昨日、偏見プレゼンに出てきた。
正直に、告白すると…おそらく僕が一番プレゼンについての準備をしてないと思う。
そりゃ、言われた通り、最低限の原稿は作りましたよ?
でも、プレゼンのためにスライドも作ってない。
プレゼン会場に行く1時間前、お風呂場でシャワーを浴びながらぼそぼそと通し読み。
その一回で記憶が曖昧なところを直前の会場でデータだけ確認。
…主催した堀元さんに確認してもらえればわかるけど、僕のプレゼンは原稿の要所要所を抑えつつ、3割ぐらいしか台本通りにやってないです。
・自分の音源を録音して直前まで何回か聞いた上でキッチリと台本通りにプレゼンした宮森ハヤトさん
・この、偏見プレゼンで優勝した熟練のビジネスマン「藤田一郎」さんのように場の空気を緻密に盛り上げていくプレゼン
のようなものとは正反対のプレゼンをしました。
ところが、優勝した藤田さんから
「三沢さんに負けるならしょうがない」
と言われ、出演者や審査員の評価は
「キャラがいいよね。」
「(中身はともかく)最も面白いプレゼン、盛り上がったプレゼン」
「時間オーバーしてたけど、むしろ終わってしまうのが名残惜しいぐらい。」
とか言われるものでした。
さぞ、完全に違うものに見えたでしょうね…。
でも、プレゼンの「基本」は僕も、宮森さんも、藤田さんも共通してますよ?
その基本すらできてないプレゼンターを見かけたから基本の話をメインでやります。
今回のプレゼンターで盛り上げきれなかった中には大学生の方が多かったので、プレゼンに来てない大学生、人前でジョークの効いたスピーチをしないといけない方は是非参考にしてください。
そもそも、僕は「偏見プレゼン」なるものを知らなかった。
そのため、今回の主催者のレベルに合わせることにして、堀元氏の偏見プレゼンを見た。
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しかし、それをそっくりそのまんま言ったら「カフェモカを飲む女はバカ」で楽しめる人が楽しめなくなる可能性が出てくる。
極端なもので言えば、「ガチオタカップルはコミケ会場に一緒に歩かない」とかね。
「…だって、趣味が細かいところまで共有できないはずだから、自分の戦利品を求めて歩きまわるもん!彼氏彼女お互いがお互いに一緒に歩かれると邪魔でしょ。」
エンドレスに語った時にウケる層と、ドン引きする層がいる。
つまり、「カフェモカを飲む女はバカ」で笑う人と、「コミケ会場で歩いてるカップル、そんなにオタクじゃない問題」で笑える人は共通しない。
それどころか、彼らの持ってるオタク知識ではまどか☆マギカすら会場の中で、2,3人しか知らぬことを後に小ネタを言った時に知ることになった。(外しても大丈夫なようにリカバリーをちゃんと考えたうえでスベったけどね)
つまり、「偏見をプレゼンする」というお題にとらわれて、自分の偏見を語ることばかりを意識している人は、そもそもプレゼンをしてウケる層・ウケない層の区分けができてない。
言い換えると、ドン引きされない程度の偏見、笑い話で済む程度の偏見、話の内容を知らない人でも「こいつ嫌い・怖いな」と思われない内容を選ばないとただ相手に悪印象を与えて終わることになりかねない。
…ここが意外とできてない人が多かった。
2、自分の立場を明確にしつつ、徐々に共感に持ち込む
ネタを「カフェモカを飲む女はバカ」にレベルを合わせたら、今度はネタの中で緩急を付ける必要がある。
「共感」と「新鮮味」だ。
…「平凡さ」と「場違い感」ではない。
偏見プレゼンの場合、…この「新鮮味」と「場違い感」の境界線が難しい。
あまり真面目な話をしても「場違い感」、ジョークで済まないほど偏見まみれにブチ切れても「場違い感」。
そこで、私はこう切り出した。
「どうも。今日一、原宿が似合わない男!三沢文也です!!」
これ、何がすごいかというと…特におしゃれもしてないデブが、1つ前にスーツでプレゼンしたモデル男の次に登場し、「オレは原宿のスタイルではやらないぞ」とアピールしてしまったのです。
そして、さらに
「宮森くんは1年半と言ってたけど、僕はもう5年もブログの世界を見てるわけさ。だから、色んな所に顔を出してるけど、蒲田だったり秋葉原だったり…原宿でオフ会・イベントしてる中でブロガーがたくさんいるところなんか見たことないぜ!!」
と、僕の2つ前にうまいプレゼンをした宮森さんとの路線の違いを強調。
ちなみに、年上だと知らないこと・先輩風を吹かすために、宮森さんを「くん」づけで呼んでる。そして、イヤミに言う。その演技力があるとさらにキャラが立つ。
偏った人間として新鮮味を与えた後に、偏った偏見を言う。
「ブロガーはモテない!!特に専業のブロガーさんなんか、もっとモテない!!」
言っちゃったね!!
で、新鮮味の後に共感を与えていくわけだが…共感の要素は主に2つ。
「だって、ブロガーって地味じゃん!!」
「結婚式場のデータによりますと、職場をきっかけに恋人ができた人が4分の1!!」
要するに、人々が「薄々思っていたこと」を代弁してるだけ。
でも、これをいきなり言うと平凡に聞こえてしまうため、「すごく変なことをした・言った」後に言うのがポイント。
原稿作りの段階で重視することとしては、
・場違いにならない程度のフレッシュさの提供(前半)
・共感できそうな落とし所をあらかじめ設置しておく(中盤)
・共感した部分に「フレッシュさ」が肯定できる要素があることを説明し、正当化していく。(後半)
…ここで、きっちりと空気ができてると後は楽。
3、自分のキャラや知識で説得力を持たせられる話をしゃべる
お笑いの世界だと波田陽区のように人のことを散々バカにして、「切腹」で終わる話でもいい。
でも、プレゼンの場合は「切腹」しちゃうネタはよくない。
「自分を少しも落とさないで相手を悪くいうネタ」も好感度の問題としてよくない。
聞き入れられる理論にするために、プレゼンター自身が愛されるものが望ましい。
そして、愛されたプレゼンターが「自分だから言えること」を等身大に、でも自分のテリトリーはしっかりと語る。…空間単位での心地よさがそこで生まれていくる。
知らないことを頭でっかちに言うと説得力が弱く、そもそも人として好感度が持たれにくい。だから、避ける!!
逆に言えば、ビジネスのプレゼンでもない限り、スライドはいらないのよね…。
だって、スライドがないとしゃべれないことが多ければ多いほど、その自身の自分の言葉、熱さ、その人の等身大の姿が見えてこない。
世の中の多くのプレゼン…学校の先生の話にも、ニュースのワイドショーにも
「いいから、スライド横して立ち去れ!」
「自分で読んだほうが早いわ」
と思うのは、ツカミとその後の共感がヘタだったり、オチを通じてその人から説得力が愛され感を見いだせないから。
好きじゃない奴、興味がわかない、そいつじゃなくても喋れるような話だと思わせないと、「いいから早く情報を提供しろよ!!」でしかないのよ…。
プレゼンは「いいから早くしろよ」から逃れられるかなんだよね…。
そのための、キャラをしっかり作れるかなんだよ…。
TEDをモデルにしたイベントらしんだけど、TEDらしさがない僕が出ちゃってよかったんだろうか…
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