SHIELDsが言う民主主義とは「バカや無知の戯れ言も1つの意見だと認めろ」という危険思想

 

前からブログに書こうと思ってたけど、すっかり旬がすぎてしまったSHIELDsのお話。

書こうと思ってたのに、かけなかった理由はこの文章が5000文字を費やす対策になってしまったことからもわかるように、ツッコミどころ満載な連中だからだ。

思い出す意味でも、ホームページから彼らが何者かの説明を引用してみよう。

 SEALDs(シールズ:Students Emergency Action for Liberal Democracy – s)は、自由で民主的な日本を守るための、学生による緊急アクションです。担い手は10代から20代前半の若い世代です。私たちは思考し、そして行動します。

SEALDs

うーん、シルバー民主主義のご時世で「若い世代が政治でアクションを起こします」と言っちゃう事自体が引っかかるのよね。

宣伝目的の巧妙な手段ならわかる。

でも、実態としては若い世代よりも倍近い団塊の世代や、投票率の高い高齢者層に政治家を重きをおいていることを理解してないのか…。

そもそも「自由や民主主義」という言葉を掲げるのも、理解があってのことか?

批判しにくい価値観を掲げているから「いいことを言ってる」ように聞こえるが、よく言われるフレーズだからこそ「自由や民主主義」では何もわかんない。

多数決による数の暴力を「民主主義」だと言い張る人もいれば、その場の議論や空気をわきまえない稚拙な発言だって何も但し書きをしなければ「自由」のうちに入る。

そもそも、そういった悪用がなされる危険を想定・理解しているのだろうか?

少数派で弱者である若者こそが中身で勝負しないといけない時代

覚えておいて欲しいのは「若い人の意見を世の中に広めるためには「民主主義」はあんまり適当ではない」ということだ!何に困っているかをもっと具体的に書いて、それをコンテンツとして広めていくべきだ。

「語ることがある人だ」と認識された若いブロガーさんの多く出版社経由で本を出している。30歳行かないようなライターをブログはたくさん生んでいるし、商業的な見返りはなかったとしても動画にすることで広まっている。

…SHIELDsもその辺は理解があるらしく、ホームページの作りはとてもキレイだし、動画もたくさん投稿している。視覚メディアのクオリティは高い。

でも、「中身」がない!

確かに、「民主主義を守る」とか「安保法制とは」と言ったいかにも内容のありそうなタイトルの作品を上げたり、表に出て物申したりはしてる。

だが悲しいかな、「自分の言葉」がない。

SHIELDsが安保法制について説明している動画の中でも、デモの参加を呼びかけるパートの中で

「大事なのは考え、行動し、自分の言葉で声を上げ続けること」

と言ってるが、自分の意見なんてものがちっともない。

「国会に招致された憲法学者達が憲法違反だと言ってます」

などの、情勢の説明。

【安保法制に反対する若者達】というイメージで登場してきた彼らだが、彼らが安保法制について説明する動画を見ていくと

「たくさんあって難しいですね

「(こんなにも大事なことが政府の解釈だけで変わってしまうなんて、)なんかピンときませんよね

「(存立危機事態、)よくわからない言葉が出てきましたね

など、ぼんやりと印象を落とすような注釈を加えながら、印象操作をしている時間がほとんど。

やっと自分たちの意見が出てきたと思ったら、

「(存立危機事態についての安倍首相の答弁に対して)なんとも回りくどい文章で、どのような事態がそうした状況を指すかが漠然としており(世論調査でも8割が説明不足と…)」

→政府見解や政治家の言い回し、法律の条文はどれも柔軟に当てはめやすくするために抽象的な文言でとどめ、具体的なケースについて基本的にはしないものですが?

→また、世論不足の言う説明不足とは存立危機事態に関するものではなく、安倍法制で何が変わるかを、そもそもなんなのか全般についてだから、それは自分達の感想ですよね?

「政府は解釈次第で、(略)結果的に、世界中のどんな戦争にも参加させられるということになりかねません」

【解釈を捻じ曲げる】というのは度々、政府がやってきたことで、今起こったことではないのでは?そもそも、自衛隊の存在自体が【解釈の捻じ曲げる】ことで存続している難しい存在であるが、これはどう考えているんだろう?

