよりも日本風のラーメンのほうが好きだった。

中華風は(刀削麺を除いた一般的なところは)麺にこだわりがない・スープもそこまで旨味エキスが出てる感じがしない・それでいて同じぐらいかそれ以上の価格がする中華屋のラーメンに「損した気分」を覚える人間だった。

でも、最近になって意見が変わった。

旨味はいっぱい。でも、そんなに濃ゆいと食べられません!

日本のラーメンは年々やりすぎ、行き過ぎになって食いにくくなてる!

美味しいものはおいしいし、よく食べるには食べる。

だが…ものによっては胃もたれするほど濃ゆかったり、見るからに体の悪そうなほどのドロドロ感…それこそ「これ飲めばお前の血もドロドロになるぞ」と言わんばかりのラーメンもよく見かけるようになった。

特に川崎市は家系ラーメンが多く、また東京に出ていっても家系ラーメンが進出してることが増え、「ドロッとこってり」なラーメンを最近はどこでも見かける。特に自家製のスープで本当に白く濁っているようなスープともなれば…20代で胃が丈夫な私でも飲めないようなスープもある。

おいしい店ほど魚介を強調したり、肉メインのスープでも下処理をきっちりやって臭みやこってり感、油っこさが出過ぎないようにしてるけど…まぁ、そうじゃない店に当たったり、おいしい店でもこってり感を売りにしてるようなところとなると…正直辛い。

しかも、麺までモッチモチ感を強調するから「ドロッともちもち」で普通の量でも僕は胸焼けを起こす。卵がいっぱい使われてたりするとなおさらだ!

ヘタしたら二郎系がこってりしてると感じないぐらいにさえ思える。

骨や肉を砕いて液体状にして入れるような店、そのくせ野菜とか全然入らない店とかに比べると、山盛りの野菜で油っこさが薄まる・にんにくの辛さと豚肉のあまさと麺とスープの醤油っぽさが見事にマッチしてる分ゴテゴテしてないようにさえ思えてしまう。

…本来なら二郎だって、食べ物全体から見ると不健康な部類なはずだが、一人でもお店に入りやすいB級グルメばかり食べてると

「ほら、二郎は野菜がいっぱい入ってるし…」

とか言い出すようになっていってしまう。水っぽい野菜を食べるために、どれだけの油と塩分を一緒に流し込んでるかも考えずにだ!

しかし、現実は「水っぽい野菜」すら入ってないラーメンが増えてる。

スープだけは「そこまでやらんでも」と言うくせに濃ゆい。

だが、年々ラーメンから野菜らしきものが減り、入っていても箸休めにならないぐらい濃ゆく味付けされている野菜やメンマを食べて「もう、いいよ…」とうんざりしてしまう…そんなラーメンが増えた。

その反動として、昔はなんとなく作りが安っぽく思えてならなかった中華屋さんのラーメンを食べることが増えた。

まずいところもあるが、少なくとも胃もたれ起こすところはほとんどない。

野菜炒めが乗ってたり、具材がそこまで肉々しくなくても素材の味がキッチリしてておいしいかったり、野菜がシャキシャキだったり、海老がぷりぷりだったり…。

しかも、スープだって濃さとか旨味で言えば日本のもののほうがあるけど、決して旨味がないわけじゃない…。

そして、ひき肉入り・あんかけ系・野菜炒め入りのものでもはじめのほうはスープがよくある醤油味、または味覇っぽい何かの味。でも、麺を食べ終わった後には素材の味が溶け出して違うものになってるのがおいしい。

麺も無愛想に見えて、案外アレでいいような気がしている…。

最近の卵やかん水を使いすぎた個性的すぎるラーメンまで行かない方がおいしいかどうかはともかく、食べやすいし、鼻につくような嫌な匂いもしない。

僕の知る限り、ラーメンブームは伊丹十三映画「タンポポ」の時代…つまり、80年代の初期にはラーメン、ラーメンと言われてた。

しかし、伊丹作品に出てきたラーメン屋はオーソドックスな鶏ガラスープの中華そば。今のように日本で独自の進化をした「らぁめん」だったり「ら〜めん」ではなく、本当に「支那そば」「中華そば」と言う感じだった。伊丹映画では「メンマ」ではなく、「シナチク」だったし、チャーシューはわざと薄切りにしろというシーンも…。

そうそう、そばなんだ。

ざる蕎麦が食べていくうちにネギやわさびのせいでかえしの味が変わって蕎麦湯を飲んだ時にキレのいい涼しさが流れ込んでくるようなそば。

鴨南蛮そばみたいに具材の脂や旨みが染み出すように、いいラーメンもまた、はじめよりも終わりのほうがスープにコクと野菜の甘みが出て飲みたくなるようなちょっと未完成な部分を残したおそば感…これが最近のラーメンから消えかかってるんだよ。

はじめっから完成した濃いめのスープだと飲み干す楽しみが半減しちまうんだよなぁ…。アレはアレでウマいけど、うまいけど「あとで体壊しそうだから飲まないで帰ったほうがいいや」と思いながらラーメン食べるのはちょっと切ないんだよ。

チャーハンはそんなにパラパラさせんでええ!

中華屋の話をしたからついでにチャーハンの話も。

チャーハンはパラパラの方がいいとかよく言われるが、パラパラを通り越してはボソボソの奴が出てくることもあるし、テレビの向こうで作っているチャーハンもどちらかというとボソボソになりそうなものが多いから要注意!

むしろ、チャーハンを炒めすぎたり、油をまといすぎて脂っこい上に塩っぽく、卵にふっくら感のないラーメンは正直僕は苦手だ。

家庭で作ったようなふっくら感が残ったごはんっぽいチャーハンが好きでね…。それを、家で作るのと違って、ムラなく炒められ、なおかつ卵もちゃんと味とふわふわ感が残るようなチャーハンが好きで…。

日本的なチャーハンだと、お酒を鍋でちょっぴり焦がしたようなあの独特の芳醇な香りがするチャーハンが好き。

たしかに、両者とも家で作るよりも中華鍋があって、火力もあるお店のチャーハンの方がおいしいし、いわゆる「パラパラ」はしてる。

でも、パラパラとボソボソは違うし、味が濃ゆいのと舌にべっとりつくのも違う。

それにいいチャーハンはチャーハンチャーハンしたあの香りが、チャーシューの風味が鼻から抜けていく

アレも家でつくるとなかなかああ言う風にならないのだが、どうしたら良いやら…

 

 

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