やる前にはそんなに期待してなかったゲームがすごく面白かったので、紹介させて下さい。
・概要
海賊として旅していた三人の女の子が、とある島にたどり着いて、魔王を倒せば賞金がもらえるから倒すぞ!っていうお話です。
作者は「Hero and Daughter」でお馴染みのtachi氏。
だからというべきか、ハクスラというか、やりこみというか…物語もきっちりとあるんだけど「物語の終わりがゲームの終わりだと誰が決めたんじゃ、ハゲ!」と言いたげなゲームを作ってます。
…これだけじゃわからない人のために、4枚ぐらい画像を張るので、どんなゲームか想像してみてください。
やっぱ、魔王ってこうじゃないと!!
かっけー!!姉貴かっけー!!
あれ?オレ、そんなゲーム知ってるぞぃ!?
!?
ダウンロードはこちら。
RPGツクールMV サンプルゲーム|無料で遊べるニコニコゲームマガジン
いや、ダウンロードしてもいいし、ブラウザでオンライン上でもプレイできます。
僕みたいに「メインにChromebookを使ってる」と言った人でも、フリーゲームをする時に古いまたは部分的に壊れているWindowsパソコンを引っ張り出してゲーム機として使う必要がなくなりました。
Macの人とかも「フリーゲーム紹介されてもできねーよ」という意見が多かったのですが、RPGツクールmvで作ったゲームが増えてくると、かなり解決すると思います。
フリーゲームに多い「制約の少ないゲーム」
このゲームは「おいおい大丈夫かよ」というほど、プレイする側には制限が加えられないゲームです。
こんなにプレイヤーを甘やかしていいの?と思うほどの優しさ
・セーブポイントに行けばいつでも回復し放題。しかも、セーブポイントはけっこう多く用意されてる。
・「オカエリの羽」という帰還アイテムを使えばいつでもセーブポイントまで撤退できる。
・全滅してもゲームオーバーにはならない。…相手がボスキャラだろうと決してゲームオーバーにならない!
・それどころか、道中の敵については雑魚だし、歩きまわったコインを使えば、いくらでも好きなステータスがパワーアップできる!!
ただ、敵も敵で、一癖も二癖もあるキャラを用意しているから、「ヌルゲー」にはならないんですよ…知恵と知恵、レベルとレベルのぶつかり合いになるようにやりこませるのがこのtachiさんのゲームなんです!!
作者であるtachiさんのゲームはどちらかと言うと「ゲームの中に沢山の制約を設けて、考えさせるゲームを作るタイプの人」ではなく、「時間をかければクリアできる代わりに、クリアするまでのレベル上げ、知恵を絞ってゲームスキルやキャラのレベル積み上げることを楽しめるゲーム」を作る名人だ。
制約が少ないフリーゲームらしいRPGを作る名人としてのtachi氏
ダンジョンを散策したり、レベルを上げたり、アイテムを集めたり、敵と戦うにしても「なんで?」という変わり種もたくさん出てくる。
一連のRPGの過程を楽しむことを大事にしているため、結果としてストーリーの順番通り進まなかったり、逆にストーリーをクリアしても「もうちょっとやりたい」という願望に応えて隠しキャラやリベンジマッチも用意してくれるような…そんなゲームを作る人だ。
しかも、フリーゲーム系のRPG…特に最近の作品はこっち系のゲームがかなり多いから「tachiさんのゲームをプレイすると、フリーゲームのRPGがどういうものかわかる」という入門にして教科書的な作品でもある。
これは前作「Hero&Daughter」でもそうだったが、本作でもその側面は強い。
「RPGツクールmv公認のサンプルゲーム」だから簡単め・短めに作ってあるものの、フリーゲームのRPGでよく取られる
・作者オリジナルの自作絵
・クリア後や本筋と関係ないやりこみ
・メタ要素ネタ要素
・レベルが高くても頭を使わないといけない高度なRPG戦闘(力よりも繊細なデバフ対策、属性や装備を使った性質同士のぶつかり合い)
などが短いゲームの中でも全てが入っていて面白かった。
それも、中途半端な寄せ集めのことを「烏合の衆」「幕の内弁当」と悪く言う人がいるが、決してそこでとどまらない魅力があるのもよかった。
…と、ここまで説明してもしっくりこない人のために逆に当たる「制約のあるゲーム」の話も少しだけ。
みんなが知っているようなゲームで制約のあるゲームと言うと「ポケモン」が典型例ではなかろうか?
制約が多いゲームとしての「ポケモン」
例えば、ポケモンは「順番にジムリーダーを倒してバッチを取らないと、次のステージに進めない。進んだとしてもあとで問題が出てくる」 という順路と制約がはっきりしているゲームだ。
特にグリーン・レッド世代だと、ニビシティでタケシ・ハナダシティのカスミなどは「最初に選んだポケモン」をメインに攻略しないととてもクリアしにくい。特に、岩・水それぞれのタイプと相性が良い野生のポケモンを捕まえるのはその時点ではほぼムリ!
「制約があるから悪い」というのではなく、アニメやマンガのポケモンと同じような「最初から連れ歩いているポケモンを活かして進む」という体制の方が共感しやすい、プレイヤーにしかわからない物語性・ポケモンへの愛着が湧くからアレはアレで、正しいのだ。
強調したいものが違うのよねぇ…。
「物語としての順路や愛着」なのか、「知らないところを冒険する好奇心やゲームとしての手探り感」なのか。どっちもありだと思うんだけど、フリーゲームの場合…特にtachi氏の作品の場合は後者を重視した作品が多いね。
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もし、RPGツクールmvから「フリーゲームいいじゃない!!」と思った人はこの辺のゲームを片っ端からやるといいよ!
ポケモンみたいな順路と物語性重視な作品が好きな人はHTWやReincarnationを。
逆にSea PirateやHERO&Daughterみたいな制約がない自由度の高い作品が好きな人は「カリスは影差す迷宮で」か「巡り廻る。」をオススメしたい。