僕は5年前に、同人誌・同人作品を紹介していた時期があった。
【Pixivにて公開中】つくしあきひとさんの同人誌「スターストリングスより 」が…心がぶつかってて、泣ける。
【ようつべ・ニコ動で見れるよ】ロボと少女(仮)が、たった1話100秒の短い時間にユーモアが詰まってた!!
ちなみに、どちらの作品もネット上で無料で見られる作品なので、良かったら見ていただきたい。
この時期からブログを見ている古参のファンが事ある度に
「同人誌レビュー、イラストレビューをやってくださいよ。」
と、5年間もの間うるさい。
オフ会でお会いした時には、机をバンバン叩きながら「同人誌を紹介してくださいよ。」とまで言うほどのお熱っぷり。
べ、別に圧力に屈したわけでもなんでもないが…久々にdlsiteの同人誌紹介をやるよ。
同人誌と言っても、pdfでスマホ・PC問わず、見られる「魔王の秘書」という作品を紹介する。

しかも、前半で、人物の相関関係・キャラ付けがしっかりさせてるから、後半の「小ネタ」も面白い。
ちなみに、この同人誌は2014年に作られたもので、2015年に前半4分の1ほどをリメイクして、Pixivにアップロードしてアップしている。
DLsite版は100円。それも十分安いのだが、Pixivに投稿した序盤だけのマンガは無料。
また、DLsite版とは少し変わってる所もあるので、購入済な人も良かったら見てみてください。
マンガ全体の構成としてのテンポの良さを優先し、すべて1ページで話が完結する・次の話に映るようにできている。ゲーム的雰囲気を活かしされた最後の絵など、本としての読みやすさ・面白さが好きなので、DLsite版も読んでもらえると嬉しい。
新しい人材が入ってくると、優秀でも迷惑!?
僕はこの作品を読んで10ページでこんなコメントをしている。
俺の中で「橙乃ままれの上位互換ってこういう作品じゃね?」っていう作品を見つけて感激なう。
ログ・ホライズン見て「ままれ作品って着想点は素晴らしいのに、それをあまりに現実味のない再現をするから足りない」と言った後に、これを見つけたことが偶然だとは思えなくて、運命めいたものを感じる。— 三沢文也a.k.a.青二才 (@tm2501) 2016年4月25日
28ページしかないイラスト付きの作品を、何百ページもの小説を比較するのは良くないかもしれない。
だが、 ぼくが「ログ・ホライズン」や「まおゆう」を見て欲求不満だったところを描いてくれたのがすごく嬉しかったのも事実だ。
橙乃ままれさんも「JRPG」の魔王と勇者の世界を踏襲した作品を作る人であり、「JRPG」の世界に新しい価値観を持ち込むキャラクターを設置してかき回す作風なので、やりたいこと・してることはよく似てる。
「魔王の秘書」の秘書が、「まおゆう」でいう魔王、「ログ・ホライズン」でいうシロエのような「変革者」「新しい価値観を持ち込む人」と理解してもらうとわかりやすい。
ただし、描いている【風景】が全くの逆。
橙乃ままれさんの作品では変革者による「俺TUEEE」になりがちな作品が多い。
変革者が持っている違う価値観がドンドン受け入れられ、それによって世の中にいい方向に変わっていき、いい仲間も自然と集まる。
JRPG版「半沢直樹」・JRPG版「水戸黄門」…とでも言えばいいのかな?
爽快で、エンターテイメントとして優秀だけど…細かいところで納得行かないというか、丁寧に見ると欲求不満を感じてしまうような作品。
一方で、「魔王の秘書」は秘書が敏腕だからこそ、周りが迷惑している。
敏腕な秘書は忠実に魔王の命令を成し遂げようとするし、魔物達に頼まれたことについても従順に従うが…こちらが考えていることとは全然違うから困惑される。
また、JRPGのフォーマットこそとっているものの、「魔王の秘書」は秘書…つまり、古臭い上司とできるけどズレてる部下という関係もミソ。
上司より優秀または高学歴な部下が入ってきた時に優秀さ・頭でっかちさに頭を抱えるような現実的な風景を、JPRGの登場人物で描いていて「そうだよね、こうなるよね」「そうそう。君は間違ってないんだ。でも、世界(社会や、この組織)はそういう風にできてないんだ」と複雑な気持ちで、両方に共感と同情しながら読む作品。
JRPGというのはあくまでも、お題。その2つの相反するキャラをつなげる口実。
身も蓋もない正論で人々を驚かせる、正しいけど相手の気持ちや事情を汲み取ってないから迷惑されるのが、秘書。
建前では【勇者を倒し、人間を根絶やしにして世界征服】と言いながらも、本音は【勇者がいないと魔王が成り立たないから、人間を根絶やしにしちゃったら困る】という大人の事情がある魔王や周囲の魔物。
この対立構造を、ギャグ的に、重苦しい話にせず、描いていたのが気持ちよかった。
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