発達障害による能力のムラで、アイデンティティ・クライシスを起こしてた話、する?

ADHD界隈が騒がしいから、少なくとも広汎性発達障害までは確定してて、発達障害の人から「多分、ADHDだと思うよ?」と言われる俺も参戦するわ。

あらすじ

ことの発端は借金玉さんの記事。

要するに僕が言いたいのはこういうことなんですよ。「それ、効率良く働けるマンしか生き残らないよな」ってことです。人が仕事をこなすスピードというのはかなり幅があります。10のタスクをこなすのに12時間かかる人もいれば24時間かかる人もいる。「定時帰宅」を絶対是とすると、まぁ効率の良い人しか生き残らないよねー、という話です。

(略)

僕は仕事が遅いです。正確に言うと、アホみたいに早いときがごく稀にあり、それで帳尻を合わせるタイプです。これはもう生まれもった特質で、努力は常にしてるつもりなんだけど未だに治りません。一生治らないと思う。コンサータで多少マシになるけど、「多少マシ」程度であってですね。まぁ、基本的に遅いです。生きててすいません。

そういう僕の処世術は「ロスタイムのフル活用」です。一日30分から1時間、管理職の目を盗んで職場に残り、電話の留守電ボタンをポチっと入れてからが僕の「やるぞー」タイムです。それが出来る職場なのが大変にありがたい。

残業禁止は強者のルールなのでは、という話。 – 発達障害就労日誌

借金ボールだけが書くだけだったら援護射撃する気はなかったんだけど、この論争にわかり手さんが参戦した。

 定型発達者Aさんの10時から16時の仕事を考えてみましょう。

1時間あたりの平均仕事量が100だとすると、Aさんは

10時:100
11時:110
12時:90
13時:80
14時:90
15時:100
16時:130

みたいな感じで仕事を進めることができます。ブレはありますが、大きくはなりません。
しかし、これがADHDのBさんだと次のようになります。

ADHDのBさん、Aさんと同じく1時間あたりの平均仕事量が100だとすると

10時:10
11時:0
12時:0
13時:20
14時:30
15時:300
16時:340

こんな感じになります。

いや冗談ではなく、本当にこんな感じになるんです。
AさんもBさんも、10時から16時の間でこなしている仕事量は変わりません(両者ともに700)。

しかし、それを一定のスピード、一定のリズムで出来るか否かが、定型発達者とADHDの大きな違いなのです。

ADHDの人間は「一定のリズムで仕事をする」ということが、本当に、壊滅的に、苦手なんです。

ADHDと「残業禁止ルール」の相性の悪さについて – メンヘラ.jp

これ、オレじゃん…。

…しかも、これが時間内に来てくれたらいいよ?

夜中にギアが入ったり、3日先までキレがない状態が続いて、いきなり3日分仕事したり…仕事量に対するムラが酷すぎるんだよね。

発達障害者が学歴取れないと「最も向いてない仕事」につく羽目になる

これは
・一人でブログやメルマガ書いて、サイトのデザインいじってる
ブログレッスンを相手と一対一で相談を受けている…

みたいなことだったらいい。(※僕が実際にやってることです)

ただ、これを正規ルートでやっている会社に入る学歴がなかったので、僕は一人でやってる。

良心的なお客さんに恵まれて、美味しい思いもしてるけど…基本貧乏。金がないことがもはや僕のキャラクターの一部になってる。

「学歴相応の仕事して、会社の中で働いて安定しろよ!」

とか無言の圧力を周りから感じるんだけど…僕の学歴だと創造性とか提案力とかそういうもんは一切求められない。
むしろ、一度二度だったら誰にでもできることを機械的に「正確さ・安定したパフォーマンス」を求められる仕事にしか、大学受験で芳しくない結果の人には用意されてない。
そして、それが発達障害には死ぬほど向いてないから、実際にやったら…病みましたよアルバイトでも正規のスタッフでも、上の人に目をつけられてね。

営業マンやるには、詭弁や嘘が苦手だから、押しが弱くなって成果がとれない。(ウソを付くのが下手。嘘や言い訳を言うと、言い方が下手すぎて、人を怒らせる

販売員・作業員をやるには、毎日のように正確な仕事ができないから、レジや作業でケアレスミスをして怒られる。

何よりも、ブルーワーク系の企業で1日に3日分の仕事がドガッと捌けるほどの爆発力なんか求められてないし、1日に3日分の仕事なんか来ないから挽回できないし…。

でも、発達障害で才能を発揮した人だってもちろんいるよ?

