フリーゲーム「作葬グレイブキーパー」を大量のアイテムで突破せよ!!

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ありそうでなかったゲームをプレイした。

この作品の「元作品」である「積層グレイブローバー」という作品の頃から好きだったけど、スピンオフした今作でもグレイブローバーの中にあった演出と雰囲気の良さは健在。

 

概要

主人公のリーザはアイテムを生成する「クラフト魔法」の使い手。

平たく言うところの「道具屋さん」を本業であり、彼女が拠点とする場所には道具を作る設備が揃っている。

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そのため、彼女自身の戦闘力は弱い。

その代わりに、装備品(装備できるのは1つのみ)や、攻撃アイテムを作ることができるため、素材を集めてアイテムを生成することでダンジョンをクリアしていく。

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前作をやってればお話自体は読めるけど…

この作者のすごい所は「演出力」なんだよね。

「お話や世界観で読めないモノを作る」タイプの人ではない。

「定番」とまでは言わないのだが、キャラとの会話や相関関係を見ていれば「読める」程度のわかりやすい作品は多い。

…ちょうどヘビーな人もプレイでき、ライトな人も理解できるいい塩梅のお話を作ってくる。

特に、RPGを作るときにはわかりやすめに作ってくる傾向が強い。

だけど、「わかっていても面白い」に仕立てあげる演出力こそ、この人の真髄!!

しかも、その過程で「ありそうでなかった」を提示してくるから、ゲームの一通りの説明、ルールを把握していく時にもワクワクするような作品を作る。

今回の場合、ルールは「リソース管理」。

リソース管理は「素材を集める作業をするゲーム」になりがち。

でも、このゲームはアイテムを細かくしたり、敵の技や弱点などに特徴をつけること、ダンジョンを歩いているだけで敵の種類がほぼわかることをなどを工夫して「リソース管理」の部分に、推理や予想や試行錯誤を持ち込むように作られてる。

例えるなら、函館の市場の「新鮮なイカの踊り食い丼」みたいな感じ。

別に、…メニュー自体が斬新なわけじゃなくて、誰かしら思いつきそうなアイデア。
でも、実際にやるには勇気もいるし、厳しい条件(この場合はイカの鮮度)などがあるから、意外とやってる人が少ない。

だからこそ、見た時に「これはきっと美味しいだろう」「メニュー見た時点で面白そう」というワクワク感があり、そのワクワク感にただ答えるだけじゃなくて、少しだけ地元の人だから知ってる美味しい食べ方や付け合せを加えるような…不思議な料理。

そんなワクワク感・新鮮な驚きが序盤にあって、終盤の「来るとわかってて、来た演出に興奮を覚えて、その興奮と一緒にゲームを終える感覚」が僕は好きだ。

 

今回のゲームも、終盤の演出が薄々は気づいていたのに、
「くそー!!わかっててもかっこいいし、思っていたものに、もう一歩掘り下げた所があった!!」
が前作の積層グレイブローバーにも、今作の作葬グレイブキーパーにもあるのがミソ。

…僕はね、期待通りのゲームでスタートして、終盤に期待を裏切ってくれるものが一番プレイしやすく、なおかつ終わった時に気持ちよく終われる。

濃淡?取捨選択?バランス?…色んな言い方はあると思うけど、作者のカラーに応じた重視する所、プレイ中にこう感じてもらいたい所がキッチリしてたことがぼくにはとてもやりやすかったです。

 

 おまけ:作者について

…僕の中では、「ゲーム以外の活動が最も面白いフリーゲーム製作者」の一人だから、この話も少し。

作者は「はじめての宿屋さん」「積層グレイブローバー」などのカナヲさん。

最近、「虚白ノ夢」というホラーゲームで、書籍化も達成している。(おめでとうございます)

また、電ファミニコゲームマガジンでは「心霊写真使い涙歌」「被虐のノエル」を連載。

特に、「心霊写真使い涙歌」については「ライトノベル原作のフリーゲーム」という、見たことも聞いたこともない不思議な試みをしている。

…ここまででも、面白い。

でも、もっと面白いことが3つ。

1つはニコニコ静画で、マンガを連載してること。

自作ゲームのないところに女子高生は集まらぬ。 / カナヲ – ニコニコ静画 (マンガ)

1つはやたらとホームページを作りこんでること

てりやきトマト

いちいちバナーを作ってきたり、一部のゲームでは自分で攻略情報書いたり…手の込み方が多岐もわたるから、面白い。

最後は、Entyをやってること。

カナヲ – teritomaさんのパトロン・ファンになろう | Enty[エンティ]

ここも、イラストやらバナーやらきっちり作ったり、最新のゲームを入れたファイルには、パトロン限定のゲームの存在をテキストファイルで周知したり…。

ここまでやってるゲーム製作者さんがなかなかいないので、独自路線を貫き通して欲しい。ゲーム製作者さんはいいものを作っても作者自身がフォローしてもらえてない傾向がつよいから、そんな中でブランド?スタイル?そういうものを確立して欲しいと思います。

ちなみに、重刷がきまったそうです。おめでとうございます。

 

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