俺が書きたいから書くだけの自己満足なので、良かったら読んでね。
いや〜「ロクダイ」はすごいよ!
中学野球のキャプテンに突如抜擢されることでスタートした「おれはキャプテン」というマンガの大学生編なんだけどさ…。
グラゼニとかストライプブルーの原作者である「コージィ城倉」さんが一切の遠慮抜きに好きなように野球マンガを書き続けている実験場なんだよ。…だから、グラゼニやストライプブルーよりも野球初心者にもウケ狙いにも媚びず、やりたい放題!
何さ?豪腕投手が四浪して東大に入って、軟投派になるって!!
なんだよ!女心で感情的になった女の子の本音を尊重してピッチャー交代って!!
さらにだよ!?1巻は半分ぐらい受験の話で、野球のやの字も出てこないというね…
見たことねーよ、こんなマンガ!!
キャプテンの立ち位置が、中学・高校・大学で変わっていく本作
特に、ロクダイシリーズ突入後は中学や高校時代のワンマンなキャプテンとしてはやっていけないことからかなり柔和に、それでいて人間関係に悩む主人公が描かれている。
「おれはキャプテン」シリーズでは、『野球部の活動に対してドライだった主人公をキャプテンにしたことで自分の地位にふさわしい練習や野球オタクだからこそ考えつく画期的なチーム作りをする』 ところが中学野球をしている作品の初期で描かれる。
高校野球でキャプテンをする時には図太くチームを引っ張っていく話だった。大人と交渉しながら新設校に野球部を作らせ、知り合いの元3A(メジャーの二軍)のオヤジをコーチとして引っ張ってきて、さらには自分が中学時代に知りあった強豪野球部の指導者を揺する…
でも、今回のキャプテン像とは違う。
中学や高校だったら部活にかけてる人を炊きつけてチームを猛練習の末に強くすることもできるし、その結果勝てる相手かもしれない。
しかし、大学の場合…特に六大学野球の場合はやる前から決まってる。なぜなら、東大はスポーツ推薦枠の生徒を取らないし、仮に強豪校出身でも野球ができる人はそうそう現役では来ない!!
そのため、野球ができる人間だけでチームを作ることができないし、猛練習してそのレベルまで持っていくこともできない。(仮にそれだけの団結力があっても、スポーツ推薦のある私学はそれが当たり前だと思って野球のためなら修行僧のような生活を送ってる・送ってきた人だっているわけで…。)
その辺は、主人公『4』人組にも現れてる。
特に高校生までならマックス155キロの「豪腕投手」として登場する蝦名富一も、今回は4浪して筋肉がほとんどなくなってしまったところからスタートし、結果的に「軟投派」として再スタートをきる。(東大で六大学野球で通じる本格派投手を養成するのは難しいため「たまたま本格派投手が入ってきて勝った」ではなく、軟投派で戦う所がミソ!)
大人をも巻き込むほどの頭の回転と知識と行動力もあったイケイケドンドンなキャプテン「霧隠主将」もまた、東大生には流石に口で勝てないし、一浪してしまったため先輩風を吹かせる事もできない…そんな状況であるため、チームに対して大人な態度で信用を得る所からスタートしている。
そして、今回の作品から主人公になる「大洲圭」という女性投手。
(なのに、なぜか高校野球はダメだけど)大学野球では女性選手OKなので、第一線の選手として登場する。
彼女は、霧隠や蝦名の2つ下で高校野球編から出てきたキャラクターだが…このキャラの位置づけも高校時代とは変わっている。
高校時代には「ラブコメ要因」な登場人物でお互いがお互いを意識していたが、大学では一選手として登場しつつも女心(女のカンから出る踏み込んだ発言)を出してくる作中のキーパーソンとして登場する。
お互いが意識しあってた仲であるにも関わらず、霧隠が悪そうな顔で『秀才バカはわかっちゃいねえ、女心ってやつをな!』とかマウンドの上で言い出した日には「こんな野球マンガ見たことねーよ!!!」と僕が興奮してる。
何が興奮どころかというと、ラブコメ要素以外での微妙に考え方(相手に抱く感情)の違う、見られ方の違う一人の人間として女性投手というキャラを持ってきてるところがすげー面白いの!!
確かに女の子ならそれは言うだろうし、女の子だから許されちゃうだろうことが男同士の関係をよくも悪くも変える…脇役っぽい役回りなのに主役級キャラとして、堂々と出てくるのがたまらなく面白い!!
野球マンガに女の子が関わる作品はマネージャーか顧問と相場が決まってる。
でないとそもそも理屈が通らないから選手として女の子が出てくるマンガは珍しい。さらにいえば、選手として出せる少年野球・大学野球はスポットが当たりにくいから野球マンガは男臭い。
ちなみに、ダイアのA・おおきく振りかぶってが女性人気が高い理由はこういう理由
あ、そっか!野球マンガと腐女子の親和性がいい作品って、ホモソーシャル優先で、顧問なりマネージャーなりの女の子が恋愛対象になってない…つまり、乙女ゲーではなくヤオイ的(と女性が解釈できる友情)関係を後ろから楽しく見られる特等席だからか!!なるほど!
— 三沢文也@こっちは本気で遊んでるんだ! (@tm2501) 2016, 1月 28
でも、ロクダイについては後ろから選手達を見守るどころかむしろ、女性であるがゆえに振り回したり、言いたいことが言える(言わされる)位置づけなので、こういう作品が見たかった僕にとっては「よくぞ書いてくれた!それも野球マンガでやる所がかっこいい」と興奮気味です。
おれはキャプテンはブックオフでも立ち読みできますので、もし面白そうだったらロクダイも読んでみてください。
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