はじめに
このゲームはラハと魔法の園というゲームの続編です。
前作をやらなくてもRPGとしては十分に面白いんですが、ノベル要素を楽しむ上で前作をやってないと興奮すべきところでできないし、泣くべきところで泣けないから、前作をやってからやることをオススメします。
(雑に)概要とあらすじ
ハリー・ポッターのような全寮制の魔法学校の中で、
ハリー・ポッターよろしく不可解な事件が起こり、
ハリー・ポッターよろしく呪われたヤツ(主人公)が友達と一緒に、
ハリー・ポッターと同じく優等生や性格の悪い先生に睨まれながら事件を解決していくお話が、
ハリー・ポッターみたいにシリーズ化されていて、今回はその2作目になります。
3部作で完結するので、ハリー・ポッターほど気構えずにできるので、1作目から順番にやってみてください。
前作では、イケメンの男の子が主人公をツンデレの金髪優等生がほっとけなくて助けに来ることに
「世界観ハリポタなのに、…ラノベかよ!!」
とぼやきたくなるようなシーンが多くあったり、
「全員が魔法使いとして未熟な学生であることで、技が似通ってる。RPG特有のキャラのジョブがそのまんま個性になるという特性(メタファライズ)が弱く見える…。」
など、前半にはやや欲求不満にプレイしていた。
ところが、後半にかけて一気にスイッチ!!
ラノベっぽい方向に行かないで、ちゃんとまんべんなく色々なキャラを立て、しかも技にも徐々に個性が反映されるようになったり、個性が出た結果として前半ではふんわりしているようにしか見えなかった「キャラ設定」「ゲームの仕様」の面白さが、一気に活きてきた。
結果、
「いい意味でオタクっぽくなくて、こんなゲームやったことない!!」
「ブサイクも人外もキチッと作品上で登場・活躍させてるいいゲーム」
と感動。
詳しくは、前作のレビュー参照
フリーゲーム「ラハと魔法の園〜the graystory〜」の謎に迫れ!!
そして、続編では前作にちらっと出てきた女の子が違う学校に留学という形で編入することになる。
最初から前作で良かった部分である
・RPGとしてのエッジが効いた要素
・ストーリー上の事件を推理していく要素
・(シリーズを通じた)主人公の特異な設定が活かされたパート
などを突き詰められていて、迷いがないからプレイしていてすごく気持ちがいい。
しかも、ハリーポッターオマージュは顕在なのか、前作では出てこなかった「スリザリン感のある鬱陶しい3人組」も出てきたり、出てこなかったり…。
公式ページはこちら(ヒント程度の攻略情報もここ)
ダウンロードはこちら
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ブラウザでやる場合はここ
ラハと理の魔法生 -the 2ndstory-をブラウザで遊ぶ!
攻略情報はこちら(かなりネタバレなので「参った」という時にどうぞ)
ラハと理の魔法生 -the 2ndstory-の攻略本
アイテムが使えないけど、ヒーラーがいる!!
このゲームはストーリーとゲーム(キャラ)の仕様が大きく連動しているから、仕様の話から。
ロールプレイングゲームは、基本的に攻撃キャラが主人公になることが多い。
たしかに、この作品でも全シリーズを通じた主人公「ラハ」は攻撃キャラではあるんだけど…この作品限定の主人公「シエスタ」は、完全なヒーラー(回復役)である。
今回のゲームのスタート画面になっているこのイラストの女の子。
だから、このゲームではシエスタが必ず登場するけど、シエスタ一人で戦いをクリアしていくことはほぼ無理。
それは「ラハ」も一緒。…ラハもラハで能力が偏ってるから、頼りになる時と無能な時がある。ボスキャラにすごく強いかと思ったら、相性が悪いとザコにも勝てなかったりする。
元々ロールプレーイングゲームには
・攻撃/守り役
・魔法役
・回復役
・補助役
とがそれぞれの特性を活かしてチームでゲームをクリアしていく作品自体は多い。また、能力とキャラの性格が連動させることでキャラゲーにも仕立てやすい。
このゲームは特に「キャラがチームでクリアしていく」側面が強い作品で、そのために一人では1つの戦いさえ乗り切るのが難しい偏った能力のキャラが多く、その分だけストーリーと戦闘能力も連動してる。*1
そういうゲームだからこそ、嫌いなキャラ・役に立たないキャラというのがいない。
能力的に優れてる・劣るキャラはいるけど…劣っていても、役には立つ。
特に、ギリギリの戦いになると劣るキャラにも「がんばれ」「耐えろ」「お前が倒せ!」と声が出てしまい、それがキャラへの入れ込みへと変わっていくのが面白い。
しかも、ヒーラーのシエスタの能力を活かすべく(?)「アイテムが使えない」仕様になってる。
前作ではアイテムは存在するから、ラハシリーズの世界観にはアイテムは存在するんだけど…今作はそれが使えないからますますシエスタをどう使うかがゲーム攻略の鍵になる。
ゲームはクリアできるけど、サブ・おまけ要素が意外と難しい
このゲームシリーズでは一通りのストーリーを終えた後にストーリーにあった会話や要素をどれだけ埋めたか「評価」される。
この「評価」で点数を取ろうと思ったらゲームを何周もしないければいけなくなるからなかなか満点を取ったりできないのだが…それでも良い評価で気持ちよくゲームを終わりたかったら、ストーリーは飛ばさず、極力キチッと読んだほうがいい。
他にも、この作品にはパワーアップ用のダンジョン「魔練洞」がある。
しかも、かなり意味深なことに「本編のストーリーの進行中いつでも挑んでいい」という変わった仕様になっている。
そのため、クリアできない時のレベリングや新技の獲得、あるいはクリア後のシナリオを見た後にラスボスに挑むような最強メンバーでダンジョンに突入…もっとマニアな楽しみ方としては「ストーリーの特性上、ラハとシエスタしいない状態」でも魔練洞には挑める。
そういう意味ではおまけ要素がかなりユニークなゲームだ。
「やりこみ要素」と「救済措置」を1つのシステムで兼ねそろえられることはなかなかないから「そういうのもあるのか」と感心させられた。
うるさいほど、ハリポタハリポタ言ったので、ハリポタっぽい本から一冊。
もしファンタスティックビーストを見に行く、行ったという人は是非。
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*1:対極にあるゲームの例を挙げるとすると、片道勇者みたいに逃げること・お金やアイテムでごまかすことまで含めて、「能力は決まっていても、クリアの仕方はいくつも用意されているから、その中から選ぶ・模索するところまでがゲーム」という作品もある。