マンガ「アオアシ」を読み進めるとサッカー選手はどこがすごいかがわかる!!

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スポーツを見ている人とやっている人の感じるすごさにはズレがある。

見る人はダイナミックで華麗な個人技ばかりを取り上げがち。
ただ、スポーツをやる人が練習するのはもっと地味で堅実で基本的なプレイ。

それどころか、ダイナミックなプレーだけではサッカーとはおおよそ呼べない「たまあそび」になってしまう。

自分は野球少年で、「たまあそび」程度の知識から徐々に「野球」という別のスポーツとして考えられる楽しさを大人になるに連れて理解できるようになった。

その経験から

「きっとサッカーにも、もっと奥の深さがあるはずだ」

と考えていた。

その「奥深さ」を紹介しているマンガが「アオアシ」である!!

たまあそびがすごいうまい主人公が、ユースチームに入って「サッカーらしいサッカー」を覚えていく話。

ユースを描いたサッカーマンガ自体が少ないせいもあって、その事自体がすごく高評価されている…が、1巻はまだユースの試験や、主人公自身のキャラ説明がメインになるから、ユースの話が本格的にスタートするのは3巻以降だと思ったほうがいいかも。(2巻もユース試験の話がかなり入ってくるし)

野球でも「動物的カンや運動神経が抜群の主人公」は出るが、コレをサッカーでやるとどうなるか…そこが描かれてて面白い。

 

基礎とイメージが共有できてない選手はそもそも試合に出られない

野球だと…試合には出られる。

チームプレイ・連携プレーの少ないサード、外野、
比較的自己中心的でも務まる(ヘタしたらそれ自体が才能になる)ピッチャー
…この辺で起用してやれば、「たまあそびがうまいが、チームプレイ、連携プレー・チームプレイが下手くそな奴」でも居場所や伸ばし方はある。

でも、サッカーだとそういう人の居場所がない。

まず、得点を取るためのイメージが共有できない人とはパスが繋げられない。

次に、みんなが持ってる基礎的なテクニックを持ってない人がチームの中にいるとリズムが悪くなるし、ボールを取り合う上での弱点になりがちだからコレもNG。

だから、そもそも「たまあそびが上手いだけの人」はサッカーだとユースにも行けないのよね…。主人公にもいえることだけど。

主人公の面白いところもまた「たまあそびしか知らないから、サッカーをしてない」というところ。

そして、同時に「彼はサッカーをするために大事な資質を持っている。そのため、サッカーは知らずとも【天才的なたまあそび】を行っていたため、サッカーの考え方さえ教えれば、スポンジのように習得していく」ところにある。

しかも、それが「超人的な肉体」「他の追随を許さない足の速さ」みたいなフィジカルなところじゃない辺りが、サッカーというスポーツを知る上で素晴らしい!!

勉強に例えよう。

学校に勉強ができるやつ・勉強は苦手なくせに地頭がいいやつ…いなかったかな?

勉強ができる人は「自分ぐらいできるのを当たり前に思ってる」けど、要点を抑えるのが恐ろしく早く、その部分を「センスがある」と呼ばれる。

勉強こそできないけど、地頭のいい人は…紙に書かれるとわからなくなるものの、丁寧に説明すると「え?そんなことをわざわざ学校で教えるの?」「偉い学者さんが分析した名前は今知ったけど、経験で知ってる」ということがザラにある。

言葉を知っているかどうかは、勉強して知識を獲得できるかどうかは

・抽象的な思考ができる

・根気強く人の話を聞いていられる

・必要な教育が受けられる環境があるか

に依存してるだけ。

別に東大生だけが才能があるわけでもない、学歴や就職した企業で才能の序列が決まってるわけじゃない。(それを誤解されてる、勘違いして振りかざしてる人が多くてホトホト迷惑してるけどね)

それをきっちり教えるか、考えるヒントが転がってる環境に行くと、資質がある人はちゃんと吸収する。

ましてや、才能の種類を理解して、うまく指導するひとがいれば、なおさらだ。

そして、何も知らないけど、飲み込みが主人公だからこそ、

・サッカーを知らない人

・テレビで漠然としたイメージだけがある人

が見ても面白い。

いや、下手な愛好家よりも別のスポーツ経験者の方がこのマンガのようにスポーツを覚えていく感覚が共有できて感情移入もしやすく、サッカーが理解できるかも…。

ヒロインの業が深すぎて、マンガとしても好き!!

「主人公に献身的なくせに主人公のことが好きなわけではない」

という残酷なぐらい、こじらせた性格をしているヒロイン花ちゃんがかわいい。

純粋に好み!!

ファッションが独特で、表情が豊かで、口うるさい代わりにすげー面倒見がいい!!

公式ツイッターに何枚か画像があったからその中からかわいいと思ったのを貼っとく。

もう選手の彼女(?)というか、臨時職員というか、マネージャーというか…関係者ポジションの子。

だから、サッカーのユニフォーム着て観戦してる絵もあったが、コレじゃないなぁ…と思って私服の画像を選んだ。

スポーツマンガのヒロイン役にしては、手が込んでる設定というか、業の深い・スポットライトが人間らしく当たってる女の子キャラだから、すごく見応えがある。

スポーツマンガがチームメイトと衝突してホモソーシャル的な盛り上がりを起こしているのはうんざりするほどの定番だから敢えて触れない。

でも、ヒロインどころか、指導者でさえキャラがきっちりと立ってる(それも、指導者は主人公に肯定的な人と、否定的な人がいる)というキャラ配置のバランスがすばらしいスポーツマンガ。

確かに知識がつくマンガであり、目新しいと思ったのは知識の部分だ。

でも、読み続けたいと思ったのは、ヒロインと主人公の恋路とか、主人公に否定的なコーチや、選手が今後どんな動きをしていくかが気になるからだ。

サッカー以外の側面の中でも、特にヒロインに男好みな側面・男が一番傷つく側面を両方持ち合わせて「実在する人物」であるかのようなリアリティがあるところ。

これが、サッカーとは全然関係ないくせに胸をえぐってくる仕上がり!!

スポーツマンガとしても、恋愛マンガとしても、いいわ。

自分の知らない世界を描いてるくせに、自分の知ってる感情や経験をうまくえぐってくるから、この作品は刺さる!!

 

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ちなみに、野球マンガだとこの手のひねくれたマンガが大好きです。野球は知ってるから、よりディープなことしてくれる方が好き。

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