でも、その多くは芸事や芸術、スポーツ…エンジニアや学者なんです。

日本の文系は基本的に調整役/作業要員だから、理系・アスリート・芸術系では才能になり得る発達障害は…欠陥。

だから、何かを突き詰めると天才的な才能を発揮する人もいる一方で、突き詰める舞台にたどり着けなくて、向いてない仕事について病んだり、人生の多くの部分を諦めざるを得ない人の方が圧倒的に多い。

学歴・学位が取れた人はいいよ?運も実力も「気づき」もあった人はね。
…実際、使い方次第では発達障害は才能だから、早い段階で自分の能力のチグハグに気づいていない人は、まず自分の能力の把握で戸惑う。

しかも、能力(ポテンシャル)そのものにもムラがある。

発達障害は気質の問題でもあるけど、気質の問題だけじゃない。

病院で発達障害かどうかを調べる時には特徴をすり合わせる以外に、IQのムラを調べて、能力そのもののムラを算出して、その人が発達障害かどうかを判断している。

僕の場合は病院でIQを測ったところ、言語系のIQは高学歴者とそう変わらないIQ115だけど、動作性のIQは健常者と障碍者のボーダーラインのIQ80。

…つまり、仕事場での僕は喋ってると頭がいいか、理解が早いんだけど、ものすごくトロイし、ケアレスミスが多いから「不真面目にやってるようにみえる」んです。

僕は大真面目にやった時に、IQ115の結果が出るジャンルが出て「オレすげーじゃん」って思う一方で、IQ80のことしかできなくて「オレだめじゃん」と思うのも両方自分なんです

しかも、集中力にムラが出るからざっくり言って4パターンの自分がいる。

・IQ115が完璧な集中力で出る時→お前、すげーじゃん!
・IQ115が全く出しきれない時→雑で荒削りだけど、いい線行ってる。
・IQ80が全部出し切れた時→うん、がんばったね。
・IQ80が全く出しきれてない時→お前何やってんだよー!クビにするぞ!!

が全部自分なのだ!!
だから、自分で自分がどの程度のやつなのかがまずよくわかんない。

できた時に褒めてくれるのはいつも僕と同じぐらいの立場の人で、僕の親、先生、上司は「IQ80ができないね」「IQ115あるのに、手を抜いたでしょ」とだけ言うから、思考がだんだん「怒られないように」シフトしていく。

しかも、それが健常者の態度ほど器用ではないから、ウジウジした態度や開き直った態度がかえって、目上の人を怒らせてドツボにはまる。

そういう人間は組織で働くどころか、自分がまず何者かがわからない

そして、何者か気づいた時にはもう手遅れ。

「大人の発達障害」なんて言われるけど、…僕みたいに24とかで、躁うつ病になって無茶できなくなり、学歴をつかむチャンスも芸事を極めるチャンスも失った後に、そんなこと気づいても、自分に合った組織で働くのはなかなか難しい。

だから早期発見されて欲しいよ。

今みたいに「正確さ」をコンピューター並みに求められちゃう仕事が溢れて、発達障害の人が向いてるようなクリエイティブな仕事はビジュアルから礼儀、経歴まで何もかも完璧な人じゃないとできない時代だからね。

失敗したやつはそこで終わり。

でも、人生は終わらないから、ゲームオーバーでリセットした所から再スタートで、行けるところまで行かないといけない。

クリアが遅すぎると、後ろからすごいプレイヤーが突き上げてきて枠を持っていったり、同じスタートからはじめたやつと顔が合わせられなくなったり、その時にしかできないことをできずに老いたりする残酷なゲーム…それが人生です。

発達障害で、自分というキャラの操作方法もわからない、向いてない武器を装備してダンジョンに乗り込むと、大変なことになります。

もう歳を取った発達障害者にはクリアしやすいステージを
まだ始まってもない発達障害者には彼らに扱いやすい装備や戦術を

より多く、見いだせるようになる時代が来ることを願うばかりです。

うつや発達障害の人が自分の病気について勉強するのは、それがわかんないと自分が何者かすらもわからない場合がしばしばあるからです。

切実な問題ですよ

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