「SHIELDsが言う民主主義」を考える上で彼らの歪んだ認識を理解しておかない。

「安倍政権が政府の解釈という形で安保法制や自衛隊を悪用して世界中で戦争のできる国にしようとしてる。それは政府という(法律にも内閣にも)自分達が投票もしていない人達の勝手な暴走だ。民主主義の崩壊だ!」

とでも言いたげに「政府の解釈だけで」という批判を展開することは多い。

だけど、その時々の政府はそれが鳩山由紀夫さんでも、安倍晋三さんでも投票して多かった方の正当から選ばれた代表者だし、情勢によって政府の解釈を変えて対応するようなことは安倍さん以外の政治家だってしてきた。

SHIELDs自体が民主党や共産党と仲がよく、デモや報道の中で一緒になっていることが多いためいうが、それは鳩山由紀夫さんだって、それ以前の政権決めていた路線や決まり事をちゃぶ台返しにしている。(ここで普天間基地問題とか、民主党の08年のマニュフェストがほとんど実行されなかった話をすると長くなるから割愛)

菅直人でも小泉純一郎でも、その人が気に食わない時に「民主主義」を口にだすのはお門違いだ!

「菅直人は被災地訪問ばかりして政治的決定をせず、被災地の復興が遅れてる」

「小泉純一郎が竹中平蔵を登用し、規制緩和を促したことで稼げない人が増えて格差が広がった」

と政策で批判しないと意味をなさないのだ。

だけど、SHIELDsのオツムでは厳しいであろう。

例えば、「自衛隊の活動範囲が周辺諸国ではなく、世界中に活動が広がることで危険が広がる」と考えているけど…国防費のトップ10が日本周辺に集中しているから、東アジアは最も危険な火薬庫の1つですよ?

ちなみに、具体的な順位は

1位は米国、2位が中国、4位がロシア、7位が日本、10位が韓国だそうです。

日本は何位?世界の防衛予算 国別ランキングTOP25

これを見て「防衛予算がかかりすぎだ」という人がいるかもしれないけど、隣国の、それも喧嘩っ早い国々が日本よりも防衛予算をかけている。

でも、おそらくSHIELDsの実質的リーダーの奥田くんにこれを言っても

「国家に統制されてる分だけ中東やアフリカみたいなテロリストがたくさんいそうな国よりも安全そうだ」

とか言われそうなんだよなぁ…。前にも「アメリカ軍とスイス軍ではイメージが違う」という発言を朝まで生テレビでしてて、全国から失笑されていたが、彼のオツムなら同じようなことを言いそうでしょうがないのよね…。

実は、世界一の犯罪組織は山口組、2位はロシアマフィア。

それも、山口組の経済規模は8兆円で、ロシアマフィアのほぼ10倍だとか!

指定暴力団「山口組」の収入8兆円が話題に、自治体なら東京都プラス愛知県分 

日本は安全だ、平和だとイメージがあるけど、国内外の脅威の大きさは世界でも屈指のモノだということを理解してもらいたい。

このぐらいのことは安全保障の話をするからには抑えておいて欲しい初歩的な知識だから、言うまでもないことだと思う。

でも、彼らの無知さ加減を見ると、おそらく知らないだろうね。

「近隣諸国やテロの脅威から日本の平和と安全を守るため(略)としてますが、その脅威が政府が強調するほど悪化しているのかは、専門化の間で意見が別れるところですが」

世界2位の防衛費を持つ国と、世界4位の防衛費を持つ国とは領土問題があったり、国境沿いに踏み込んできたことが度々報じられているんですよ?

そして、中国がそれだけ強気に踏み込んできている理由は防衛予算をこれでもかというほど上げ続けているからだ。

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時事ドットコム:【図解・国際】中国国防費の推移

どの辺を専門家と指しているかはわからないけど、SHIELDsの方々のように若くて、時事問題に関心がある方々ならこの事件についての中国政府の強気な反応を覚えているはずだ。

尖閣諸島中国漁船衝突事件 – Wikipedia

そして、動画は次のように続く。

「自衛隊が国外の戦争に参加してしまったら、誰が国内を守るのでしょうか?」

…あれ?もしかして、戦争したいがために安保法制を通したと思ってて、それは海外の戦争に参加するものだと思ってるのかな?

戦後日本の安保問題は基本的には「シーレーン」問題であって、戦争に参加するとかしないとかではなく、「いかに石油を入手する海路を守るか」という議論が中心に来ているのをこの人達、わかってないのか?

シーレーン – Wikipedia

日本は戦前にも石油を止められたことで戦争中に苦しい思いをしてるし、戦後にもオイルショックを経験している(世代が今現在、政治家をしている)ため、シーレーンの防衛には人一倍気を使う。

そのため、領海に侵入されるとか、領土でなくとも中東やインド洋を航海してると襲われてしまうという事態に対して、責任ある立場の人は過敏に反応するのよね…。

ところが、先ほど言及した尖閣諸島沖での漁船との衝突も、「命令を聞かない船が入ってきた」ことを問題にしなかった左派系の政治家がいた。

当時テレビで後に流出することになる尖閣諸島沖でのビデオについての事件のビデオを、福島みずほは「船がコツンと当たっただけ」と言った感じでことの重大さをちっとも理解してないようなことを言ってたわけで。

でも、ぼくが個人的に驚いたのはこの発言。

「政府はこれを後方支援だとしていますが、ちょっと考えてみてください。そもそも戦場に前方、後方という区別はありません。」

後方支援 – Wikipedia

…もうやだ、このバカども…。

それで、「安倍政権は政府の解釈で勝手に決めてる」「民主主義でもっとオープンに何がどう決まったかをキッチリと伝えるべきだ」と動画でも朝まで生テレビでも、各種SHIELDs関係の記事でも言ってる。

そして、その方針は変わってないらしく、最新の活動でもこんなことを言ってる。

「政府の一連の強硬な手続きは、憲法の理念を脅かしているという意味で、特定秘密保護法や安保法制と同根の問題」と批判。沖縄県の名桜大(沖縄県名護市)3年の玉城愛さん(21)は「沖縄だけの問題ではない。民意が政治に反映されないことがいかにおかしいことなのか、日本に住んでいる人たちで考えていきたい」と話した。

SEALDs、辺野古埋め立てに抗議「民主主義を否定」

これ、11月6日の新しい記事なんだけど、相変わらず政策的にどこが悪いかではなく「政府が」「民意が」なんだよなぁ…。

…そもそも、間接民主主義の観点から言っても、安全保障の観点から言っても、何よりもこんなに知識が欠如してて意見がない人達に民主主義を与えることは民主主義ではなく、衆愚の間違いではないのか?

でも、そんな人達も発言権と結社の自由が保証される日本はとっても民主主義だと思うの

僕はこんなバカが若者の代表だと言われることについても、討論番組の末席を与えるのもちゃんちゃらおかしい!

でも、こんな衆愚政治の申し子で、振りまいているものは弊害ばかりのような人でも、殺人予告が来たら「それはダメだよ」と同情の声、手続きや法律を大事にする人の声が聴こえる。

殺害予告をされたSEALDs奥田氏への中傷ツイート可視化プロジェクト 

ある政治家が「人名は地球よりも重い」といったが、それはこの国ではかなり共有されている。…優しい国ですね。

僕の意見としては…奥田くんが「朝まで生テレビ」でなんの教養もない・政治的知識もないバカだとバレちゃった時点で

僕みたいなバカでも行動を起こして集まる自由、ネットで書物で発信する自由、デモをして人がたくさん集まれば重要人物として国会にまで読んでくれるほど多数決を尊重してくれるほどには、日本は自由で民主主義な国です!私と皆さんでその権利をこれからも守っていきましょうね

と訴えかける道化(と言う名のロックンロール)を繰り広げて欲しかった。

そうだなぁ…。最後に、奥田くんにこんな言葉を送っておしまいにしようか。

多数決
間違ったことでも、真実にしてしまえる唯一の方法
幸せではなく、示し合わせを追求する、積み木細工の方式

(阿良々木暦 終物語より)

自由や民主主義は自分達が多数派であればこそ幸せになれるが、少数派であれば、自らを幸せにしてくれるシステムではない!

むしろ、民主主義を持ち上げてても多数派である高齢者や自民党員ばかりが幸せになるだけであろう。

若い人は自由や民主主義よりもむしろ、その上から自分達の意見を発信して数の暴力という民主主義の弊害から自分たちの世代を守るべきだ。

自由や民主主義が間違えたり、多数決の示し合わせから省かれないために、まともな意見を発信し続けることこそが大事なのだ!!!

終物語 第一巻/おうぎフォーミュラ (完全生産限定版) [DVD]

ちなみに、最近の作品の中で一番「これをアニメでやるの!?」という話をやってるから、オススメ。ユリ熊嵐やガッチャマンクラウズも「これはウケない」と思ったけど、終物語もウケないようなことに敢えて挑んでて面白い。

・関連記事(ムダに時間と手間をかけた大作)

フリーゲームの世界から見える角川ドワンゴ論。

さるアニメを、実際の政治ニュースといかに同じ道を辿ってるか説明した記事

これはそこまで長くないけど、学生の失態を批評した記事繋がり。

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